新潟のつかいかた

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写真家・yukiさんがこだわる
「新潟を撮りたくなる瞬間」 Posted | 2022/09/27

カメラを持って足を延ばすのは「新潟県内と隣県まで」とルールを決めているyukiさん。その理由は「いつでも行ける場所で楽しみたいから」。身近な場所で撮影されたにもかかわらず、yukiさんの写真からは特別感が漂います。いったいどんな風にロケーションの魅力を写し出しているのでしょうか。

ロケーションの魅力が伝わるベストタイミングを探す

「新潟には、緑豊かで広大な場所もあれば、南国のように美しい海もあります。四季がはっきりと移り変わるので、撮影する時期によってまったく違った光景になる。本当に、新潟の風景ってバリエーションが豊富ですよね。

しかも混雑していないから、撮影待ちもなく、好きなように撮影できるんですよ。多くの場所には無料の駐車場がありますし」

写真家として、そう地元の魅力を話してくれたyukiさん。
撮影時に意識していることを聞いてみると、

「いつ誰が訪れてもそこにある名所、例えば富士山のような観光地が新潟には少ないんです。だからこそ、どこにでもある新潟の風景が特別になる瞬間を見つけて撮影しています。ロケーションの魅力が伝わるベストタイミングを追いかけているんです」

7月中旬、長岡市近郊で。
まだ花が咲く前に見つけたという百日紅(さるすべり)。満開になる頃に再訪し撮影。

見慣れた風景にもそのときだけのドラマがある

Instagramで気になった写真について聞いてみました。

新潟市西蒲区の海辺で。空とリフレクションを主役にしたドラマチックなひとコマ。

「たまたま見つけた水たまり、きっと波が砂浜を越えてできたものなんでしょうね。風がない日だったので空に留まっていた雲が水に反射し、リフレクション撮影ができました。よくある新潟の海辺のようで、なかなか出合えないシーンです」

5月上旬、長岡市近郊で。雲がない夕暮れ。
鉄塔や電柱があることで、より日常感が伝わります。

新潟を代表するイベントのひとつ、長岡花火の撮影にはコロナ禍だからこその思いがあったそう。

8月上旬。長岡花火。コロナ禍で3年ぶりの打ち上げとなりました。

「今年は花火だけをきれいに撮影するんじゃなくて、『人と長岡花火』をテーマにしました。大勢の観客が見守るなかで打ち上がる花火を撮影したかったんです」

yukiさん流 誰でも実践できる撮影・編集テクニック

撮影の前には、スマートフォンで数十秒の動画を撮り、その景色がどんな風に見えるのかを画面上で確認するのがyukiさんのルーティン。
カメラを手にしてからは、いくつかの基本的な構図で撮影をし、その中から気に入った構図を深掘りしていくそうです。

ちなみに、カメラ初心者さんでもすぐ実践できるポイントを尋ねたところ「ざっくりと撮らず、主役を決めること」だそうですよ。

そして最後に、画像編集のポイントについても聞いてみました。

「色味の調整などは現実離れしない程度に留めて、自分の理想や勝手な思いだけで編集をしないようにしています。カメラを始めた頃は、自分の理想のイメージに写真を近づける作業をしていましたけど、それは自然に失礼かな、と思うんです」

センスや感性だけでなく、実は緻密な構図の計算や経験則がyukiさんのドラマチックな作品づくりを支えているのですね。

yukiさん使用機材
Nikon Z5 (メイン機材)
Nikon D700(10年前にカメラを始めたときに購入)

yukiさん

Profile yukiさん

主に新潟を中心に本業の傍ら週末写真家として活動。自分らしいスタイルを追い求め、テーマを掲げ創作活動に励む。観光協会やリゾート地などからの撮影依頼のほかに、ほぼ毎日更新の会員制のサイトも運営するなど、日々写真についての情報を発信。Instagram|@sty830

credit text:齋藤悦子