日本酒ひとりあたりの消費量も全国1位。日本酒と言えば新潟! というイメージを持たれている方も多いのではないでしょうか? そんな新潟ですが、実は日本のクラフトビール発祥の地でもあるのです。
それだけではありません。世界で最も権威のあるビール審査会で、「ビールの五輪」とも呼ばれる「ワールドビアカップ」や、〈日本地ビール協会〉が主催し、世界で3番目の歴史を持つ「インターナショナルビアカップ」など、「世界五大ビール審査会」と呼ばれるビールの世界大会で多くの賞を受賞している醸造所が新潟にはたくさんあります。
今回は世界のビール品評会でも高い評価を受けている、新潟のクラフトビール醸造所を3つご紹介します!
日本最初のクラフトビールメーカーにして「ワールドビアカップ」日本勢初受賞〈エチゴビール〉
1994年、規制緩和による酒税法改正を受け、ビール製造免許を取得するために必要な最低製造量が大きく引き下げられました。これを受けさまざまな企業がビール醸造に乗り出し、日本にクラフトビール(地ビール)が生まれることになりました。
そんな日本のクラフトビール黎明期において、日本で初のクラフトビールメーカーとなった醸造所が新潟の〈エチゴビール〉です。
〈エチゴビール〉は日本のクラフトビール第1号であるだけでなく、国際的なビールの審査会でも多数の賞を受賞する実力もあわせ持っています。
例えば、1996年に第1回が開かれた「ワールドビアカップ」では日本メーカーで唯一、〈エチゴスタウト〉が銅賞を受賞しました。「ワールドビアカップ」は“ビールの五輪”と呼ばれる世界最高峰のビール審査会です。
最近では2018年に「ニューヨーク・インターナショナル・ビアコンペティション」で〈プレミアムレッドエール〉が金賞、〈フライングIPA〉と〈こしひかり越後ビール〉が銀賞を受賞したほか、部門賞の「今年のレッドエール醸造所」も受賞しています。
レッドエールとはアメリカ発祥のエール(上面発酵ビール)で、アメリカン・ホップを使用しホップ由来の苦みと柑橘系の香りがするビール。提携オンラインショップからの購入が可能です。
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受賞したメダルの数は135個!「ワールドビアカップ」日本勢初金賞受賞〈スワンレイクビール〉
1997年創業の日本でも老舗のクラフトブルワリーのひとつ〈瓢湖(ひょうこ)屋敷の杜ブルワリー〉。
醸造所の名前となった「瓢湖」は、醸造所がある新潟県阿賀野市にある江戸時代につくられた用水地です。この湖は、冬には5000羽を超える白鳥が訪れることで有名で、ビールのブランド名〈スワンレイクビール〉もそこから名づけられました。
同社の〈ポーター〉は、2000年に開かれた「ワールドビアカップ」で、日本メーカー初となる金賞を受賞し、2006年にも再び金賞を受賞しました。ポーターとは18世紀のロンドンで生まれたエールの一種で、荷役運搬人(ポーター)に好まれたことからこの名がつきました。
2019年から始まった「ジャパン・グレートビア・アワーズ」でも2年連続で金賞を受賞するなど、〈瓢湖屋敷の杜ブルワリー〉はこれまでに国内外におけるビール審査会で金・銀・銅合わせて135個(2020年3月現在)のメダルを獲得する日本を代表するブルワリーです。
直営のオンラインショップ(楽天)から通販可能。〈スワンレイクビール〉は東京でも直営パブ〈Pub Edo〉など数店舗を展開しています。
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世界的審議会に5年連続受賞! 第1回「ジャパン・グレートビア・アワーズ」では金賞受賞〈妙高高原ビール〉
夏は避暑地として、冬はウインタースポーツや温泉が楽しめるなど、観光資源が豊富な妙高高原。越後富士とも呼ばれる妙高山の天然水と、厳選されたヨーロッパ産の原料で仕込んだクラフトビールが〈妙高高原ビール〉です。
ビールを通じて妙高高原の魅力を伝えるべく、クオリティの高いビールをつくっています。
2016年からビール審査会へのエントリーを開始。「インターナショナルビアカップ」では初参加で〈ピルスナー〉が銅賞、〈ヴァイツェン〉と〈ダークラガー〉が銀賞を受賞。以後4年連続で受賞し続けています。また、第1回「ジャパン・グレートビア・アワーズ」では〈ヴァイツェン〉が金賞に。定番3銘柄ともに「インターナショナルビアカップ」などの審査会で金賞を受賞し、国内外から非常に高い評価を受けている醸造所です。
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credit text:三矢英人