5年後、10年後も広がり続ける踊りの祭典

5日間にわたって開催された「にいがた総おどり」の初日。〈響’〉がお披露目したのは、新曲「おどりゃんせ」です。
楽曲制作は、佐渡に拠点を置く〈太鼓芸能集団 鼓童〉の住吉佑太氏。振付は〈CHIBI UNITY〉代表の国友慎之助氏が手がけました。
日本古来の和太鼓の響きと、躍動感あふれる踊りを組み合わせた、壮大なスケールの一曲です。

初お披露目の舞台に立った若手メンバーの竹内聡花さんに声をかけると、「心躍りました!」と、とびきりの笑顔で応えてくれました。

祭り当日、踊り手たちのスタート地点となるゲートに目を向けると、たくさんの応援メッセージが貼ってあります。

「君の演舞と笑顔と汗は25周年の力に。そして次の25年の力に」「これほど感動するお祭りはないです。これからも次の世代につないでいけますように……」
思いのこもった言葉を受け取り、舞台に立つ。そこには、踊り手だけではつくれない「にいがた総おどり」の姿がありました。
メイン会場となった万代シテイ十字路の周辺も、5日間にわたって祭りの空気に包まれていました。
会場のすぐそばにある〈スターバックス コーヒー 新潟万代シテイ店〉には、これまでの「にいがた総おどり」を振り返るポップを展示。同店もまた、祭りと同じ25年前からこの場所で営業を続けています。祭りとともに歩みながら、一緒に盛り上げる姿が印象的でした。

さまざまな人が関わりながら、祭りは25年間続いてきました。そして、その輪は今、新潟のまちを超えてさらなる広がりを見せつつあります。
そのひとつが、〈響’〉の楽曲を使って各地で踊りを楽しむ「WA BEAT PROJECT」です。

各地のアンバサダーが練習会を開き、地域の人たちと一緒に踊ることで、「にいがた総おどり」の文化を全国へ届けています。活動を通して生まれているのは、踊りの輪だけではありません。
これまで見る側だった人が踊る側になったり、「やってみたい」と思っていたことに一歩踏み出したり。新潟で生まれた踊りをきっかけに、それぞれの場所で新しい挑戦や、人とのつながりが生まれています。
〈響’〉を立ち上げたメンバーたちが25年前に掲げた「次の世代の子どもたちに感動のある祭りを残そう」という思いのバトンは、すでに次の世代へと渡りました。そして今、そのバトンは新潟のまちを超え、さらにその先へと広がり始めています。

踊る人、応援する人、初めて祭りを訪れる人。その誰もが輪の一部となり、新しい出会いや挑戦が生まれていく。
25年の先にあるのは、完成した祭りではなく、これからも変わり続ける、新潟独自の「踊りの文化」なのかもしれません。
25年の先に続く、新潟の踊りの文化
新潟で生まれた踊りが、誰かの「やってみたい」を後押しする。そして、その一歩からまた新しい輪が生まれていく。
「にいがた総おどり」が25年をかけて育んできたのは、祭りを超えて人と人をつなぐ文化です。踊りを通して人と人がつながり、世代を超えて思いが受け継がれていく。その文化が、今も新潟のまちに息づいています。
踊り手の表情、響き渡る音、観客の声。そこにいる人たちが一緒になって生み出す熱や感動は、文字だけでは伝えきれません。
だからこそ、次は新潟で、この空気を感じてみてください。
見るだけだったはずが、気づけば踊りの輪のなかにいる――。その瞬間に、あなたもきっと驚くはずです。
credit text:松永春香 photo:今井達也

