食卓の主役にぴったりな〈新之助〉の味わい
言わずと知れた米どころ、新潟。米づくりに適した大地、気候に加え、豊富な雪解け水、長年培ってきた栽培技術がそろい、誰もが認めるお米の名産地となっています。そんな新潟県で新しく開発されたのが〈新之助〉。2017年にデビューしたブランド米で、雑誌『日経トレンディ』が主催する「米のヒット甲子園」において、2018年の大賞に選ばれました。
その特徴はまず、大粒でツヤがあること。炊き上がったお米はキラキラと輝いています。ひと口食べてみて感じたのはふんわりと漂う香り、そして、ほんのりした甘みとさっぱりとした味わい。なにより歯ごたえがしっかりしていて、お箸でつまんだときにほぐれやすいのですが、噛むとモチモチ感もあります。
お米自体の味が主張しすぎないため、ジャンルを問わずどんなおかずとの相性も抜群。また、新之助は冷めてもお米の表面や粒全体がかたくなりにくいので、お弁当やおにぎりにもぴったりです。
新潟の品種改良の集大成ともいえる、新ブランド米
このように食味全体のバランスに優れた新之助は、どのようにして生まれたのでしょうか?
「新之助は昨今の猛暑や今後の地球温暖化の進行に備え、高温な環境においても高い品質と食味を実現する“晩生品種”の誕生を目的に、2008年に開発をスタートしました。また、新潟の代表品種である〈コシヒカリ〉とはまったく異なるおいしさを追求しました」
新潟県農林水産部農業総務課の政策室長・神部淳さんによると、新潟県ではこれまでおいしいお米の代表格であるコシヒカリに生産が集中してきたため、天災被害に備えリスクを分散しておきたいという課題がありました。そこで2000年に、コシヒカリと同様の食味の良さを持ちながら、コシヒカリより収穫時期が早い〈こしいぶき〉の開発に成功。そして今度はコシヒカリと比べて収穫時期が遅い、新之助の開発に至ったといいます。
まず、新潟県農業総合研究所を中心に、500種類の交配によってできた約20万株の品種候補を実際に育てるところからスタート。そして収穫後に食味し、優秀な株を選抜していったといいます。「実はこれまでの研究結果から、米の甘みと炊飯時の米の輝きに相関があることがわかっていました。そこで米の輝きを選定基準に株の選定を行っていったんです」
そして年中気温が高い石垣島で年に2〜3回栽培することで、開発のスピードアップを図りました。さらに5年間にわたり栽培を続け、性質の安定化に努めたそうです。
こうして8年の歳月を経て誕生した新之助は、お米の味のバランスを数値化する味覚センサーの調査により、お米のおいしさに関連する「コク、味の厚み、濃さ・ボディ感、旨み、甘み」のすべてにおいて、ほかの代表的品種と比べて平均値を上回る結果を叩き出しました。
伝統ある新潟米の品種改良のノウハウを生かして誕生したブランド米。これまでの品種に比べて稲穂が短いという新之助は、生産者からも「台風被害が抑えられる」と喜ばれているそうです。
なお、新之助の“新”は“新”しいの新、“新”潟の新から。誠実で芯が強く、かつスタイリッシュな現代的日本男児をイメージしたネーミングは、品質への自信やブランドとしての意志の強さを表現しています。
他県においても新品種の開発が進む米市場。今やお米は品種やブランドを選んで食べる時代になってきています。米づくり玄人の新潟県が満を持して投入した新之助の味わいを、ぜひ食卓へ取り入れてみてはいかがでしょうか。
新之助についてもっと詳しく知りたい人はこちらもご覧ください。
http://shinnosuke.niigata.jp/
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