新潟のつかいかた

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グルメ系インスタグラマー20代男子・
スマミーさん、「茶寮」をオープン!
新潟の生産者やつくり手の思いを、
“自ら”伝える場に Posted | 2026/06/05

新潟県全域の“うまいもの”を探訪して紹介する、新潟市秋葉区生まれの人気インスタグラマー・スマミーさん(@sumami_niigata)。25歳という若さながらも、新潟グルメやおすすめ飲食店などの投稿数は850件以上! その蓄積された情報は「新潟でおいしいものを探したい」という人にとって有益な情報源となっています。

2026年3月、インスタグラムを通じて知り合った生産者やつくり手の食材や商品を使い、スマミーさん本人が店頭に立つ〈岩室茶寮(いわむろさりょう)さとり〉をオープン。オンラインに精通するインフルエンサーが、オフラインの場に挑んだわけとは?

カフェ巡りを楽しんだ10代と、新潟の食の底力に触れた会社員時代

バリスタの知識と技術を生かし、かつてはカフェ店員として働いていたというスマミーさん。そんなカフェ愛が高じ、18歳頃から新潟県を中心とした飲食店を巡ってはインスタグラムに投稿する活動がスタートしました。

シンメトリーの美しいラテアート、見目麗しいスイーツ、フォトジェニックなカレー、ラーメン、お寿司などなど、「今すぐ行きたい……!」と心を鷲掴みにするグルメ投稿を連発。19歳の頃にはすでに3000人ほどのフォロワーがいたのだとか!?

〈PAL〉のストロベリーショートケーキパフェ
スマミーさんがインスタグラムを始めた当初、多く投稿されていたのはカフェやスイーツ情報。カフェラテ、ケーキ、パフェ、かき氷などなど、フォトジェニックな写真がずらり。
〈紡ぐ珈琲と。〉のカフェラテとバナーヌ
〈割烹仕出し 伊藤屋〉のかき氷「思い出のスイカ」
〈arriere gout〉のヨーグルト生クリームかけのかき氷「大雪」
〈にむらや菓子舗〉の抹茶アッフォガード

「もともと食べることが好きなんです。訪れた先の飲食店でおすすめのお店を教えてもらったりして、最盛期には毎日インスタグラムに投稿していました。飲食店の方と話すなかで、食べることだけでなく、食材、調理法、それらをつくる人たちにも関心が向くようになっていきました」

その後、新潟県の食材や特産品などをECで販売する会社に就職。そこで出会う生産者やつくり手との交流のなかで、ますます新潟の食の底力に触れることになります。

数年後には地方創生事業を行う企業に転職し、広報を担当。そうしたなかで自身のインスタグラムももっと活性化させようと運用に力を入れると、フォロワーが激増。2024年頃には2万5000人ほどのフォロワーがつき、インフルエンサーとして名前が知られるようになったスマミーさん。新潟の魅力を発信するインスタグラマーとしての独立を決意します。

〈綾歌うどん〉のすだちひやかけ
のちに投稿が増えてきた新潟グルメ。カレー、ラーメン、うどん、丼ものなど、ランチに迷ったときに重宝しそう!
〈佐渡 廻転寿司 弁慶〉の握りのセット
紫色のチーズを使った〈米山咖喱食堂〉のチーズキーマカレー
〈麺屋 玄洋〉の貝塩ラーメン
〈アマランサス〉のヤークブルストのパニーノ

市民の声をかたちに。インフルエンサーだからできることを

スマミーさんのインスタグラムを覗いていて気づくのは、オリジナル企画の立ち上げや、写真の見せ方の工夫など、そのときどきで進化する投稿のかたち。

2022年12月、ずば抜けておいしかったという推し店舗をまとめた「忖度なし 新潟のうめぇもん」シリーズを初投稿。2023年1月からは飲食店の魅力をキャッチコピーで伝える写真がインスタグラムを埋め尽くし、同年10月には特徴的なハイトーンボイスを交えたリール動画の投稿もスタートしました。

料理の上に「忖度なし 新潟のうめぇもん」と書かれた投稿画像
2022年12月31日に初投稿された「忖度なし 新潟のうめぇもん」。この後、シーズン毎に展開するシリーズに発展。

こうした試行錯誤を続ける理由は、ビジネスとしてのSNS運用もさることながら、新潟の魅力をもっと広く発信し、よりよい新潟にしたいという使命感だといいます。

「前職の広報業務では、BtoG、つまり対行政のお仕事も多かったんです。もっと集客したい、もっと地域を盛り上げたい、という行政の悩みや課題を直で感じつつ、それがうまくかたちにならないのも見てきました。それならば、自分が独立して動くことで、そこを補えるかもしれない、と思ったんです」

培った広報スキルを生かしながら、インフルエンサーだからこそできる魅力発信術がある。さらには、生まれ育った新潟を盛り上げて、恩返しがしたい。また、始めたからには中途半端に終わらせたくない。そうした強い思いをモチベーションに変えてきました。

「三兄弟が織りなす新潟の味」と書かれた〈三吉屋信濃町支店〉の紹介投稿
2023年3月22日に投稿された、キャッチコピー入りフィード。テキストとは異なる情報を画像に書きこんで紹介するという手の込みよう。
〈三吉屋信濃町支店〉のラーメンの感想を書いた投稿

2025年1月には「新潟市秋葉区PR大使」に任命されたスマミーさん。就任直後、区内のランチマップ制作を提案すると、すぐに民間の観光協会から予算が降りて制作がスタート。刷られた1万部があっという間になくなるという、行政も驚く展開となりました。

「現在、増刷の話も出ています。このマップをつくったのは、『ランチの食べられるお店が知りたい』という地域の声があったからなんですね。いち市民であるインフルエンサーが、市民の声を行政に届け、かたちにすることができました。こうした活動を継続していくことで、よりよい新潟になり、その魅力が広く伝わっていくと信じているんです」

現在、スマミーさんのスタンダード投稿となっているハイトーンボイス入りのリール動画。こちらは新潟市東区中山の住宅街にポツンとある大衆食堂をピックアップ。常連が注文するという「ビーテー」とは!?

