新潟のつかいかた

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カレーにビリヤニ!
スパイスと
旬の食材を調合しながら、
〈三条スパイス研究所〉は、
まちを育む | Page 2 Posted | 2019/02/15

御歳90歳の山崎さんがつくるウコンの力

山崎一一さん
「ウコンの力で毎日元気に」が合言葉の山崎さんは、身をもってそれを実践し続けています。

〈ステージえんがわ〉が理想とするような高齢者の姿。山倉さんの目に映る山崎さんは、まさにそのひとりでした。

「60歳で勤めていた会社を定年退職されて、旅行で初めて行った沖縄でウコンに出会って、苗を持ち帰り、地元で栽培をスタートさせた山崎さん。それもすべて独学で研究して、生産して、加工して、そのうえ直売所で売り上げ上位になっているという状況がとにかくかっこよくて。その姿を見たときに、私自身、高齢者に対する固定観念を持っていたんだなあと気づかされたんです。それまではどこかで高齢者はまちに守られるべき存在だと思っていました。でもそれは違っていました」

〈ステージえんがわ〉で自由に過ごす風景
ワークショップをしたり、演劇の練習をしたり、友人と雑談を繰り広げたり、カレーを食べたり。それぞれ自由に過ごす光景が見られる〈ステージえんがわ〉の日常。

年齢や立場を超えて、お互いの知恵や知識を交換するようなやりとりを重ねながら、山倉さんと伊藤シェフは半年ほど山崎さんのもとへ定期的に通い、ウコンの栽培から収穫、その後に行う加工にも立ち会います。

「バイタリティがあって、好きなことを追求し続ける山崎さんを近くで見ながら、山崎さんのような高齢者の方がこのまちに増えていってほしい。何より私自身が山崎さんのような年の重ね方をしたい。そう思うようになりました」

山崎さんと三条市地域おこし協力隊の堀田麻衣子さん

平成元年(1989年)からウコンの栽培を始めてこられた山崎さん。その間、さまざまな苦労もあったのではと、想像しながら当の山崎さんに尋ねてみると、「一度も失敗はなく、30年間続けてこられた」と、飄々と答えます。

「ウコンは医者いらずというので、そんなに効能があるんであればつくってみようかと気軽な気持ちで始めて、最初は自分用と家族や親戚に配っていたんです。商品化して直売所に置いてもらうようになったのはここ7年くらい。私はお酒が大好きなんだけど、ウコンさえ飲んでいれば二日酔いはしないし、朝晩毎日ウコンの青葉を粉末にしたものを小さじ1杯飲んでいるからか、それで血液検査すると、肝臓の値があまりに良好だと医者もたまげるんですよ」

直売所で売られているウコン粉
春ウコンと秋ウコンの粉末をそれぞれ50%で調合した、山崎さんによるウコン粉。春ウコンは苦味が強く、秋ウコンは発色が良くて風味はマイルド。

90歳の山崎さんが現在育てているのは、春ウコンと秋ウコン。春と秋では効用が違うといい、秋ウコンは、肝臓の機能を回復・強化するクルクミンを多く含み、一方の春ウコンは、動脈硬化予防やコレステロールの分解、またガンの抑制にもなる精油成分やミネラルが豊富だといいます。

色鮮やかなウコンの断面
秋ウコン(左)と春ウコン(右)は、種芋を植えるタイミングは一緒。ウコンの花が咲く時期が春と秋に分かれることで、春ウコン、秋ウコンと呼びます。

「3年前に一度ウコンの栽培をやめようかと思ったんですが、ウコンを買ってくれるお客さんたちに体の調子がいいのでぜひ続けてくれと、せがまれまして。今は自分のできる範囲で続けています」

ランチメニュー
ターリーセットのほかに、数量限定でビリヤニセットもメニューにあります。

東京からも買いに来る人がいるという、山崎さんのウコン。そしてそのウコンをスパイスに、山倉さんと伊藤シェフをはじめとする〈ステージえんがわ〉に携わるクリエイターたちは、〈三条スパイス研究所〉の輪郭をつくっていったのです。

商品化されたスパイスセット

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