インスタグラムで新潟のお出かけ情報を発信している、三条市在住のkumikoさんこと今井久美子さん(@kumiko_niigata)。kumikoさんの投稿は、カフェや居酒屋などの飲食店、冬のスキー場、夏の海や高原などお子さんが喜ぶレジャースポット、さらには大人のデートスポットなど、役立つ情報が豊富。どのスポットも魅力が伝わりやすく工夫されていると注目を集めています。
「ネットでの発信が得意だから」。
料亭女将がコロナ禍にスタート
三条市にある創業明治元年という老舗料亭〈遊亀楼 魚兵(ゆうきろう うおひょう)〉。kumikoさんはその店を営む一家に生まれ、現在は女将を務め、ほかの飲食店で企画やホームページ作成をディレクションするフードディレクターとしての顔も持っています。
kumikoさんの経歴はユニーク。調理師免許取得後、塾講師を経て第一子出産からしばらく後に、祖母に請われて家業に携わり始めました。
一方でインターネットでの発信歴は長く、子育てなどについて綴ったブログで多くのフォロワーを獲得。ファッションに特化したSNSでも人気となり、2012年頃からインスタグラムを開始。ファッションや日常の風景を投稿していました。
家業と子育て、ネット発信を両立させていたときに訪れたのがコロナ禍でした。kumikoさんのお店だけでなく、飲食店は軒並み休業を余儀なくされ、業界全体に活気がなくなってしまいます。
「私になにかできないかと考えました。それで始めたのが、グルメやレジャーのスポット情報をインスタグラムで記事のように発信することです。その頃はまだ新潟の飲食店情報を発信している人がほとんどいなかったので、おもしろいんじゃないかと思って始めました」
写真や映像に文字を載せて、kumikoさん自身が行きたいお店や食べたいものを本格的に発信し始めたのが2022年のこと。
kumikoさんのインスタグラムのフォロワーはそれまで2000人ほどと、個人アカウントとしては多いほうでしたが、それから半年ほどで1万人ものフォロワーが集まりました。
現在のフォロワー数は5万人以上。新潟の飲食店、宿泊施設やレジャースポットなどを中心に、より一層幅広い情報を、文字と音声を組み合わせ、簡潔でわかりやすく発信している投稿が好評です。
休みの日は必ずと言っていいほどお出かけ先で撮影しているkumikoさん。何をどう撮影するか、構成はどうするかを考えてから出かけています。事前のリサーチや準備が伝わりやすい投稿につながっているのかもしれません。
金属加工が有名な燕三条で、
ぜひ県外の方にも来てほしいお気に入りスポット
kumikoさんはご自身のお店、遊亀楼 魚兵のアカウント(@yukiro.uohyo)の運営もしていました。遊亀楼 魚兵はJR東三条駅から徒歩5分のところにあります。最近人気のランチは「一汁十菜御膳」という重箱に入ったメニューです。
「煮菜、のっぺ、焼き漬けと、新潟の郷土料理が3種類入っています。予約なしでも召し上がっていただけます」とのこと。
三条といえば、隣の燕市も含めてカトラリーや鍋など厨房や台所用品の産地。燕三条の製品に触れるならと勧めてくれたのが〈ファクトリーフロント〉というお店。「燕市にある金型屋さんの息子さんがやっているセレクトショップです。どこで工場見学できるかも教えてくれるので、観光で迷ったら立ち寄ってみてください」とkumikoさん。販売されているグッズのなかでは、名刺入れとストラップ付きの名刺入れバッグがおすすめとのこと。
kumikoさんが地元三条でおすすめするカフェが〈KKVEL(クベル)〉。スイーツがおいしく、特に季節のフルーツとクリームを挟んだ台湾カステラフルーツサンドがkumikoさんのお気に入りです。
お店の前に田んぼが広がっていて、店内から春には田んぼに水が入った様子や、夏には青々と伸びた稲穂、秋には稲穂が頭を垂れる様子と、季節ごとに風景が楽しめることも魅力のひとつ。kumikoさんもたびたび訪れています。
アクセス良好で家族全員楽しめる!
