新潟のつかいかた

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新しい新潟県のアンテナショップ
〈THE NIIGATA〉が
グランドオープン!
進化した新潟の玄関口が
銀座にやってきた Posted | 2024/08/08

新潟県のアンテナショップが心機一転、銀座5丁目に装いを新たに帰ってきました!

表参道で26年間愛された〈表参道・新潟館 ネスパス〉が2023年12月25日の営業をもって閉館してから約7か月。8月8日(木)、〈銀座・新潟情報館 THE NIIGATA〉として銀座5丁目のすずらん通りで待望のオープンの日を迎えました。

店内で握った魚沼産コシヒカリのおにぎりを提供する〈THE ONIGIRI・Ya〉や、新潟清酒を試飲できる〈新潟清酒・THE SAKE Stand〉。そして、「新潟×イタリアン」をテーマにレストランやカフェを展開する〈Bit〉が手がける〈THE NIIGATA Bit GINZA〉を擁し、パワーアップして帰ってきた新潟県のアンテナショップ〈THE NIIGATA〉についてご紹介します。

26年間ありがとう!
〈ネスパス〉から〈THE NIIGATA〉へ

〈THE NIIGATA〉の入口

2023年12月25日、多くのファンに惜しまれながら閉店の日を迎えた〈ネスパス〉。最終日の閉館時間に店頭に立ち、26年分の御礼とお別れの言葉を述べたスタッフたちの前には、これまで〈ネスパス〉に通い詰めた多くのお客さんがあふれていました。

〈表参道・新潟館 ネスパス〉閉店後のセレモニーの様子
(写真提供:にいがた産業創造機構)
閉店後のセレモニーに集まったたくさんのお客さん
(写真提供:にいがた産業創造機構)

〈ネスパス〉がオープンしたのは、1997年6月。オープン当時は物販は行わずに、イベントを中心に新潟の文化や風土、食の豊かさを首都圏にPRすることを目的としていました。

「当時からアンテナショップと言えば、銀座・有楽町エリアが主流でした。そんななか、他県と区別するためにも『感度が高い人が集まる場所』として表参道に決めたと聞いております」

〈THE NIIGATA〉の田中館長

そう話すのは、2022年から〈ネスパス〉の館長を務めた〈THE NIIGATA〉の田中真佐彦館長。「ネスパス(N’ESPACE)」の「N」は新潟/ネットワークから、「エスパス(ESPACE)」はフランス語の「空間」や「スペース」という意味からとったそうで「表参道をフランスのシャンゼリゼ通りに見立てて、フランス語を使ったのではないか」と、当時を振り返ります。

〈表参道・新潟館 ネスパス〉の外観
(写真提供:にいがた産業創造機構)

オープンから約10年間は物販を行わず、県内市町村や各種団体、芸術家などのイベント中心の運営。2006年12月リニューアルオープンに合わせて県産品の販売を開始し、お食事処〈新潟・食楽園〉が開店すると、2010年には初めて年間来館者数が100万人を突破します。

その後も〈立ち飲みBAR COCO〉のオープンや、移住相談窓口の拡充と、食・観光・文化・暮らしと新潟県の情報発信拠点として機能してきました。

オープンから26年——。その歴史に幕を閉じることになったのは建物の老朽化が理由でした。

「お客様のネスパス思い出エピソード」が掲載された『ネスパスニュース』紙面
〈ネスパス〉が発行する『ネスパスニュース』には閉館を惜しむ利用者の声が多数集まった。

閉館前に〈ネスパス〉が募集した「お客様のネスパス思い出エピソード」には、多くのネスパスファンからメッセージが届きました。

「新潟から上京当時、東京の一等地・表参道に故郷のアンテナショップがあることが誇らしかったです」「ネスパスで買い物をしていたら偶然地元の友だちと再会しました!」「上京してすぐ、就職面接の会場がネスパスでした」など、ひとりひとりの〈ネスパス〉への思いが綴られています。

26年間で見えてきた〈ネスパス〉の課題と
銀座で再スタートを切ったワケ

〈ネスパス〉の閉館が決まったあと、コロナ禍で来館者数・売り上げが半減したり、働き方やライフスタイルが変化したこともあり、アンテナショップ自体の存続を問う声もありました。ネット通販が充実した時代に「東京でも新潟の商品が買える」という従来型のアンテナショップを設置するだけでは存在意義が問われたのです。

