古来から日本酒は祝いの席には欠かせないものであり、今でも “正月といえば日本酒” というイメージがあるのではないでしょうか。新年を祝う場にピッタリな新潟の日本酒を紹介します。ぜひ、これらの日本酒で乾杯をし、ゆっくり味わい、お正月を楽しんでくださいね。
越後鶴亀 招福神 純米吟醸
新潟市の中心部から車で1時間ほど行った角田山の山麓に広がる田園風景の中に酒蔵はあります。〈越後鶴亀〉は1890年創業と歴史があり、〈上原酒造〉という蔵名で日本初の地ビール〈エチゴビール〉を醸造したことでも有名です。ワイン酵母を使用するなどチャレンジ精神も豊富で、世界最大規模のコンペティション IWC(インターナショナルワインチャレンジ)SAKE部門で最高金賞を受賞するなど、数々のコンテストで受賞歴がある実力蔵なのです。
〈越後鶴亀 招福神 純米吟醸〉は、まさにお正月にふさわしいおめでたい銘柄。滑らかな口当たりと米の旨みがあり、爽やかな酸ですっきりとキレる全体的にバランスの良い味わい。おせちのどんな料理とも合うでしょう。
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朝日酒造 元旦しぼり
長岡市にある〈朝日酒造〉。1830年に久保田屋として創業し、1920年に朝日酒造となりました。久保田屋にちなんで名づけられた〈久保田〉の発売は1985年。新潟県内だけでなく東京で販路を目指そうと挑戦しつくられた〈久保田〉、今では東京だけでなく全国で人気のお酒です。それだけでなく “土地に根ざしたお酒” という地酒の考え方は変わらず、昔から地元に愛され続けているのもファンとの絆を大事にしているから。
〈元旦しぼり〉は、新年早々に搾り瓶詰めされるという商品。力強いアタック感がありつつもフルーティーな香りと生酒らしいフレッシュさが特徴で、すっきりとしたキレの良さがあります。お年賀にもおすすめ。
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長谷川酒造 初日正宗 純米吟醸
長岡市にある〈長谷川酒造〉は1842年創業という長い歴史を持っています。夫である社長が国会議員となり政界へ入ったことがきっかけで経営に携わることになった長谷川葉子さんを中心に、蔵を取り仕切るのは女性が中心という蔵。小さい蔵ながら少しずつ輸出展開もしています。
〈初日正宗 純米吟醸〉は初日の出をモチーフにした縁起の良いラベルで、復刻版のためレトロな雰囲気。新潟県の酒造好適米〈越淡麗〉を全量使用。香りは華やか、滑らかな口当たりで、ふくよかな芳醇旨口系のお酒です。冷酒からぬる燗まで幅広く楽しめるでしょう。
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今代司酒造 開運招福 しろい酒 純米吟醸
新潟駅から徒歩15分の場所にある〈今代司酒造〉。“むすぶ” をコンセプトに、古と今、地方と都市、人と人を結ぶ酒蔵として酒づくりを続けています。2006年から全量純米仕込みに切り替え、新潟県産の〈五百万石〉や〈越淡麗〉を贅沢に使用。水は、越後菅名岳の天然水を運んでいるというこだわりです。
〈開運招福 しろい酒 純米吟醸〉は、年末年始限定のお酒でありながら40年以上も愛されているロングセラー。昔から今代司酒造の応接室に掛けられていた七福神をラベルにしたというイラストが印象的。生にごり酒らしいフレッシュさと麹由来の香りが立ち上り、フルーティーで低アルコールの飲みやすいお酒です。
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高野酒造 干支ラベル 純米大吟醸
新潟市の西部に位置する〈高野酒造〉。近くにはラムサール条約湿地のある佐渡弥彦米山国定公園もあり、水資源に恵まれています。その信濃川水系の軟水で雑味のない水と地元農家と直接契約して使用する酒米で、地元に根ざした酒づくりを続け、〈白露〉〈越路吹雪〉といった銘柄を醸す蔵。早くからオリジナル酵母に着目し自社培養で酵母を開発、協会酵母とは違う香りが特徴です。
〈干支ラベル 純米大吟醸〉は、地元イラストレーターが描いたラベルが貼られており、2021年は丑をモチーフにしたかわいらしいデザイン。今年はどんなボトルなのかと楽しみにしているファンも多いはず。やさしい口当たりと甘くふくよかな味わいで、年代問わず好まれるでしょう。
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冬は新酒の季節 旬の味を楽しもう!
日本酒は、実は春夏秋冬と四季で楽しめるもの。特に冬は、秋に収穫された新米で仕込まれたお酒が出てくる季節です。新潟県内でも続々と新酒が誕生し「しぼりたて」「生原酒」などが多く出荷されています。弾けるほど若々しく、まだ荒々しい味わいが特徴。フレッシュでライトな新酒を是非味わってみてくださいね。
credit text:山村真由美