メイン写真:HATORI Hiroshi
新潟県の越後妻有(えちごつまり)地域を舞台に20年間続く〈大地の芸術祭〉。広大な里山を美術館に見立て、アーティストと地域住民が協働して作品を制作する試みは、アートによる地域づくりの先進例として国内外から注目を集めています。
〈大地の芸術祭〉は3年ごとにトリエンナーレとして大規模な芸術祭を開催しており、次回は来年2021年。このトリエンナーレ会期中でなくても通年で約200点の作品展示、企画展、ツアーなどさまざまな楽しみ方ができる〈大地の芸術祭〉を、縁の下の力持ちとして支える地域外サポーター〈こへび隊〉の隊員を全国から募集しています。
制作サポートから田植えまで。こへび隊が活躍
こへび隊は「世代・ジャンル・地域を超えた」自主的な組織です。現在、首都圏を中心に全国および海外在住者約3000人が在籍し、10代から80代までの幅広い年齢層のメンバーが「アートや地域に関わりたい」という共通の想いを胸に参加しています。
その活動内容は、〈大地の芸術祭〉開催期とそれ以外で異なります。
会期中に行うのは、アート作品の受付や管理、具体的には来場者の作品鑑賞パスポートのチェックや作品紹介などです。これはお客さんと地元の方、こへび隊メンバーが直接ふれあう大切な機会でもあります。そのほか、サポーターの募集、人員配置や連絡など、スムーズに運営するための活動も行います。
また、芸術祭が始まる前に行うのが、アーティストの制作サポート。自然を舞台にした作品のため、竹で造形物をつくったり、植栽を植えたり、作品展示会場となる空き家の清掃など、さまざまな経験ができるのが魅力です。
さらに、会期外にもこへび隊は活躍しています。アート作品のメンテナンス、イベントの企画運営サポートのほか、棚田の田植えや稲刈り、冬には雪堀や雪囲いなど、地域住民と交流しながらのお手伝いも活動の一環です。
今期からは、2021年開催のトリエンナーレに向けて、総合ディレクター・北川フラムさんによる〈北川フラム塾〉がスタート。地域芸術祭のつくられ方を、座学と現地活動で学んでいくプログラムは必見です。
地域住民との交流で豊かな時間を過ごす
こへび隊の隊員になる醍醐味は、国際的な芸術祭のアート作品に関われることだけではありません。地域住民との温かなふれあいも、わざわざこの地に多くの人が集まる理由となっています。
地元のお母さんたちの郷土料理をいただいたり、腕利き農家に草刈り方法を教わったり。地域文化を肌で感じながらの交流は、都心では得られないかけがえのない体験です。また、自然と共存しながら暮らすライフスタイルからは、きっと“新たな豊かさ”を発見することができるでしょう。
〈大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021〉にサポーターとして参加しよう!
年々活動の幅を広げ、芸術祭運営の中核を担うこへび隊。参加者からは「アーティストと一緒にアート制作ができて楽しい」「里山の魅力を体感できる」「全国から集まるサポーター同士の交流が刺激的」などの感想が寄せられており、充実した時間を過ごせることが伝わってきます。
こへび隊の活動内容は多岐にわたり、自分のライフスタイルに合わせて無理のない範囲で参加できます。あなたも2021年開催の〈大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021〉にサポーターとして参加してみませんか?
Information
【大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2021】
会期:2021年7月下旬~9月中旬(予定)
会場:新潟県十日町市、津南町一円
交通アクセス:関越自動車道「六日町IC」より車で20分~1時間(※スポットによる)
web:大地の芸術祭 公式サイト
【こへび隊】
web:こへび隊 大地の芸術祭サポーター
web:こへび隊 地元サポーター|大地の芸術祭
credit text:渡辺まりこ