魅力的な新潟ブランドを一緒に築き上げていく〈岩室茶寮さとり〉

神社や古刹が点在し、開湯300年の歴史を誇る岩室温泉などを有する新潟市西蒲区。2026年3月、スマミーさんはこの地に“新潟の魅力を体現する店”として〈岩室茶寮さとり〉を開業しました。ところで、コンセプトにある“魅力を体現する”とは?

「これまでにたくさんの飲食店を紹介して、“自分”の再生数が伸び、フォロワーが増えて、名前が知られるようになりました。けれど、紹介してきた“飲食店”にはどれだけ貢献できたんだろう……? と疑問を抱くようになったんです」

SNSでの紹介後、いつのまにか閉業していた店もあることを知り、「もっと自分にできることがあったのではないか」と省みることがたびたびあったというスマミーさん。そうして立ち上げを決意したのが〈さとり〉です。

〈さとり〉の外観
〈さとり〉の外観。

「お世話になっている生産者や飲食店などの食材を買いとり、そうした方々の思いや言葉を、私が直接お客さんに伝えるお店にしたかったんです。そうすることで、お客さんもより深く味わえたり、楽しめたりするんじゃないかって。また、生産者ってエンドユーザーの声を聞く機会がほとんどありません。だからこそ、お店で聞いたお客さんの声を生産者にそのままフィードバックするようにしています。それが、より魅力的な新潟ブランドを一緒に築き上げることになるんじゃないか、と思っていて」

実際にこんなエピソードが。燕市から来たお客さんにお店で使用している味噌について問われ、〈山田醸造〉の味噌であることや、醸造蔵の思いを紹介したスマミーさん。後日、味噌蔵の社長から『さとりさんで使っている味噌を買いたいというお客さんが来たよ』という連絡があったのだとか。

「岩室のお店からそのまま新潟市内にある味噌蔵まで、車で1時間ほどかけて行かれたようです。誰かの行動につながるような仕事をしているんだ、とやりがいを感じた出来事でした」

〈さとり〉のカウンター席
〈さとり〉の内観。
〈さとり〉で提供される越後姫のイートン・メスと煎茶
ランチ提供のほか、茶栽培の北限である村上市産の煎茶や、県産苺を使ったスイーツなども。写真は越後姫のイートン・メス。

素材の味を生かした、精進料理のようなメニュー展開ながらも、意外と20代のお客さんも多く訪れるという〈さとり〉。新潟県産の有機米を羽釜で炊いたご飯をSNSに投稿したところ、スマミーさんをフォローする東京在住の20代カップルが、粒立ったピカピカのご飯を求めて店を訪ねてきたこともあったそう。

「インスタグラマーって画面上の人であって、会えないことが多いですよね。だから、こうしたオフラインの場所をつくって、自ら店頭に立ってみたい、という思いもありました」

まだオープンして間もない〈さとり〉ですが、スマミーさんが自信を持って提供するストーリーのある新潟の食と、スマミーさんとの会話を求めて、今後ますます幅広い世代が集う話題のお店になりそうです。

インスタグラムで“インバウンド誘致”も視野に

新潟の魅力を国内だけでなく、海外にも発信していきたいというスマミーさん。以前にタイ王国で知り合い、今も現地で旅行会社を営む日本人が、スマミーさんのインスタグラムから新潟に憧れを抱いたというタイ人を連れて今年4月に来日。新潟市、魚沼市、十日町市、小千谷市、長岡市、三条市、燕市などをアテンドしました。

「日本各地を巡ったことがある方なんですが、豊かな食文化や自然の多さ、人のやさしさなど、新潟をすごく気に入ってくれて。それに、タイにも稲作文化があるので、新潟の田んぼはタイの原風景にも通じるところがあったようです。新潟を第2の故郷にしたい、と言ってくれたのはうれしかったですね」

樽から米麹を両手で掬い上げている
観光に訪れたタイ人は日本の「発酵」に関心があったことから、県内各地の酒蔵、醤油蔵、味噌蔵、漬物屋などをアテンドしたそう。

そのタイ人観光客は「来年は友人も連れて再訪したい」と日程まで決めて帰国。そんな出来事から、今後はインバウンド向けの情報発信にも力を入れ、海外客のツアー展開もできるかもしれない、と展望を語ります。

「全部ひっくるめて、新潟県が大好き」という20代男子が、今後どのような革新的なアイデアをもって新潟の魅力を発信し、盛り上げていくのか、注目必至です!

Information

「スマミーさん」×「新潟のつかいかた」のインスタグラムコラボ動画を、近日投稿予定。ぜひフォロー&チェックしてくださいね!
【スマミー】新潟グルメ・新潟魅力発信Instagram:@sumami_niigata
新潟のつかいかたInstagram:@howtoniigata

credit text:林貴代子 画像提供:スマミー