「北越の小京都」と呼ばれる新潟県・加茂市。
三方を山に囲まれており、市街地には加茂川が流れ、どこかなつかしい雰囲気が漂う小さなこのまちは、日本有数のニット産地として知られています。
モデルの斉藤アリスが、風情あるまち並みをゆっくり散策しながら、完全受注生産のオーダーメイドボーダーカットソー専門店〈G.F.G.S.〉や、〈足と靴下の店 ごえん〉など、メイドイン加茂のニット製品を巡りました。
自分だけのオリジナルボーダーカットソーがつくれる〈G.F.G.S.〉
加茂駅から続く、木造の雁木造りのレトロなアーケードを歩いていると、ひときわ目立つファクトリーブランド〈G.F.G.S.〉のロゴが目に飛び込んできます。
多くの人のワードローブに一着はあるボーダーカットソーですが、そのどれもは大抵似た感じのデザインのもの。
G.F.G.S.は完全受注生産のオリジナルボーダーカットソーだけを展開しているので、サイズやカラーはもちろんのこと、パターンやボディタイプ、ネックタイプ、ボーダーの数や太さ、異なるボーダー幅の組み合わせなど、自分好みにカスタマイズできるのが特徴です。
オーダーが入ってから店内のラボラトリーでピュアオーガニックコットン100％の生地を編み立て、隣まちの工場で整理加工した後、ラボラトリーで裁断、縫製、検品、出荷と連携を図りながら地場産業として盛り上がりを見せています。
G.F.G.S.の二重扉を開けると、デザインラボがお出迎え。
サンプルのボーダーカットソーのほかにも、『ストップ!!ひばりくん!』などで知られる漫画家・イラストレーターの江口寿史さんや、イラストレーターのさくらいはじめさんなど、さまざまなアーティストとのコラボレーションアイテムが並んでいます。
アリスさんはピンクのボーダーカットソーからお気に入りを探している様子。
ひと口にピンクのボーダーと言っても、ボーダーの太さや間隔が異なると、まったく違う表情になることがわかりますね。
さっそく着替えたアリスさん。シンプルなブルーデニムにピンクのボーダーがよく映えるコーディネートです。
G.F.G.S.の代表取締役社長の小栁雄一郎さんも登場し、ふたりで記念撮影。「ボーダーにもそれぞれ個性がありますね！ サングラスも合う！」とアリスさんも興奮を隠せません。
ラボの奥に案内してもらうと、そこは小さな工場になっており、ニットを編む機械「横編機（よこあみき）」や縫製スペースなどがあります。
「うちのボーダーカットソーは、編み目が細かくて密度が高い『ハイゲージ』だから、洗濯しても縮みにくくて、とっても丈夫。
それにピュアオーガニックコットン100％のやわらかな風合いで、着心地も抜群です。襟ぐりにつけるタグも同様の素材だから、肌に触れた時のストレスが少ないと思います」（小栁さん）
最近では、SDGsを意識した取り組みの一環として、カットソー以外のアイテムも展開するように。そのひとつとして、ボーダーの端切れを使ってエコバッグをつくるワークショップを開催したそうです。
「コラボレーションアイテムもそうなんですが、僕たちが楽しく活動していると、それが周囲にも伝わって『一緒にコラボしませんか？』『こんなのつくってください』と声をかけてもらえることが増えました。
僕たちはファッションのトレンドとか加茂市を盛り上げたいとか特に意識してなくて、ただ自分たちの好きなことをやっているだけなんです。店内にもロックの名言やビートのパーテーションがあるように、もともと音楽好きでレーベルも運営しているのですが、それが高じて、新潟市の岩室地区から頼まれてCDを制作しました。
僕たちの気持ちがアガる現場で制作することが、結果的にG.F.G.S.を知っていただくきっかけになって、ひいては加茂市が注目されるってことにつながる。今後もボーダーを軸に僕たちのカルチャーを発信していきたいですね」（小栁さん）
オーダーしたボーダーカットソーが届くのは、だいたい１〜３か月。価格は12100円から。
「世の中はファストファッションが主流ですが、オーダーメイドだったら生涯大切な一着になりますよね。色や形で遊ぶこともできるし、大切な人へのプレゼントにも良さそう」とアリスさんもすっかりG.F.G.S.の虜になってしまったようです。
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