CASE1:増田安寿さんの場合
県外の人を柔軟に受け入れてくれる懐の深さ
「地域おこし協力隊」と聞くと、農村に隊員が入り農作業の手伝いや雪かきなどを行ったり、古民家に移り住んで地域の人とのコミュニケーションを図るのが主な活動、とイメージする人もいるのではないでしょうか。
現在、「ニイガタコラボレーターズ」として活動する増田さんも着任前はそんなイメージを持っていたそうです。

昨年9月に「ニイガタコラボレーターズ」として着任した増田安寿さんは、現在妙高市を拠点にグリーン・ツーリズムの誘客拡大をテーマに活動しています。
「もともと、アウトドアやウィンタースポーツが好きだったのですが、仕事と趣味の両方を楽しみたいなと思って、12年前に東京から長野に移住しました。仕事でフォトグラファーなどもしていたので、地域のフリーペーパーの立ち上げを機に、自分の仕事を通して地域との関わりを持つことにおもしろさを感じました」

増田さんの移住のきっかけは、自分の人生を充実させたいというものでしたが、自分の仕事がかたちになって地域の人にも喜ばれることにやりがいを感じたそうです。
長野県在住時に、新潟県上越市のスタートアップ支援を受けて、ウェブマーケティングやデータアルゴリズムの手法を使って、企業や自治体の課題解決を行う会社を起業。その後、まちづくりなどに携わる業務を進めていくうち、地域との結びつきをさらに強めたいと思い、「ニイガタコラボレーターズ」に参加することを決意したそうです。

「地域の自然や文化といった魅力を訴求するのであれば、地域とそれを管轄している新潟県の行政の両方と関われる『ニイガタコラボレーターズ』に着任したほうが動きやすいなと思いました。
地域の人には『行政の人』として見られることもありますし、行政の人には情報を整理して発信することを生業とする外部の専門家として見られます。そういう面もあり、地域に入り込みやすいですね。どちらの人たちにも自分の考えを聞いてもらえるから、『ニイガタコラボレーターズ』としても、自分の事業も活動がしやすいなぁと感じています」

増田さんは、「ニイガタコラボレーターズ」としてグリーン・ツーリズムの誘客拡大をミッションとして活動中。農山漁村地域で自然や文化、人々との交流を楽しみながら、農業や林業、漁業などを体験できる旅を企画しています。
2024年9月に着任した増田さんは、新潟県内への教育旅行や、農業体験などを通して社員コミュニケーションの向上や地域課題を考える企業研修なども含めた新潟への誘客を考えているそうです。
