旅するモデル・斉藤アリスが、雄大な紅葉風景を求め、新潟・妙高へ。
今回ご紹介するのは、標高1300メートルに広がる天空の楽園〈笹ヶ峰高原〉や、落差55メートルのダイナミックな〈苗名滝〉、赤く色づく山々に囲まれた野天温泉〈黄金の湯〉、ミシュランガイド新潟2020特別版に掲載された湯宿〈旅館おかやま〉。
心の琴線に触れる美しい紅葉狩りの旅へご案内します。
(新潟の紅葉スポット・見頃情報はこちら)
Profile 斉藤アリス
雑誌『Hanako』(マガジンハウス)などでライターとして活躍。世界のカフェめぐりをまとめた本『斉藤アリスのときめきカフェめぐり』(エイ出版)を著書に持つ。
天空の楽園〈笹ヶ峰高原〉で森林セラピー&紅葉狩りへ
10月上旬、妙高の山々が色づき始める頃。
曲がりくねった山道を抜け、車から降りると、圧倒的自然が織りなす壮大な空間がお出迎え。
標高1300メートルの高所に位置する〈笹ヶ峰高原〉は、日本百名山である妙高山をはじめ、標高2000メートル前後の山々に囲まれた絶好の紅葉スポットです。
眼前に広がる芝生には丸いフォルムの広葉樹が点在しており、パッチワークのように色とりどりの表情を見せてくれます。
足元には幾重にも重なった落葉の絨毯が広がり、踏み締めるとふかふかした感触が気持ちいい。
シートを広げてピクニックするのにも最適な場所です。
色づきはじめの黄色いカエデからグラデーションしたカエデ、赤く染まったカエデが混在しており、まるで油絵のような景色が広がります。
アリスのフォトジェニックポイント
お気に入りのカエデの葉を見つけたら、フォトプロップスに見立てて撮ってみて。
笹ヶ峰高原にはさまざま散策路があり、それぞれの箇所で豊富な自然を楽しめるのが魅力。
今回は松ぼっくりが転がるドイツトウヒの森を抜けて〈清水ヶ池〉を目指します。
Check!
山登りではないので軽装でOK。比較的涼しいので羽織りものは用意しよう。
笹ヶ峰高原の遊歩道は〈森林セラピーロード〉と呼ばれるほど、ヒーリング効果があるといいます。
多少のアップダウンがあるものの、足取りは軽く、日頃の疲れがだんだん癒えていくのを実感。
足元から頭上まで秋色に染まった自然を堪能しながら、森林浴を楽しみましょう。
静寂に包まれる〈清水ヶ池〉は見惚れる美しさ
15分ほど歩くと、だんだん道が開けてきました。
木々の隙間から覗くのは、目的地である清水ヶ池。
日の光がスポットライトのように池を照らし、絵画のようなその光景に思わず目を奪われます。
雲から顔を覗く妙高山が存在感を放っています。
池が水鏡になって風光明媚な景色を映し出しており、その美しさにいつまでも眺めていたくなるほど。
紅葉はもちろん、妙高ならではの魅力をたっぷり味わうことができる清水ヶ池。
時間を忘れさせてくれるような、おだやかな場所でした。
400グラム越え!? 名物ジャンボステーキを〈笹ヶ峰グリーンハウス〉で
清水ヶ池を後にし、スタート地点にある〈笹ヶ峰グリーンハウス〉でランチタイム。
往復30分歩いたので、お腹の空き具合も最高潮に。軽く3人前ほどありそうな、名物ジャンボステーキをいただきました。
やわらかくてジューシーな、新潟県産牛の極上ステーキ。甘辛い特製ダレはご飯がすすみます。
笹ヶ峰高原には牧場も併設されており、妙高の山並みと広大な自然の中で悠々と歩く牛の光景は、ヨーロッパさながら。
どこを切り取っても紅葉のパノラマが楽しめる笹ヶ峰高原に、心も体も癒やされてみては。
Information
落差55メートルのダイナミックな〈苗名滝〉へ
笹ヶ峰高原から車で25分ほどの場所に、日本の滝100選に選ばれた〈苗名滝〉があります。
新潟県と長野県の県境を流れる〈関川〉にかかる滝で、岩の割れ目から水しぶきを上げながら勢いよく直下する様子は見応えたっぷり。
轟音を上げることから、地震滝とも呼ばれています。自然のパワーと美しさを感じることができました。
紅葉シーズンになると、岩壁につたう葉や周辺の木々が赤く染まり、絶景が広がります。
澄み切った空気を胸いっぱいに吸い込みたくなる、荘厳な苗名滝は一見の価値ありです。
Information
赤く色づく山々に囲まれた野天温泉〈黄金の湯〉
燕温泉〈黄金の湯〉は、妙高山の登山口付近にひっそりある無料の野天温泉。
温泉街から急勾配な登り坂を5分ほど歩いたところにあり、紅葉シーズンになると黄金の落葉があたり一面を彩ります。
青みがかった乳白色で、源泉100パーセント掛け流し。
赤く染まった山々を眺めながら、湯の花が舞う黄金の湯で、歩き疲れた体を芯からほぐそう。
Information
旅の締めくくりはアットホームな〈旅館おかやま〉で
妙高の大自然と紅葉をたっぷり堪能したら、ミシュランガイド新潟2020特別版に「快適な旅館」とされている2つ星で掲載された赤倉温泉〈旅館おかやま〉へ。
通路のほとんどが畳敷きで、素足に心地いい館内。なんだかほっとするお宿です。
夕食は新潟の新鮮な地魚やブランド牛など、海の幸、山の幸をいただきます。
煮物や揚げ物、焼き物、蒸し物と、料理のバリエーションに富んでいて、質はもとよりボリュームも満足いく内容です。
どれから食べるか迷うほど、次から次へと女将自慢のお手製メニューが登場。
料理に合う新潟の日本酒も見繕ってもらえます。
旅の思い出話に花が咲く、すてきなひと時を過ごしました。
Information
新潟・妙高の紅葉を、さまざまなかたちで楽しめた今回の旅。大自然の中で色づく紅葉はどれもたくましく壮観で、圧倒的パワーを与えてくれました。紅葉セラピーってあるのかも? 癒やされたい人、たしかめに行かれてみては。
※新型コロナウイルスの影響により、営業時間の変更や臨時休業の場合がございます。あらかじめ、各観光協会にご確認ください。訪れる際は感染対策をお願いします。
credit model:斉藤アリス photo:ただ(ゆかい)
text:藤田佳奈美