新潟のつかいかた

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目指すは受け入れ体制、日本一!
まちを元気にする
「地域おこし協力隊」が
新潟県に集まるわけ | Page 3 Posted | 2025/03/21

CASE2:石崎琢磨さんの場合 
自身の活動アイデアを創造できる隊員間の交流環境

石崎琢磨さんは、上越市を拠点に森林を活用した新規ビジネス創出に取り組んでいます。元陸上自衛官という異色の経歴の持ち主で、2024年8月に「ニイガタコラボレイターズ」に着任しました。

石崎琢磨さん
石崎琢磨さん(いしざき・たくま)。東京都出身。陸上自衛隊を退職後、新潟妙高市に移住し、アウトドア専門学校にて野外教育を学ぶ。2017年に上越市のベンチャー企業に就職。コロナ禍は石川県に移住したのち、2024年8月より「ニイガタコラボレーターズ」着任を機に、上越市に再移住。新潟の林業を盛り上げるビジネス創造に挑戦している。

「陸上自衛隊を退職してから、アウトドアが趣味ということもあり妙高市にあるアウトドア専門学校に入学し、野外教育を専門に学んだ後、上越市の企業に就職しました。その後、一時石川県に住んでいたのですが、新潟での生活が忘れられず『ニイガタコラボレーターズ』のことを知って、その話に飛びつきました(笑)」

現在は、広大な新潟の森林資源を活用したアクテビティやビジネスを創造することが石崎さんのミッションです。

「具体的には、林業や森づくりを体験するツアーや林業で測量を行うときに使用するドローン操作を競うドローンレースなど、森林を活用したコンテンツを考えています。森をうまく使いながらビジネスとして、どう成立させるかというのを今は考えながら活動中です」

森の中でツアーガイドをする石崎さん
野外教育を学んだ経験を生かし、林業や森づくりを体験するツアー「林泊」を主催。

新潟の森林を活用するアイデアを試行錯誤中という石崎さんは、バーチャルオフィスサービス〈ovice〉も積極的に活用しているそうです。

「県主催で〈ovice〉内での勉強会などが行われるんですが、県内の200名以上いる地域おこし協力隊のメンバーがバーチャル内の会場にどんどん入室してくるんです。そこでは、講師の方とはもちろん、集まった隊員たちで交流も可能なんです。

僕は自分から動くのが好きなので、『この人と何かしたらおもしろそう』と、気になる活動をしている人に連絡を取ることもあります。県主導で隊員同士のコミュニケーションを積極的に取れる機会をつくってくれるのは、自分の活動のうえでも有益だし、非常にありがたいなと感じています」

森の中で焚き火を囲む石崎さんとアクティビティ参加者たち
アクティビティでは参加者たちと焚き火を囲んで語り合うことも。

また、石崎さんは、着任時に新潟県から紹介されるメンターの存在も、精神的な面での安心感につながっていると語ってくれました。

「不安や活動で壁にぶつかったときに相談できる人がいるというのは、安心感があると思います」

リアルとバーチャルの両方で隊員を支え
サポートを行っている新潟県

新潟県では、市町村向けにも受け入れ体制のアドバイスを行っており、県全体で隊員たちが活動しやすい環境を整備しています。

「受け入れ体制、日本一」をスローガンに掲げ、面接やメンターという対面方式とバーチャルオフィスを用いたオンライン式のサポート体制が、新規隊員になる人たちに選ばれている理由となっているのでしょう。

「ニイガタコラボレーターズ」の打ち合わせ風景
任期後の定住に向けて仕事体験や視察を行うインターンプログラムも行っている。

地域の魅力を探して、発信する。まるで新潟の宝探しのような「地域おこし協力隊」の活動を支える新潟県の取り組みは、隊員たちの活動を支え、スキルを持った人たちが全国から集まってくるクリエイティブな地域の創造へと新たなステージを迎えています。

妙高市で活動する増田さんは、「なかなか地域に入り込めないと感じている企業の橋渡しとして、僕たち、地域おこし協力隊がタッグを組めば、新潟という地域から世界へ発信できる何かが生まれる可能性があると思うんです」と、新潟と地域おこし協力隊の可能性を感じているそうです。

新潟から世界へ。チャレンジが生まれる環境は未来への新たな扉となることでしょう。新潟県と「地域おこし協力隊」の活動に今後も目が離せません。

credit text:石田絵美