なかなか旅行に行けない日々が続いていますが、旅の上級者たちは、新潟をどう旅してきたのでしょうか。3人の旅の達人たちが、思い出深かった新潟旅を綴ります。第1回は、旅作家・ドローンアーティストのとまこさん。ドローンを駆使した、上空からの迫力ある画角の写真は、SNSでも大人気。そんなとまこさんが2018年の夏に行った佐渡の旅を振り返ります。
超爽快! とまこドローンの佐渡の楽しみ方
佐渡の海はとにかく青い。そして地形がめちゃくちゃかっこよくって、海辺の道をドライブしているだけで超爽快、なんかワクワク、超楽しい! 個人的には萌え萌えです。また、必ず再訪したい絶景民宿もあるから、チャンスがあればいつでも行こうと思っているんです。そもそも佐渡は日本で一番大きな離島で、1回2回行っただけではぜんぜん足りないんですよね。あなたもいいタイミングがやってきたら、ぜひとも佐渡でワクワクしてきてくださいね。
港でズズズ。佐渡の伝統食材「ナガモそば」から旅はスタート
佐渡に渡るには、新潟港から佐渡汽船の船に乗ってくださいね。〈ジェットフォイル〉というなんかかっこいい名前の高速船なら1時間強で到着です。これ、ちょっと水面から浮かんで進んでるらしいんですよ。船の領域を行く飛行機みたいな感じでしょうか。いや、魚の領域にいる鳥風の生き物「とびうお」の存在に近いのかな。いやいや、一番近いのは3ミリ浮いて歩いている設定のドラえもんですかね。ともあれ、すごいシステムの船があるものです。佐渡旅行には到着する前からエンターテイメントがついてきていいなあ。
さて、佐渡の両津港に到着したら、まずは港のお蕎麦屋さん〈両津待合室食堂〉で佐渡名物「ナガモ」の蕎麦(610円)で景気づけはいかがですか?
ナガモは、一般的には「アカモク」とよばれています。鮮やかな緑が美しく、ねばねば食感が特徴的な海藻です。おそばにねっとり絡みついて食感がとってもクセになる〜。食物繊維が豊富に含まれており、美容と健康にとってもいいというから、食べないわけにはいきません。
旅の初めに、土地に根づくミラクル食材をおいしくいただくのは気分のいいスタートです。
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やっぱり新潟はお米の国
さあ、港前のレンタカー屋さんで車をゲットしてドライブにでかけましょ。港と反対側の海岸線にある景勝地、尖閣湾に向けて走り出し……すぐにドキドキしてきました。だって、なにこの青!? 海が青すぎて驚いちゃいました。
青いなーすごく青い。でも沖縄など南国の青とはまた違う種類に感じられるから不思議。ここの青は真正面からの青、ザ・ブルー。対して南国の青はコバルトブルー、ターコイズブルーだと勝手に納得しています。原因はなんなんだろうとひとしきり考察しながら運転しましたが、「青」について延々考えるとか、旅ならではの贅沢でしょ。
さらに尖閣湾方面に近づいてきて気づく、この海の青さと田んぼの緑とのコントラストよワンダホー! ぴっちり丁寧に手が入り区分けされた田んぼのラインと、自然剥き出し不規則ガタウネな海岸線。これは佐渡ならではの絶景かなと、ハートをガシッと掴まれます。
佐渡の廃工場は、ほぼラピュタ!
やってきました、〈北沢浮遊選鉱場〉。日本で初めて金銀鉱石をほかの成分から取り出すために浮遊選鉱法を採用した、昭和初期の施設です……て、なんのことやら。正直、浮遊選鉱法とかぴんときませんが、そんなことよりこの見た目のインパクトよ!
眩しい緑の芝生の広場にドーン。秘密組織がつくったような謎の形の巨大な施設。それがいい具合に植物に席巻された情景は、ほとんどラピュタです、バルス! アニメの世界に連れ込まれたような、タイムスリップしちゃったかのような。現実のものとは思えない、不思議な世界を見上げていると、あっという間に30分が経過。なんて魅力なところでしょう。時空の歪む感覚を、どうぞお楽しみください。
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ガッタガタの地形に惚れる、尖閣湾の夕焼けはまるで宇宙の出来事
さぁ、夕焼けはがっつり西の空を臨む海、尖閣湾に戻って拝みましょ。
まるで宇宙の出来事です。空も海も大袈裟なほど、赤黒く染まって、このままあのまぶしい太陽に吸い込まれてしまいそう。
あぁすごかった。赤い儀式が終わるとふーっとひと息。尖閣湾にある漁港の防波堤に登って、風に吹かれてみるのです。興奮した後の肌感はすごく敏感で風がとってもきもちいい。目線はなんだかやさしくなって、浮きのオレンジの○も、ケースの青い□も、その配置すら、全部がおしゃれに見えてきます。太陽が沈んだ祭りの後みたいなこのひとときが、とっても心地よかったりするんですよね。