新潟のつかいかた

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新潟県酪農発祥の地へ。
〈神田酪農〉で牛と触れ合い、
〈ヤスダヨーグルト〉で
生乳の恵みを味わう旅 | Page 3 Posted | 2025/10/31

工場見学で知る
〈ヤスダヨーグルト〉のおいしさの秘密

続いて、阿賀野市の酪農を語るうえで欠かせないもうひとつのスポット、〈ヤスダヨーグルト〉へ。場所は〈みるぱす〉から車で約7分のところにあります。

〈ヤスダヨーグルト〉は阿賀野市をはじめとした新潟県産の新鮮な生乳のみを使用し、なめらかで口あたりがよく、まろやかな酸味とフレッシュな味わいのヨーグルト製品をつくっています。

3日前までに電話で予約すると工場見学(無料)が可能。さっそくスタッフの川上耕平さんに案内していただきました。

ステンレスタンクにぐるっと1周、仔牛の絵が描かれている
工場の入り口にある牛のイラストが描かれたステンレスタンクは、もともと工場内で使用されていたもので、今はオブジェとして活躍中。
工場に到着したミルクタンクローリー
近隣酪農家を巡ってやってきたミルクタンクローリー。生乳は腐りやすいため、温度管理と衛生管理が徹底されています。

工場には県内の酪農家から毎日20トンもの生乳が届き、製品ごとに4つの工場に分けられ製造されています。生乳の鮮度も重要視しているため、その日仕入れた生乳はその日のうちに使い切るようにしているそう。

工場内は機械で自動化され、クリーナーや金属探知による安全管理が行われていました。

ヤスダヨーグルトの生産ライン
見慣れたヤスダヨーグルトのボトルが次々と流れてくる様子に思わず興奮!

「昭和50年頃、乳価が低迷して国の生産調整が入り、搾っても売れない牛乳が大量発生してしまったんです。『酪農家が苦労して育てた乳牛の命とも言える生乳をもっと生かせないか……』と考えた末に行き着いたのが、生乳を100%使い切ることのできるヨーグルトでした」(川上さん)

そうして、1987年(昭和62年)に旧安田町の酪農家9名が〈安田牛乳加工処理組合〉を設立し、〈ヤスダヨーグルト〉を販売開始しました。

「我が社は地域の酪農と共に在りて食文化を創造する」と刻まれた社是碑
敷地内で目にすることのできる社是。

「〈ヤスダヨーグルト〉の一番の特徴は『生乳』へのこだわりです。生乳とは搾りたての牛の乳のことで、人間にとって必要な栄養素をすべて含んでいる完全栄養食品といわれています。〈ヤスダヨーグルト〉では、創業以来、新潟県産の生乳を使うことにこだわり、生乳本来の風味を生かした製品づくりをしています」(川上さん)

生産機械を流れていくヤスダヨーグルトのボトル
〈ヤスダヨーグルト〉の特徴であるすっきりとした甘みは、新潟特産の20世紀梨をヒントに開発したそう。

「定番フレーバーのほか、期間限定の商品も多数あるので、季節によって選ぶ楽しみがあります。社員の中で一番人気なのは新潟産のブランドいちご〈越後姫〉ですね。いちごの糖度が高くておいしいので、ヨーグルトの酸味とのバランスが非常にいいんです。新潟県産にこだわってつくった商品でもあるので、飲んだことのない方にはぜひ試していただきたいです」(川上さん)

工場内の展示パネルを使い説明してくれている川上耕平さん
質問に笑顔で答えてくれた川上さん。

工場見学の所要時間は20分程度。ひとりからでも気軽に参加可能なので、ぜひ〈ヤスダヨーグルト〉の製造現場を覗いてみてはいかがでしょうか。

ヤスダヨーグルトの魅力が詰まった
〈Y&Y GARDEN〉

工場見学で〈ヤスダヨーグルト〉の成り立ちやおいしさの秘密について知った後は、工場向かいにある〈Y&Y GARDEN(ワイワイガーデン)〉へ。敷地内には「ツリーバザール」「リーフバザール」「メロディバザール」などの建物があり、買い物や食事を楽しむことができます。

〈Y&Y GARDEN〉の中心にあるツリーバザールでは、新鮮な生乳を使用したソフトクリームやアイス、ヨーグルトワッフルなどさまざまなラインナップがお出迎え。

〈Y&Y GARDEN〉のツリーバザール店内
カラフルでどこを見てもかわいいツリーバザールの店内。
牛の顔が彫られた木製スツール
バザール内にあるイートインスペースはどこもフォトジェニック。

ツリーバザールの正面入口を入ってすぐ左手にある〈ICE&SOFTHOUSE〉で、スタッフ一押しのメニューが「生まれたてヨーグルト」。朝一番にタンクから取り出したという、まさに生まれたての飲むヨーグルトで、びっくりするほど濃厚! 商品化されるまでは製造現場のスタッフしか味わえなかったという幻の味で、新鮮な味わいはまさにここでしか飲めない逸品です。

