新潟のつかいかた

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デザインで新たな価値を提案
〈合同会社アレコレ〉
代表・迫一成さん Posted | 2020/08/27

モノのすばらしさを伝えるお手伝い

世の中には、注目されない“いいもの”が意外と多い。小さな町工場から生まれる産業品だったり、家族経営の店がつくるお菓子だったり……。売れないから廃業を余儀なくされるつくり手も。

「デザインの力でその状況を変えられる」と話すのは、〈合同会社アレコレ〉代表の迫一成さん。

たとえばガラスの砂時計。年々、需要は減り、いまでは全国にわずか3軒しかつくり手がいないそうです。この職人ワザから生まれるすばらしい砂時計に注目した迫さんは、顔を描き、名前をつけました。その名も“すなだときお”。

すなだときお
新潟の工場でつくられている砂時計。身長8センチの〈すなだときお〉。

顔と名前を与えられた瞬間、砂時計は絵本の主人公のように表情豊かに動き始めます。この少し変な顔のおじさんに子どもたちは大喜び。日本から姿を消しかけていたなんてウソのように、メディアでも紹介され、〈すなだときお〉はちょっとした有名人になりました。

hickory03travelersのショップ外観
築80年の酒屋をリノベーションした上古町商店街のショップ。昔の看板をそのまま利用。

迫さんの拠点は新潟市中央区の商店街エリア。新潟のさまざまなモノやコトをクリエイトする集団〈hickory03travelers(ヒッコリースリートラベラーズ)〉の代表として、上古町にショップと作業所を構えて活動しています。

7月某日、迫さんを訪ねて上古町へ。ちょっと気難しいクリエイターさんをイメージしていましたが、その予想は見事に裏切られました。目の前に現れた迫さんは気負いのない自然体な人。名刺に肩書きはありません。尋ねてみると「プロデューサーってガラじゃないし、デザイナーってのも堅苦しいなぁ」と。それが迫さん。

インタビュー中の迫一成さん
上古町商店街の理事として商店街を盛り上げる活動をするほか、長岡造形大学の非常勤講師、NADC(新潟アートディレクターズクラブ)の会長も兼任。2013年から〈新潟市立美術館ミュージアムショップ ルルル〉の企画・運営もしています。

ショップにはヒッコリースリートラベラーズが企画・デザインしたアイテムが所狭しと並んでいます。ここから生まれたヒット商品は数知れず。閑散としていた商店街に、再び若者や観光客が集まるきっかけにもなりました。

ヒッコリースリートラベラーズのショップ内観
ショップの1階には新潟のお土産品を中心に“新潟らしいもの”が並んでいます。
hickory03travelersのショップ内観

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