新潟のつかいかた

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旬はこれから!選りすぐりの
新潟のどぐろ〈美宝〉がおいしいワケ Posted | 2024/07/17

新潟のどぐろ〈美宝〉がデビュー!
新潟の新たな食の魅力に

新潟といえば、旬を迎える枝豆や、コシヒカリを代表とするおいしいお米や新鮮な魚など、海の幸も山の幸にも恵まれた美食県ですが、このたび、新たに水産物のブランドが誕生しました。その名も〈美宝〉。新潟で水揚げされた「高規格のどぐろ」です。

〈美宝〉のビジュアルイメージの前に立つ花角英世新潟県知事
花角英世新潟県知事から発表された、〈美宝〉。「ぜひ新潟に来て食べていただきたい」と知事。

のどぐろといえば、日本海側を中心に日本沿岸に広く生息する高級魚。白身ながらもその脂乗りのよさから“白身のトロ”と呼ばれることもあります。

そのただでさえおいしいのどぐろのなかでも、新潟県が独自の規格を定め、厳選したもののみが〈美宝〉と名乗ることができるのだとか。

その規格とは、①1尾400グラム以上であること ②高鮮度でのどぐろを漁獲できる、はえ縄漁か刺網漁のうち、選ばれた地域・漁船で漁獲したものであること ③魚体を直接素手で触らないこと ④漁獲後から氷冷し、魚体に氷が直接触れないように荷造りを施したものとなっています。

トロ箱に入った2匹の美宝
〈美宝〉を漁獲できるのは、選ばれた3港、7漁船の熟練漁師のみ(2024年6月時点)。

特に、水揚げから出荷までの間の扱われ方は、まさに“箱入り娘”。鱗ひとつ剥がれないように手袋をした手で扱い、漁船によっては1尾ずつ丁寧にビニール袋に入れたものを、氷が直接魚体に触れないよう細心の注意を払って荷造りされます。

美宝の記者会見での中村孝則さん
新潟ガストロノミーアワード特別審査委員長であり、新潟県推進ブランド品目アンバサダーに任命された中村孝則さん(コラムニスト、美食評論家)は、数週間前に村上市の岩船漁港へ水揚げの様子を取材しに行ったそう。「そこで水揚げされたばかりの〈美宝〉を見て衝撃を受けたんですよ。とにかく美しい!」

せっかく食べるなら、水揚げ漁港と近いところでいただきたいところ。〈美宝〉の指定漁港を有する村上市にある〈割烹 能登新〉の11代目店主・山貝誠さんは、「手当がいいのどぐろでしか出せない料理を表現したかった」と話します。

〈美宝〉の特徴でもある400グラム以上の大きいサイズののどぐろは、やはり脂の乗り方が違うそうで、山貝さんも、「大きくなった分、調理法の幅が広がりますし、何よりも脂の乗りが違ってくる。そうすると火を入れたときの食味もまったく変わってきます」と絶賛。

会見場でのどぐろ〈美宝〉を調理する山貝誠さん
「ここでしか食べられない鮮度感、ここでしか食べられない料理を出したい。食べ飽きしないと思います」と〈割烹 能登新〉の11代目店主・山貝誠さん。
皿に盛られた「のどぐろ松笠 焼き霜お造り」と「のどぐろ棒寿司」
「のどぐろ松笠 焼き霜お造り」(右)鱗一枚も剥がさない漁師たちの品質管理へのリスペクトを込めたひと皿。炙った鱗のサクッとした歯ごたえと、歯を押し返すような弾力ある肉質、とろけるような舌触りを楽しめます。新鮮なのどぐろだからこそ食べられる割肝醤油と魚沼山葵を添えて。「のどぐろ棒寿司」(左)は、炙ることで表面の脂の旨みを引き出した一品。のどぐろの脂とやわらかな酸味の酢飯が一体となり、後味に甘さも感じられます。

〈美宝〉は、煮ても焼いても、もちろん生でも軽く炙っても絶品! とろけるような脂と上品な旨みに、たちまち魅了されます。「食べ飽きしない」と山貝さんは話しましたが、多彩な調理法もさることながら、ほかの新潟県産食材との掛け合わせで無限大に料理はあり、四季折々ののどぐろ料理を食べてみたいと思わせてくれました。

一年を通して水揚げがあるのどぐろですが、実は産卵前の大型ののどぐろが多く漁獲される7〜8月が旬だといいます。まさにいまが旬。「ぜひ新潟に来て食べてほしい」と花角知事をはじめとする関係者が口を揃えるように、この〈美宝〉の高いポテンシャルを知っているのはやはり地元の料理人の方でしょう。ぜひ、この夏ご賞味を!

Information

【美宝】
web:美宝公式ホームページ

credit text:海老原 悠 photo:黒川ひろみ