絶好のロケーションに立つ〈パンといす〉は柏崎の人気スポット
柏崎の海を一望できる小高い丘にあるベーカリー〈パンといす〉。晴れた日には、青い空と海、白い雲のコントラストが目の前に広がります。お店の脇には、ベンチが設置され、日本海の絶景を望むことができます。
ここからのオーシャンビューはもちろんですが、自信作の食パンをはじめ、定番から個性派まで、バラエティに富んだ菓子パンも〈パンといす〉の人気の秘密。週末にはすべてのパンが開店まもなく売り切れてしまうほどの盛況ぶりで、いまでは柏崎の人気スポットとして、多くのファンを集めています。
自信作は県産小麦を使った食パン
お店を営んでいるのは、柏崎市出身の中島由紀夫さん、直実さんご夫婦。しっとりとした食感が特徴の新潟県産小麦〈ゆきちから〉を使い、常時40種類近くのパンを提供しています。
数あるパンのなかでも、中島さんの自信作は食パン。ほのかに感じる甘さとふんわりとした食感にリピーターが続出しています。噛む力を必要としないサクッとした耳なので、子どもや年配の方にも好評で、多くのリピーターがいるそうです。
食パンは、〈角食〉(440円)と〈山型食パン〉(550円)の2種類が用意されており、食パンを使ったサンドイッチも人気です。
小学校の教員から異色のキャリアを歩んだ店主
今でこそベーカリーの店主として仕事をする中島さんですが、もともとは小学校の教員でした。しかし、念願だった木工作家になるために早期退職。木工系の専門学校に通い、家具職人としての道を歩み始めたのです。
ところが、家具づくりだけでは生活できないとほかの道を模索。現在お店がある見晴らしの良い場所で何かできないかと考え始めました。
「最初はここでカフェができればと思ったのですが、席数やスペースを確保するとお金もかかるし、スムーズにお客様を接客できるか不安でした。別の方法はないかと探していたときに、パン屋なら朝にパンをつくれば、あとは開店時から二人でていねいにお客様対応ができるのではないかと考え始めました」
その後はパン教室に通ったり、独学で勉強したりしながら、パンづくりの基礎を学び、2018年に〈パンといす〉をオープン。SNSを中心に人気となり、今ではオープン前から行列ができるお店となりました。
定番から個性派パンまで幅広く揃える〈パンといす〉のおすすめ
食パンから惣菜パン、お菓子系のパンまで幅広くそろえる〈パンといす〉。そのなかから、中島さんにおすすめ商品を3点選んでもらいました。
ひとつ目は、季節の総菜パン。例えば夏なら〈夏野菜とラザニア〉(250円)。ズッキーニやナス、トマトなど彩り鮮やかな野菜が並べられています。こだわりはパン生地を焼いた後に素材を乗せること。そうすると、たくさん具材を入れられ、ひと口目から具材の味を楽しむことができるそうです。
ふたつ目は、色とりどりの〈ミニサンド〉(各々150円)。アボカドとレモンが入っている〈ワカモレ〉や〈ベーコンチーズ〉〈フルーツミックス〉などが並びます。
そのなかでも気になるのが、〈いぶりがっことクリームチーズ〉。最初はたくあんをサンドイッチに入れていたものの、試しにいぶりがっこを入れてみたら燻製でしょっぱすぎない味がサンドイッチにマッチ。ピリッと辛い〈神楽南蛮味噌〉を入れて味に変化を出しているそうです。
最後におすすめするのは、オープン当初から人気の〈バナナブレッド〉。通常バナナブレッドは、パン生地を発酵させてつくるものの、中嶋さんのバナナブレッドは、発酵させずにつくることで長い間おいしく食べられるこだわりの一品。生地に練り込まれたクルミがよいアクセントとなり、何度でも食べたくなる味わいです。
オープン前から行列ができているので、お目当てのパンがある方は早めの時間がおすすめです。青い海と空、そしておいしいパンを求めて、柏崎まで足を運んでみてはいかがでしょうか?
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credit text & photo:長谷川円香