それでも〈THE NIIGATA〉として再スタートを切ることになったのは、「情報発信」という一方的なアプローチではなく「体験」「交流」といった双方向でのコミュニケーションの必要性が高まり、「食」以外の新潟県の魅力も知ってもらうことで新潟への「人の流れ」を生むという新しいフェーズに入ったからだと田中館長は言います。

インタビュー中の田中館長

「私が学生時代に上京したときは、お米といえば〈コシヒカリ〉だけでなく、宮城県の〈ササニシキ〉も有名で、二大ブランドとして知名度が拮抗していた記憶があります。それが今では新潟県産の〈コシヒカリ〉がより全国に広く認知されるようになったと感じています。

ほかにも日本酒はもちろん、笹団子やへぎそば、村上の鮭など、ひと昔前に比べて新潟の『食』は全国的に知名度がはるかに向上したと思っています。〈ネスパス〉では『食』を重点的に推してきましたが、今後は食の強みを活かしつつ、食以外の新潟の魅力も発信していくのが〈THE NIIGATA〉での狙いのひとつでもあります」

〈THE NIIGATA〉の外観

続けて〈THE NIIGATA〉のコンセプトとして、

「新潟県の資源である『米』『酒』『雪』という従来の強みに加えて、豊かな自然が織りなす美しい景観、優れた技術に支えられた伝統工芸品などの強みをアートという切り口で再構築し、新潟の新たな魅力として発信していく狙いがあります」

そう田中館長が語ってくれたように、〈THE NIIGATA〉には洗練された空間が広がっており、「アンテナショップ」というよりは、銀座の立地にふさわしいセレクトショップのような佇まいで新潟県の新しい一面を見せてくれることでしょう。

店内で握ったおにぎりから日本酒スタンドまで
〈THE NIIGATA〉全フロアガイド

銀座5丁目のすずらん通りに面する地下1階、地上9階建てのビルのうち、〈THE NIIGATA〉が店を構えるのは地下1〜3階と8階。ネスパス時代から引き続き、新潟県の移住相談窓口である「にいがた暮らし・しごと支援センター」や、県産品を販売するフロア、イベントスペースのほかに、新潟県の食材やカトラリーをそろえるレストランを含めた計5フロアから構成されています。

B1:にいがた暮らし・しごと支援センター

個別ブースにも分けられる、にいがた暮らし・しごと支援センター施設内
(写真提供:にいがた産業創造機構)

就職、転職や学生のU・Iターン就活などの「仕事」の相談はもちろん、「暮らし」の相談にもワンストップで対応する新潟県の移住相談窓口。ひとりひとりの希望に合わせたサポートを行っています。

1F:ショップ/THE ONIGIRI・Ya

フロア1階の新潟県のグルメ商品が並ぶ棚

すずらん通りに面した1階のフロアでは、広々と抜け感のある空間に生鮮食品やスイーツ、米、お菓子など食品を販売するショップと、新潟米のおにぎりを販売する〈THE ONIGIRI・Ya〉を展開。

〈THE ONIGIRI・Ya〉では、店内で握った魚沼産コシヒカリのおにぎりを10種類程度ラインナップしています(1個230円~)。

〈THE ONIGIRI・Ya〉でたくさんのおにぎりが並ぶ

また、1階に限らず店内の什器やインテリアには新潟県の素材が使われていることにも注目しておきたいところ。棚には越後杉が、天井から下がった誘導サインには新潟市の伝統織物「亀田縞(かめだじま)」が使われています。

そして、店舗内には商品を陳列しているだけでなく、新潟県のことを学べる情報発信のコーナーを各所に設置。物販だけではなく、新潟県の情報発信拠点として機能するコンテンツも充実しています。

エリア情報がディスプレイなどで紹介される「THE NIIGATA INFORMATION」コーナー
1階店舗内には「新潟のつかいかた」とのコラボで、季節に合わせた情報を発信するサイネージを設置。
新潟県でのものづくりに使われる様々な道具が展示されている
奥の壁面には新潟県の10のものづくりにまつわる「新潟のものづくり採集」を展示。

2F:ショップ/新潟清酒・THE SAKE Stand

フロア2階の新潟県産日本酒が並ぶ棚

2階には、新潟県産のカトラリーや伝統工芸品などの雑貨とお酒のコーナーのほか、〈THE NIIGATA〉の目玉のひとつである〈新潟清酒・THE SAKE Stand〉があります。

〈新潟清酒・THE SAKE Stand〉では、常時30種類以上の新潟清酒のなかからお好きなものを、1500円でお猪口5杯まで試飲することができます。また、AIソムリエがその日の気分や好みに合わせたお酒を提案してくれます。