パステルカラーでペイントされた〈ICE&SOFTHOUSE〉注文カウンター
オリジナルジェラートやアイスクリームの種類が豊富な〈ICE&SOFTHOUSE〉。
カップに入った「生まれたてヨーグルト」
「生まれたてヨーグルト」は、タピオカドリンク用のストローでしか吸えない濃厚さ。

〈ICE&SOFTHOUSE〉の奥にある〈WAFFLE HOUSE〉では、ドリンクヨーグルトと発酵バターを使用したオリジナルのワッフルを提供。ワッフル単体のほか、アイスやソフトクリームと組み合わせたカップ商品、ソーセージやフルーツヨーグルトとセットになったプレート商品もあります。

こちらもパステルカラーで塗られた〈WAFFLE HOUSE〉カウンター
注文してから焼いてくれる〈WAFFLE HOUSE〉。
〈WAFFLE HOUSE〉のヨーグルトワッフル
焼きたてのサクふわワッフルとアイスの組み合わせがたまらない「自家製ホイップクリーム付チョコ三昧ヨーグルトワッフル」。

ほかにも〈Y&Y GARDEN〉には、〈ヤスダヨーグルト〉を使ったパンや焼き菓子、限定スイーツなどを含む関連グッズが100アイテム以上あります。どれも魅力的でお土産選びに迷ってしまうほど。

〈LECHE〉の「ヨーグルトスコーン」が並ぶ
自家製天然酵母「ヨーグルト種」を使って焼き上げるベーカリー〈LECHE〉の「ヨーグルトスコーン」は、しっとりふかふか。
販売用に並べられた「発酵バター」
〈LECHE〉のパンやその他ヤスダヨーグルトがつくる焼き菓子に使用されている「発酵バター」は、爽やかな香りとクリーミーなコクが楽しめます。
杏仁プリンやヨーグルトレアチーズなどのスイーツ商品4種
「スイーツファクトリー」は原材料や素材にこだわった〈Y&Y GARDEN〉限定のスイーツ。

食べ物だけでなく、Tシャツやエコバッグ、文房具などの雑貨類も販売されています。

牛の絵が描かれたTシャツ
〈ヤスダヨーグルト〉ロゴ入りのオリジナルグッズも要チェック。

お腹が空いたらサニーテラスの〈洋食工房〉へ

ツリーバザールの隣にある〈洋食工房〉では、ヨーグルトを使ったカレーが食べられます。「焼カレーライス」が特に人気で、施設で働くスタッフの中にもファンが多いのだそう。

〈洋食工房〉の「焼カレーライス」
カレーにたっぷりかかった自家製チーズは伸びがよく、コクのあるチーズの旨みがスパイシーなカレーとマッチしていて美味!
紺色の壁に、山吹色や橙色のスツールが映える〈洋食工房〉店内
店内のポップなカラーが目を引きます。天気がいい日はテラス席もおすすめ。

また、ツリーバザールの隣には、三角屋根がキュートなメロディバザールが。ヤスダヨーグルトの発酵バターがふんだんに練り込まれた「トライアングルパイ」の専門店です。店内は木々の温もりを感じる奥行きのあるつくりで、焼き菓子の甘い香りと心地よい空間に癒されます。

トライアングルパイなどが入ったショーケース
サクサク食感がたまらない「トライアングルパイ」。
メロディバザールの内観
ショップの奥にはイートインや休憩スペースがあります。店内にはピアノが1台設置してあり、誰でも演奏可能です。

各バザールや洋食工房で購入した商品は、敷地内のイートインスペースやお庭など、好きな場所で食べることができます。それぞれ行き来が可能なので、複数人で訪れても、それぞれが食べたい物を選んで食べられるのがうれしいですね。

三角屋根のメロディバザール外観
グリーンに囲まれたお庭でピクニックも気持ちいい!

新潟県産の生乳にこだわりながら、常に新しいことにチャレンジしている〈ヤスダヨーグルト〉。〈Y&Y GARDEN〉では訪れるたびに、新しい商品や新たな味との出合いが待っています。

Information

【有限会社ヤスダヨーグルト】
address:新潟県阿賀野市保田940
tel:0250-68-5028
access:磐越自動車道「安田IC」から車で約6分
営業時間:9:00~17:00
定休日:日曜・祝日、GW、お盆期間、年末年始
駐車場:50台(無料)
web:ヤスダヨーグルト

Information

【Y&Y GARDEN(ワイワイガーデン)】
address:新潟県阿賀野市保田733-1
tel:0250-68-5151
access:磐越自動車道「安田IC」から車で約6分
営業時間:9:00~17:00(16:30L.O.)
定休日:元日
駐車場:50台(無料)
web:Y&Y GARDEN

新潟県酪農発祥の地・阿賀野市は、牛との触れ合いや工場見学を通して、酪農の魅力を体感できる場所。五頭連峰の清らかな水と豊かな自然のなかで、愛情をたっぷりかけて育てられた乳牛たちから生まれる牛乳や乳製品は、この土地ならではの味わいです。

阿賀野市で、大人もこどもも楽しめる特別な時間を過ごしてみませんか?

credit text:井高あゆみ photo:歸山芳文(SIIKS)