モノのすばらしさを伝えるお手伝い
世の中には、注目されない“いいもの”が意外と多い。小さな町工場から生まれる産業品だったり、家族経営の店がつくるお菓子だったり……。売れないから廃業を余儀なくされるつくり手も。
「デザインの力でその状況を変えられる」と話すのは、〈合同会社アレコレ〉代表の迫一成さん。
たとえばガラスの砂時計。年々、需要は減り、いまでは全国にわずか3軒しかつくり手がいないそうです。この職人ワザから生まれるすばらしい砂時計に注目した迫さんは、顔を描き、名前をつけました。その名も“すなだときお”。
顔と名前を与えられた瞬間、砂時計は絵本の主人公のように表情豊かに動き始めます。この少し変な顔のおじさんに子どもたちは大喜び。日本から姿を消しかけていたなんてウソのように、メディアでも紹介され、〈すなだときお〉はちょっとした有名人になりました。
迫さんの拠点は新潟市中央区の商店街エリア。新潟のさまざまなモノやコトをクリエイトする集団〈hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)〉の代表として、上古町にショップと作業所を構えて活動しています。
7月某日、迫さんを訪ねて上古町へ。ちょっと気難しいクリエイターさんをイメージしていましたが、その予想は見事に裏切られました。目の前に現れた迫さんは気負いのない自然体な人。名刺に肩書きはありません。尋ねてみると「プロデューサーってガラじゃないし、デザイナーってのも堅苦しいなぁ」と。それが迫さん。
ショップにはヒッコリースリートラベラーズが企画・デザインしたアイテムが所狭しと並んでいます。ここから生まれたヒット商品は数知れず。閑散としていた商店街に、再び若者や観光客が集まるきっかけにもなりました。
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