見学場所のオススメは、右岸の手頃な有料席
地元の人は、家のベランダから、屋根に登って、〈ウオロク〉や〈原信〉(新潟県発のスーパー)の駐車場や、見通しのいい田んぼのあぜ道からなど、開催期間の2日間は、長岡のどこからでも花火を見ようとする。
けれど、私のお気に入りは、なんといっても事前抽選の有料席。有料席から見る花火は、道端で見るそれと、まったく異なる体験を与えてくれる。
高い席は数万円するけれど、3000円程度のリーズナブルなものが、じつは一番臨場感にあふれている気がして大好きだ。穴場的にオススメしたい有料席は、煙の風下になりやすく、駅からのアクセスがよい、駅側の大手大橋と長生橋の間の「右岸ベンチ席」または「右岸マス席」。
長岡花火は、例年何十万という人が集まるので、花火終了後は徒歩も車道も激混みだけれど、この場所からなら長岡駅までの帰り道が、比較的混んでおらず進みやすい。
今は見られなくてさみしいけれど
そんな長岡花火も、新型コロナの影響で、2020年、2021年と開催が見送られた。今は思いつきで新幹線に飛び乗ることが難しい世の中だけど、来年は開催されるといい。
もし、来年長岡花火を見られるなら、〈青島食堂〉で「長岡生姜醤油ラーメン」を食べて、長岡駅前の〈GOOD LUCK COFFEE〉でこだわり焙煎のコーヒーをテイクアウトして、ゆっくり花火前の夕暮れと夏の田んぼの美しい青々とした景色も合わせて堪能したい。
もし宿泊もできるなら、夏の新潟ドライブも楽しんで、足を延ばして岩室温泉エリアの築120年の古民家レストラン〈灯りの食邸 KOKAJIYA〉でランチもいいな。
来年は、大切な人と一緒に、もう一度あの感動を味わうんだ。やっぱり、長岡花火のない夏なんて、本当の夏じゃない気がしてしまうから。正直、長岡花火のない年は、どんなにほかの日々が楽しくても、埋められないさみしさみたいなものを抱えずにはいられなかった。
この気持ちは、長岡出身者でなくても、幼い頃から毎年見続けていなくても、一度長岡花火を堪能したら、共有できるものだと思うのだ。来年の夏は、長岡花火を見ながら過ごす夜を、ぜひ。
(あ! 繰り返しになりますが、有料席の事前抽選は、通常5、6月頃から始まるので、長岡花火公式サイトまたは公式SNSなどからの発信を、お見逃しなく)
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Profile 伊佐知美さん
新潟出身の編集者・ライター・フォトグラファー。日本一周、世界二周、語学留学しながらの多拠点居住など「旅×仕事」の移動暮らしを経て日本に帰国。移住体験者の声をまとめた『移住女子』著者でもある。三度の飯より旅が好き。
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