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「高校進学率が日本一」
「運動能力が高い」
データで見る、新潟県の教育事情

2023.9.13

都会と地方では教育格差が広がっているという話を耳にします。新潟県の教育事情はどうなっているのでしょうか? 新潟県の総務部統計課が出している「新潟県あれこれ全国ベスト5」をはじめとするデータをもとに、教育にまつわる項目をピックアップしてみました。

高校進学率、専修学校(専門課程)の進学率が1位、大学の数が11位

机に向かって勉強する女子学生のイラスト

新潟県の高等学校等への進学率は、全国の都道府県のなかで1位です(2022年度)。
実は東京都は下から8番目。新潟県のほうが、高等学校等進学率が高いですね。

また、気になる高校卒業後の進路は、専修学校(専門課程)、いわゆる「専門学校」に進学している割合が2022年度に26.7%で、新潟県が全国1位でした。

新潟県には75の「専門学校」もしくは「専修学校(専門課程)」があり、学校数としては全国11位の多さです(公益社団法人東京都専修学校各種学校協会発表2022年度の専修学校教育白書)。医療、服飾、文化、工業、商業、農業、教育など多彩なジャンルの学校が揃っているので、専修学校への進学率が高いのもうなずけますね。

専門学校への進学率が全国1位の新潟県ですが、実は大学等進学率(短大を含む)のほうが割合としては高く、2023年度は53.8%。

新潟県にある大学の数は22校と、こちらも全国11位の多さです(文部科学省、2022年度の学校基本調査)。
1位である東京都の144校はダントツですが、9位の埼玉県や千葉県の27校とは大差ない結果に。ほかにも、広島県が21校、静岡県と宮城県が14校、茨城県が11校と、新潟県より人口が多い県よりも多くの大学があります。

さらに新潟県では2018年には農業系の新潟食料農業大学、2019年には看護系の長岡崇徳大学も開校するなど、大学数は増えており、近隣の他県に比べても選択肢が多いようです。

体力・運動能力は中学校2年生の男子が2位、女子が5位

サッカーをする男子学生のイラスト

子どもの教育環境というと、勉強だけでなく、運動能力についても気になるところ。新潟県の中学校2年生の男子は全国2位、女子は5位でした。男女ともに全種目で全国平均値以上になっています(スポーツ庁、2022年度の「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」)。

2004年度から新潟県のすべての公立学校では、生活習慣や運動習慣の改善、体力向上を目指して、それぞれの学校の課題に応じた取り組みを行う「1学校1取組」運動を実施しています。「1グループ3~4人のメンバーで、シャトルランをひとり1往復するリレーを行うことで、長距離走を苦手としている生徒も意欲を持って活動できた」「さまざまな種目で、練習方法やコースを複数用意した」といった具体的な報告が寄せられているほか、タブレットやカメラを活用するなど、工夫しながら取り組んでいる様子。

また、意欲の向上を促すために、新潟県体力テストの結果がよい児童に、「トキめき体力つくり認定証」を交付。教員に対しても、実技指導者として必要な知識や技術を習得してもらうため、講習会などを積極的に行っているようです。

進学してゆっくりと将来設計に

新潟県では近隣の県と比べても「専門学校」もしくは「専修学校(専門課程)」や大学の数が多く、高校卒業後の進路についても選択肢が豊富。だからこそ、進学率が高いという結果になるのかもしれません。
また新潟県では勉強ができるだけでなく、運動能力も高い。どちらもできれば将来の可能性も広がりますね。そうしたなかで高校や大学に進学することで、じっくりと将来設計ができるのでしょう。

credit | text:栗本千尋 illustration:killdisco

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