タブレットで〈AIソムリエ〉を操作中

お酒コーナーの隣には、燕三条をはじめとする新潟の職人たちが手がけたカトラリーや食器、酒器、雑貨など、生活用品が並びます。

酒器が並ぶスペース
食器や生活雑貨など新潟の工芸品が並ぶコーナー

3F:イベントスペース

白を基調としたイベントスペース
(写真提供:にいがた産業創造機構)

3階は新潟の食、産業、観光などのPRイベントのほか、ワークショップ形式の体験型イベントなどの開催を予定しているイベントスペース。

フロアの床面には、「土」の美しさに着目した作品をつくり続ける栗田宏一氏によるアート作品『SOIL LIBRARY/NIIGATA』が、壁面には南魚沼のシンボル、八海山をモチーフにした春原直人氏による絵画『Reach』が展示されています。

床がライトアップされた『SOIL LIBRARY/NIIGATA』
『SOIL LIBRARY/NIIGATA』は新潟県112市町村594集落(平成の大合併前)で集められた705か所の砂がディスプレイ。
八海山がモチーフの絵画『Reach』
『Reach』には八海山が人々の手に届く存在であるのと同時に、南魚沼をめぐることでようやく辿り着けるとう、ふたつの意味が込められている。

8F:THE NIIGATA Bit GINZA

レストラン〈Bit〉のテーブルとオープンキッチン

ものづくりのまち、新潟県燕三条発のイタリアレストラン〈Bit〉が東京進出2店舗目となる銀座店を〈THE NIIGATA〉内にオープン。食材だけでなく、ワインやソフトドリンク、ナイフ、フォーク、そして店内装飾にいたるまで新潟ゆかりの品々が使用されています。

新潟米など、和食だけでは語りつくせない新潟の食の豊かなさをイタリアンで楽しむことできます。アラカルトだけでなく、コースも各種取りそろえています。

「佐渡産南蛮海老のアメリケーヌソース米粉のタリアテッレ」
新潟県米粉のタリアテッレをアメリケーヌソースで味わう「佐渡産南蛮海老のアメリケーヌソース米粉のタリアテッレ」(3278円。写真提供/株式会社Bit)。
土鍋ご飯と、折敷皿に並んだ卵や漬物などのおかず
京都8代目儀兵衛さん監修の「新潟厳選米新之助の炊き立てご飯とお供5種」(2合〜/3278円〜。写真提供/株式会社Bit)。

銀座で新潟小旅行が楽しめる
〈THE NIIGATA〉に行こう!

多くの人がオープンを待ちに待った新しい新潟県のアンテナショップ〈銀座・新潟情報館 THE NIIGATA〉がいよいよオープンしました。「ネスパス」から続く歴史を引き継ぎつつ、新たな一歩を踏み出した銀座では、新潟県民や出身者だけでなく、国内外問わず多くの人が楽しむことができる空間が広がっています。

新潟の旅気分を味わえるだけでなく、旅行や出張前の予習から普段使いまで、訪れるたびにきっと新たな発見があるはずです。

Information

【銀座・新潟情報館 THE NIIGATA】
address:東京都中央区銀座5-6-7 SANWAすずらんBldg. B1F〜3F・8F
access:東京メトロ 銀座駅A2・B5出口から徒歩約2分、JR有楽町駅から徒歩約8分
web:THE NIIGATA

B1:にいがた暮らし・しごと支援センター
tel:03-6281-9256
営業時間:10:30〜18:30
定休日:火曜、祝日、年末年始

1F、2F:ショップ/THE ONIGIRI・Ya、新潟清酒・THE SAKE Stand
tel:03-6280-6551
営業時間:10:30〜19:30 ※新潟清酒・THE SAKE Standは12:00~19:00
定休日:年始

3F:イベントスペース
tel:03-6280-6635
定員:スクール形式 40名程度/机・椅子なし 60名程度
設備:プロジェクター、スクリーン、音響、調光、小型冷蔵庫、 簡易キッチンなど
※営業日、営業時間はイベントなどにより異なります。
※詳細や最新情報は、公式HPや各種SNSにてご確認ください。

8F:THE NIIGATA Bit GINZA
tel:03-6228-5636
営業時間:ランチ11:30〜14:00(13:30 L.O.) ※土・日曜、祝日は〜15:00(14:30L.O.)
ディナー18:00〜22:00(21:00L.O.)
定休日:月曜、ほか不定休
座席数:46

credit text:山田卓立 photo:鳥羽田幹太