新潟のつかいかた

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“佐渡の味”になったアップルパイ
〈T&M Bread Delivery
SADO Island〉
マーカス&智子さん夫妻 Posted | 2018/09/28

ニューヨーク出身のマーカス・ソトさんと、島根県出雲市出身の山崎智子さんご夫妻

〈T&M Bread Delivery SADO Island〉って
どんなパン屋さん?

佐渡の南のほう、羽茂本郷というエリアにある小さなパン屋さん〈T&M Bread Delivery SADO Island〉。佐渡の島民だけでなく、全国に多くのファンを持つこの店は、ニューヨーク出身のマーカス・ソトさんと、島根県出雲市出身の山崎智子さんご夫妻が佐渡へ移住しスタートさせたパン屋さんです。

佐渡の南のほう、羽茂本郷というエリアにある小さなパン屋さん〈T&M Bread Delivery SADO Island〉

当初は車で移動販売というスタイルでしたが、パンの焼きあがるいい匂いに、近所から「売ってほしい」と要望が出るようになり、店頭での販売も始めたそう。

営業日は金曜と土曜の2日間。10~15種類ほどのパンを焼き上げ、通勤通学の人たちにも食べてもらいたいと、8時前にはオープンすることも。

重量感があり、食べ応えのある人気のクロワッサン。
重量感があり、食べ応えのある人気のクロワッサン。

いまでこそパン屋の多い佐渡ですが、移住した約30年前はほんの数軒だけ。つくられているパンも、コッペパンや菓子パンといった、いわゆる日本のやわらかなパンばかりでした。

「私たちがつくっているのは天然酵母を使った“ブレッド”。ニューヨークではそれが当たり前だったし、自分たちが食べたいなら、つくるしかなかった。それが始めた理由。最初はみんな『ベーグルって何? ドーナツ?』って、不思議そうに買っていってたよ(笑)」(マーカスさん)

マーカス・ソトさん

佐渡に上陸した、見たことのないパンたちは徐々に島民に親しまれ、T&M Bread Delivery SADO Islandはオープンしてすでに20年余り。

こんがりと焼けたカンパーニュ。
こんがりと焼けたカンパーニュ。

クロワッサンやハード系のパンのほか、佐渡産の西三川リンゴをたっぷり使ったアップルパイは特に人気のひと品。

「アップルパイが出ると、おじいちゃんから子どもまで買いに来ますよ。それもすごい勢いで買っていくの。家族が多かったりするから、10個とか!」(智子さん)

T&M Bread Delivery SADO Islandのアップルパイ
「フォークもいいけれど、手でガブリといくのが一番おいしいよ」とマーカスさん。

実は佐渡は、ミカンもリンゴも採れるという珍しい果物の産地でもあります。その西三川リンゴを使って、20年以上もレシピを変えずにつくり続けているアップルパイ。なかには3世代にわたって食べ続けてくれている家庭もあるのだとか。また、しばらく島を出ていた人が再び夫妻のアップルパイを口にして「10年前と同じ味!」と感激してくれた、というエピソードも。

「うちのアップルパイが、佐渡の味覚のひとつになっているっていうのは、すごくうれしいですよね」(智子さん)

山崎智子さん

かつては通信販売もしていたT&M Bread Delivery SADO Island。おいしさ、安全へのこだわりなどから、ふたりのパンはみるみるうちに大人気に。一時は半年待ちともいわれるほどでしたが、スタート当初の思いとはだんだんかけ離れていく状況に歯止めをかけるべく、いまは通信販売をストップしているのだとか。

「やっぱり基本的にはこの島で、島の方に売るっていうのがいいなって」(智子さん)

マーカス夫妻の自宅

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