「次の休みは、糸魚川で何ができるかな」
愛知県に住む小島雄一朗さんは、仕事で糸魚川市を訪れたことがきっかけで糸魚川の魅力に引き込まれ、親子ワーケーションに参加したひとり。2022年の夏休みと冬休みに、ふたりのお子さんを連れてプログラムに参加しました。
「子どもたちに、普段はできない体験をさせたかったんです。ティンカリングベースのプログラムに参加した9歳の長男ははんだづけをマスターし、6歳の次男はタブレットで動画をつくれるようになりました。ふたりとも、次の休みは糸魚川で何ができるかと楽しみにしていますし、普段の会話のなかに糸魚川の友だちの名前が出ることも少なくありません」
そうしてお子さんを預けている間、ご自身はたっぷりとテレワークに集中できたといいます。
「朝、子どもを預け、帰ってくるのは17時。駅前の〈キターレ〉や都市公園内にある〈クラブハウス美山〉で集中して仕事を進めることができました。キターレは人の出入りもあるしシェアキッチンなどの施設が充実。自然に囲まれたクラブハウス美山では、山を見ながら仕事ができるのでとても気分がいいです。ほかにも、駅前にある三愛旅行社さんのワークスペースなど、気分に合わせて場所を選べるのがうれしいです。糸魚川はコンパクトシティなので、子どもたちが帰ってきてから一緒に山や海に行くこともできます。そんなところも魅力ですね」
また、ティンカリングベースを提供し宮路さんとともに糸魚川のワーケーションを推進するイールーの伊藤さんも、実は親子ワーケーションの実践者。子を持つ親として、こうした働き方の必要性を感じていたといいます。
「私自身、子連れで出張し、子どもを抱えながらツアーの下見をしたり打ち合わせをしたりしていたので、糸魚川市で親子ワーケーションに取り組むという話を聞いてぜひご一緒させていただきたいと思ったんです。私はコロナ禍をきっかけに故郷である糸魚川にUターンしましたが、糸魚川には子どもの教育フィールドとしてかなりのポテンシャルがあると感じています」
ほかにも、糸魚川市が提供するワーケーションプランはユニークです。「防災ワーケーション」は、市内にあるジオエリア(全24か所)を見学したり、糸魚川市が経験した災害の歴史を辿ったりすることで、自然との共生や防災レジリエンス(災害を事前に防いだり、素早く回復する力)を学ぶことができます。開発中の「ジオフードワーケーション」は、食品関係の企業や団体をメインターゲットにしたプログラムで、糸魚川の多様な食資源について地質学や考古学などを参照しながらフィールドワークで学ぶことができます。
これらのプログラムは企業向けで、新規事業開発やチームビルディング、研修などの目的で利用されます。「糸魚川市のビジネスパートナーになりうる企業をワーケーションで誘致し、今後のコラボレーションにつなげていきたい」と宮路さんは語ります。
「親子」「防災」「ジオフード」、いずれのプランも「ワーク」に主眼が置かれ、地域との接点を多く持ち、参加者と地域の両者がメリットを得られるように設計されている、それが糸魚川市のワーケーションの特徴だといえるでしょう。特に親子ワーケーションは、親の仕事と子どもの旅行を同時に実現させる画期的なサービスで、働き方の可能性を広げるものかもしれません。興味がある方は、ぜひワーケーションの場として糸魚川を選んでみてはいかがでしょうか。
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【上越ワーケーションWEEK】
web:上越ワーケーションWEEK
2023年2月20日から3月10日まで、上越エリアの3市(妙高市、上越市、糸魚川市)のコワーキング運営者有志による『上越ワーケーションWEEK』が開催されました。イベントはすでに終了していますが、ホームページには3市のコワーキングスペースなど情報が掲載されています。
credit text:山田宗太朗 photo:ただ(ゆかい)