高原のリゾート・妙高高原
ふたりの男の子を育てるkumikoさんは、新潟県内の家族みんなで楽しめるスポットも投稿しています。そのなかでも「新潟県外には、まだあまり知られていませんよね?」と話してくれたのが妙高市にあるスポットの数々。
「北陸新幹線なら東京駅から上越妙高駅まで約2時間なので、首都圏にお住まいの方も行きやすいと思います」
妙高市は温泉やスキー場がたくさんあることでも知られていますが、高原のリゾートとして宿泊施設も夏のレジャーも充実。kumikoさんは冬も夏も訪れています。
反響が大きかった投稿が〈赤倉観光ホテル〉を訪れたときのもの。1937(昭和12)年創業の歴史と格式あるホテルで温泉も有名。2009年に新設されたアクアテラスからの絶景も自慢です。
kumikoさんが訪れた日は、周囲の山々が見渡せる場所にある水盤に青い空と白い雲が映り込んで幻想的。投稿には外国からも多くのアクセスがあったといいます。
「妙高市には子どもも大人も楽しめるアクティビティがありますよ。しかも全天候型です」と教えてくれたのが〈ロッテアライリゾート〉。冬はスキー、夏はプールもある宿泊施設ですが、最長滑走距離192メートルの斜面をチューブにのって滑るチュービングや木から木へと揺れる足場を進むツリーアドベンチャー、ウォールクライミングが体験できるプレイグラウンドなど豊富なアクティビティが用意されています。
フードディレクターとしての顔を持つkumikoさんに妙高のおすすめグルメを尋ねてみると、「〈お食事処 苗名滝苑〉さんの流しそうめんが、コシがあって本当においしいんですよ。ニジマスの塩焼きもおすすめです」
kumikoさんの投稿では、お子さんたちが流れてくるそうめんを掴んだり、今度は流すほうに回ったりと楽しそうな姿も見えます。山の冷たい湧き水を使った流しそうめんを食べた後は、そばにある日本の滝百選にも選ばれている苗名滝を見るのもお忘れなく。高原の水辺で涼を満喫できて、春から秋のアウトドアアクティビティとしてもふさわしい場所です。
人生初の佐渡訪問は、感動の島時間
学生時代も含めて三条市で育ち、住まいを移したことがないというkumikoさん。投稿では広い新潟県内を広範囲にカバーしている印象があります。そのkumikoさんが2024年に生まれて初めて行って、予想以上のすばらしさだったと話すスポットが佐渡です。
「それまで、金山の跡を見るのがそんなに楽しいのかな? と懐疑的でしたが、行ってみると鉱夫さんたちの人形が動きもリアルで、坑道を歩いているだけでワクワクしました」とkumikoさん。
佐渡への旅では、海上でのアクティビティも満喫。沢崎海岸の近くの、まるで「ウユニ塩湖」といわれる万畳敷(まんじょうじき)で撮影した写真や映像はシルエットの美しさが多くの人を惹きつけます。そして「食べ物もおいしかったです。特にお寿司がおいしかった!」。訪れた〈鮨 長三郎(すし ちょうざぶろう)〉の新鮮なネタを使ったお寿司が忘れられないそう。
佐渡での島時間が気に入った様子のkumikoさん。「新潟にはもうひとつ粟島という島があるんです。まだ足を踏み入れたことがないので、今度は粟島にも行ってみたいなと思っています」
粟島は村上市の岩船港から高速双胴船で約60分のところにある周囲約23キロの島。雄大な自然に恵まれた島は渡り鳥にとっては中継地で、キャンプやサイクリングなどが楽しめます。kumikoさんのインスタグラムで、粟島の魅力が発信される日も近いかもしれません。
調理師免許を持ち、老舗料亭の女将でもあるkumikoさん。「新潟は何を食べてもおいしいですから」と自信たっぷりに話してくれました。お子さんを含めた家族や友人同士で新潟を旅するときにはkumikoさんのインスタグラムを参考にすると、参加者全員が楽しめるスポットが見つかりそうです。
Information
今回ご紹介したkumikoさんの投稿はこちらから!
kumikoさんInstagram:@kumiko_niigata
新潟のつかいかたInstagram:@howtoniigata
credit text:野崎さおり