新潟のつかいかた

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新潟の原風景を
守っている人へ感謝。
未来の子どもたちに
今ある絶景を届ける、
東條知史さん Posted | 2024/02/23

口癖は「どこかに行こうよ」。仕事をがんばれるのは旅行へ行くため。
長岡市在住の東條知史さん(@tojo_a7)が、カメラの魅力にのめり込んだきっかけは旅行でした。
「雑誌に載っているような風景写真を自分でも撮影したい」と7年前にデジタル一眼を購入。
以来カメラにのめり込み、新潟の美しい風景をInstagramで発信しています。相棒は「SONY α7RⅢ」と三脚です。

四季折々の風景に、奇跡的に現れる自然現象を加える

表情豊かな新潟の風景に、その時季、その時間しか現れない自然現象やまちの様子を加えて撮影するのが東條さんのこだわりです。お気に入りの写真を四季ごとに選んでもらいました。

—春—

マジックアワーの空が映る、長岡市山古志地域の養鯉池。
空が白飛びしないよう「ハーフNDフィルター」を着用し、レタッチを前提に暗めに撮影したショット。青空に夕日が混ざり合い、ピンクとも紫ともとれる絶妙な色合いが出現しています。

「池に映った雲が中央の木を浮き上がらせてくれました。
夕日の色合い、雲の出現などいくつもの条件が重なって撮影できた一枚です」

—夏—

小千谷市片貝町、片貝花火の4尺玉と工場風景。
花火が打ち上がる瞬間から30秒以上シャッターを押し続け、撮影した一枚。

「花火の撮影には風がどう吹くかがポイントです。
撮影スポットを事前にリストアップし、当日風の向きを考慮して決めます」

大花火の下には、地元の工場群と木々が。花火に照らされた片貝町の姿を感じられます。
「工場の間から花火が打ち上がる、この場所を気に入っています」
東條さんには秘密の撮影スポットがあるそうです。

—秋—

初冠雪と紅葉に囲まれた、魚沼市銀山平の宿街。
「ここより5キロほど高所で撮影した帰りに寄り道をして見つけた景色です」
二段紅葉とポツリと存在する山荘の景色は、まるで異国の地を切り取ったよう。

—冬—

十日町市、初雪が降ったばかりの棚田と朝焼け。
現れたばかりの太陽の光が草木に当たり、オレンジ色に輝いています。

「見たことのないほど見事な朝焼けでした。
光の屈折具合で出現した一筋の光は、超レアな自然現象です」

うっすらと雪が降り積もり、畑の畝(うね)の形が見て取れるのは、積雪がまだ少ない時季だからこそ。

今ある新潟の姿を後世に残したい

海も山もあり、四季がはっきりと移り変わる新潟県。

「雲海も、棚田も、マジックアワーの夕日も雪景色も新潟にはあります。新潟にないものなんて、ないんじゃないのかな」

そう言葉にする東條さんは、土地の風景を守ってくれている人への感謝を持ち続けています。

いつか棚田を守る人がいなくなってしまうかもしれない。
温暖化が進み、近い将来には新潟県内で雪景色が見られなくなるかもしれない。

「未来の子どもたちに『新潟にはこんな絶景があったんだよ』と伝えたいんですよね」

「今の新潟の姿をいつまでも残したい」
それが、東條さんの思いです。

credit text:齋藤悦子