新潟のつかいかた

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さつまいも愛が止まらない!
小千谷市
〈さつまいも農カフェ きらら〉
代表・新谷梨恵子さん | Page 2 Posted | 2023/11/15

地域の野菜を使った農家カフェをオープン

新谷さんが目指した「地域の野菜がうまく売れる仕組みづくり」に欠かせないのが、農家の6次産業化です。6次産業とは、農林漁業者が生産(1次産業)だけでなく、食品加工(2次産業)と流通・販売(3次産業)にも取り組み、収入を向上させるというもの。すべて行うことから「1次産業×2次産業×3次産業=6次産業」と呼ばれています。

「6次産業化を進めたいけれど、何から始めたらいいかわからないという方がたくさんいます。そういった農家さんをサポートしたいと思いました」

そこで「食の6次産業化プロデューサー」の資格を取得します。これは、食の分野で新しい価値を創出する資格。さらに、経験に基づいたアドバイスをするために、新谷さん自身もさつまいもを使った商品開発と販売を行うことに。

焼きあがったスイートポテト
焼きいもでつくるスイートポテト。カフェオープン当初からの定番商品。

「さっそく加工所を探しました。でも見つかった物件が想像以上に広かったので、思い切ってカフェを開くことに。ここからさつまいもの魅力を発信しようと考えました」

新谷さんがオープンしたカフェの店内
カフェは小千谷インターからすぐの場所に位置。店内はゆっくりくつろげる小上がりの掘りごたつスタイル。

とはいえ、新谷さんにとって、カフェ経営は初めての経験。

「不安はありましたが、店がうまくいかなければ、6次産業化のアドバイスをしたところで、誰も耳を傾けてくれません。最初の2、3年はカフェを軌道に乗せることだけを考えました」

席の上につけられた「1金時」と書かれたパネル
それぞれの席にさつまいもの名前がつけられているという、ユニークな仕掛けも。

店名は〈さつまいも農カフェ きらら〉。さつまいもを中心に、農家から届く野菜をふんだんに使ったメニューがウリの農家カフェです。特徴的なのは、ここでしか食べられない、ユニークなさつまいも料理の数々。

例えば、エビの代わりに、揚げたさつまいもを主役にした「エビのないエビチリ」、豚ひき肉をさつまいもとこんにゃくで代用したしゅうまい「しゅうまいも」、見た目はエビフライの「イモビフライ」など。常にレシピを考え、思いつくたびに、どんどんメニューに取り入れていくそう。

「食べるとちゃんとエビチリやしゅうまいの味がするんですよ! 私が目指してるのは、AIにも思いつかないような唯一無二のさつまいも料理です(笑)」

スイーツのイチオシは「焼きイモソフトクリーム」。アツアツのさつまいもにソフトクリームのせた、見た目もかわいらしい一品です。

「焼きイモソフトクリーム」
「焼きイモソフトクリーム」中518円~、大594円~。ガンジー牛を使ったソフトクリームといただきます。
ソフトクリームをのせる前の土台となるさつまいも
焼きイモソフトクリームは、紅はるか、紅あずまなど、土台となるさつまいものタイプを選ぶことができるのもポイント。写真はオレンジ色が特徴のハロウィンスイート。

魅力的なさつまいもメニューに加えて、新谷さんが「さつまいもマニア」として、全国ネットの某バラエティ番組に出演したことをきっかけに、店は全国から客が押し寄せる人気店に。気がつけば、カフェには信頼できるスタッフも揃い、新谷さんは6次産業化のアドバイザーとしての活動を本格的に進めていきます。

壁いっぱいに貼られた芋掘りや料理教室のときの写真やお礼の手紙
地域の小学校で、芋掘りや料理教室といったさつまいもの授業を行っている新谷さん。店内には子どもたちから届いたお礼の手紙や、そのときの写真が飾られています。
「さつまいもコロッケ」

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