駅ナカ・駅チカの名店で
昼から酒を飲む
新潟にやってきたものの、実はまだそんなに日本酒を飲んでいないので、昼から飲んでしまいたい。そんなときにちょうどいいのが、新潟駅の中にある〈ぽんしゅ館〉である。

ぽんしゅ館とは、その名の通り「日本酒がたくさん飲める館」だ。受付で500円を支払うと5枚のコインとおちょこが渡される。店内は壁一面が日本酒の自販機で埋め尽くされている。銘柄はいくつあるのだろう、100近くはあったかもしれない。

自販機におちょこをセットして、コインを入れると日本酒が注がれる。コイン1枚で1杯のお酒もあれば、コイン2枚で1杯のお酒もある。なかには3枚を消費する高級なお酒もあったりする。手頃なものを5杯飲むか、ちょっといいやつを入れて2〜3杯飲むか。そのあたりを考えつつ日本酒を選ぶのも楽しい。
コインを使い果たしたら、隣の売店でおみやげを見てみよう。ここには新潟中のお酒とつまみ、酒に関する小物が集まっている。帰り際に慌てないように、ここで買っておくか、当たりをつけておくといい。
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ぽんしゅ館は人気なのでけっこう混んでいる。そのせいか店内はとても暑い。となると、やっぱりビールが飲みたくなってくる。せっかくなのでいろんなお酒が飲みたい。
駅を出てすぐのところにある〈長谷川屋〉に行こう。ここは多種多様なお酒を置いている地元の酒屋さんで、角打ちもやっている。

日本のみならず世界のクラフトビールや、国内のマニアックなクラフトジンなども揃えている。広々としたカウンターで、店員さんにいろいろ聞きながら飲めるのがありがたい。

まずはクラフトビールを飲んで、それからジンをソーダ割りでいただいた。クラフトジンは角打ちで飲んで気に入ったものを買って帰った。いろいろ買い物もしているので、すでにバッグはパンパンである。
長谷川屋の品揃えは相当すごいと思う。近所にあったら最高な酒屋さんだった。
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意外なおいしさで
毎回食べているB級グルメ
新潟に来たら、「イタリアン」を食べよう。このイタリアンとは、もっちり太麺の焼きそばにたっぷりのミートソースをかけた、いわゆる新潟におけるB級グルメ的なものである。これを出しているのが〈みかづき〉というレストラン。さっきの長谷川屋から歩いて10分くらいのところに〈みかづき 万代店〉がある。

焼きそばに、ミートソース。とんでもない味を想像してしまうが、これが意外にも、ものすごくうまいのだ。少なくともぼくは大好きで、新潟に来たら必ず食べてしまう。癖になる味だ。

関東のお店では食べられないし、自分で焼きそばを焼いてミートソースをかけても、このイタリアンのようにはならない。それは食べてみるとわかる。麺がけっこう独特なのだ。
サイズは小ぶりで、値段も420円〜と安いので、おやつ感覚で食べてみるといい。たぶん多くの人がハマると思う。ほどよいB級感と、ちゃんとしたおいしさ。こういうのって旅先だとすごくうれしい。
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“上古町の百年長屋”〈SAN〉
万代からバスで「古町(ふるまち)」という歴史あるエリアへ。古町はかなりの長さがある商店街でもある。地元出身の漫画家・水島新司さんが描いた作品のキャラクター銅像が並ぶ。山田、岩木、殿馬など『ドカベン』のキャラのほか、『あぶさん』や『野球狂の詩』も。写真を撮らずにはいられない。

そんなドカベンロードを西に進み、白山神社の手前までくると、“上古町の百年長屋”〈SAN〉がある。ここはまちの観光案内所的な場所であり、いろんな体験ができる複合施設。カフェがあり、イベントスペースがあり、自転車も借りられる。とりあえず寄っておこう。

1階のカフェ〈喫茶UKIHOSHI〉で、コーヒーやお茶を飲む。一緒に出てくるお菓子が、このカフェの名前にもなっている「浮き星」だ。新潟で長く愛されてきた伝統菓子をリブランディングして、生まれ変わらせた。金平糖に似たお菓子で、そのまま食べてもおいしいし、砂糖の代わりにコーヒーに溶かすのもいい。これが楽しめるのも〈SAN〉ならでは。行ってみたら何かがある場所、それが〈SAN〉だ。

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〈SAN〉でゆっくりしたら、そのまま荷物を置いて、すぐ向かい側にあるセレクトショップ〈hickory03travelers(ヒッコリー)〉へ。ここは本当にセンスがいい。商品を眺めているとどんどんほしいものが現れる。オリジナルの商品と新潟県内の良いものを集めているので、きっと気に入るものが見つかるはず。ぼくはスウェットを買ってしまった。イエティの刺繍がとにかくかわいい。

築90年の元酒屋の建物を活用したショップ。2階に続く階段がめちゃくちゃ急なのでぜひ登ってみてほしい。ヒッコリーの代表はデザイナーであり、〈SAN〉の館長でもある。この向かい合うふたつの空間は魅力的なデザインでつながっている。
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せっかくだから上古町の先にある白山神社と白山公園も訪れたい。白山神社の鳥居をくぐると、その奥には白山公園という広い公園が広がっている。敷地には、たくさんの神社が点在していて、それらをひとつひとつたどるのがほどよい散歩コースだ。
バスで新潟駅に戻ったら1泊2日旅行も終わり。クルマを借りなくても、新潟駅周辺は徒歩+バスの移動で十分いける。古いけどきれいなまち並みを食べ歩き、カフェで休み、隙あらばお酒を飲む。そんなだらだらした2日間を思いっきり楽しめるのが新潟駅のいいところだ。
特に予定のない週末があったら、ふらっと新潟駅まで行ってみてほしい。きっと「新潟ってつかえるなあ」と思ってもらえるはずだ。
Profile narumiさん
LINE NEWS、BuzzFeed Japanエディターなどを経て、現在はnoteのディレクターを務める編集者。個人ではダイエットやグルメなどについて発信し、『やせたいならコンビニでおでんを買いなさい』(日経BP)などの著書やポッドキャスト「ドングリFM」など幅広く活動している。全国旅をしているが、新潟はお気に入りのひとつ。narumi Xアカウント|@narumi ドングリFM Xアカウント|@dongurifm