いつもよりかわいくなれる、雪のフォトジェニック旅〈十日町編〉
旅するモデル・斉藤アリスが、フォトジェニックな雪景色を求め、新潟・十日町へ。
農家お手製の民芸品を持ち寄る節季市では、かわいい縁起物〈ちんころ〉を発見。樹齢100歳にもなる広大なブナ林〈美人林〉では、雪のレフ板効果で奇跡の一枚を連発。いつもよりかわいくなれる“映え”スポットへご案内します。
Profile 斉藤アリス
雑誌『Hanako』(マガジンハウス)のライターで、世界のカフェめぐりをまとめた本『斉藤アリスのときめきカフェめぐり』(エイ出版)を著書に持つ。
農家お手製の民芸品が並ぶ〈節季市〉へ。
「大地の芸術祭」でも有名な十日町市。“十日町”の由来は、毎月十日にこの市が開かれていたことに由来するのだとか。
もともと農家の人々が冬の間の副業として作った民芸品や日用品などを持ち寄った〈節季市〉は、今でも年のはじめに開かれています。
ぬくもり溢れる編みカゴや笠など、出店もたくさん。
地元の人々で賑わうなか、アリスさんが見つけたのは……
十日町の縁起物で福を招くといわれている〈ちんころ〉。
実はこの節季市、別名“ちんころ市”と呼ばれているほど、ちんころがメインの出し物なんです。
ちんころは「しんこ」という米粉でつくられており、ガラス細工とはまた違ったやわらかな雰囲気。日が経つと乾燥してひび割れてきますが、ひび割れが多いほど縁起が良いのだとか。
ちんころが売られているブースはどこも人だかりができているので、早い者勝ち。
どれも一点モノだから、自分だけのお気に入りを見つけてみて。
アリスのフォトジェニックポイント
雪の上や切り株などに置いて寄りで撮ってみて。ミニチュアの世界を切り取ろう。
Information
冬の〈美人林〉を散策。林の中の池で撮れた幻想的な奇跡の一枚。
樹齢100年にもなるブナ林〈美人林〉も、十日町の見どころのひとつ。
その名の通りスラッとした立ち姿が美しいのが特徴です。
このようにキレイにまっすぐ育った秘密は、今からおよそ100年前にあります。
当時の地主が木を炭にして売るため、この土地の木をすべて伐採。一度裸山になりました。
その結果、太陽の光が地上にしっかり当たるようになり、ブナの若木が一斉に生え出したそうです。
非常に高密度で再生したので、枝が広がらずにまっすぐ育ち、このような美しいブナ林が形成されました。
3ヘクタールの広大な敷地に約3000本のブナが生い茂っています。
大きなもので30メートル弱もの高さがあり、圧巻です。
四季折々の景色が楽しめる美人林ですが、冬の朝は絶景。
太陽の光が雪に反射してブナが照らされるので、キラキラと幻想的な空間が広がります。
特に風を伴うような降雪があった晩の翌朝、気温がマイナスになったときが絶好のチャンス。
この条件を満たしているときは、木の表面に雪の華が付着し、それが朝日に照らされて、まるで白肌の木々に見えるといいます。
朝10時を超えると雪が溶け始めるので、白銀の世界を見たいなら早朝に向かいましょう。
美人林の中にある池は、冬は凍り、雪が積もっていることも多いですが、いろんな条件が揃えば、こんな水鏡に。
アリスのフォトジェニックポイント
風が止んだ時がシャッターチャンス。
姿勢を正して、美人林になじむようまっすぐ立ちましょう。
芸術的な写真が撮れること請け合いです。
ちなみに例年はこの池も雪で覆われているほど積もるそうですが、今年は暖冬で奇跡的に水鏡ショットを撮ることができました。
とても静かで、心おだやかに過ごせる冬の美人林、控えめに言って最高です。
今年は暖冬ですが、毎年1〜2月は積雪が2メートルにもなるので、スノーシューという雪上歩行具を着用して向かいます。
美人林に隣接する十日町市立里山科学館〈越後松之山「森の学校」キョロロ〉でレンタルしているので、こちらで借りましょう。必要であれば有料でガイドも頼めます。
Information
credit model:斉藤アリス photo:ただ(ゆかい)
text:藤田佳奈美