新潟のつかいかた

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銘酒と一緒に楽しみたい
新潟アイテム3選 Posted | 2019/06/29

新潟で見つけたちょっとすてきなモノ=「ガタモノ」をご紹介。手元に置きたい、誰かにあげたい、そんな新潟のモノが見つかるかも。2回目も「新潟のつかいかた」のSNSに登場する編集アシスタント猫「ねこち」の私物からご紹介。新潟といえば酒どころですが、銘酒と一緒に楽しみたい“つかえるアイテム”を3つ選びました。

「お酒の階級が上がる」ぐい呑み

熱伝導率の高い銅・錫メッキのぐい飲みは、made in 燕三条。描かれている雪男は〈鶴齢〉で知られる酒蔵・青木酒造の銘柄。雪男ぐい吞み(青木酒造株式会社|www.kakurei.co.jp

うつわ次第でお酒の味が変わる、という話を聞いたことはありますか。口径が広いと香りが立ち、すぼまっているような形状だと味わいが引き立つという説もあり、厚さや材質など、お酒の個性によって酒器を使い分ける人もいるほどです。中でも錫(すず)製のぐい呑みは、熱伝導率が高く風味を損なわないほか、お酒の味わいがまろやかになり「お酒の階級がひとつ上がる」と感じる人もいるとか。マイお猪口としてひとつは手に入れたいところですが、お値段もそれなりに張ってしまうため、敷居が高いのが難点です。

〈雪男〉は、魚沼の〈青木酒造〉が手がける銘柄で、淡麗辛口の日本酒です。江戸後期の雪国暮らしを書いた『北越雪譜』にて、道に迷った旅人を道案内した「異獣」のエピソードにちなんで命名され、同酒の売り上げの一部は南魚沼市の山岳事故防止活動資金として寄付されています。毛むくじゃらでユーモラスな姿で描かれた雪男が印刷してあるぐい呑みは、同じく熱伝導率の高い銅に、錫メッキを施した「made in 燕三条」。手が届きやすいお値段で、おいしいぐい呑み体験が楽しめます。

お酒のあてにもぴったりな保存食

佐渡島の豊かな食材を保存食にしたごぼうのジャム。上記インスタグラムのスライド4枚目は季節限定のフキノトウのチーズオイル漬け。ゴボウトユズミソ Sサイズ(HOZON|ho-zon.jp

お酒のおつまみにちょっと変わった「ジャム」はいかがでしょうか。植生豊かな美しい島として世界からも注目され始めている佐渡島で採れた、旬の食材を保存食にしている〈HOZON〉の〈ゴボウトユズミソ〉は、郷愁を誘うなつかしい味わいが楽しめる一品です。

ユズと味噌で甘く炊き込まれた具だくさんのごぼうは旨みがたっぷり。ジャムなのでパンに塗るのはもちろんのこと、おにぎりにも合いそうですが、辛口の日本酒を傾けながら、小さなさじでジャムそのものをなめるのも良さそう。

上記インスタグラムのスライド4枚目に載せた〈ふきのとうのチーズオイル漬け〉のほか、シラスのアンチョビやスパイストマトケチャップなど限定の保存食も取り扱っているので、気に入った方はこまめにチェック。デザインもかわいらしく、手土産にも喜ばれそう。〈HOZON〉は2018年に工房を東京の清澄白河にオープンし、イートインスペースも併設しています。

脱深酒! 足るを知るからくり酒器

杯の8分目以上にお酒を注ぐと、底の穴から流れ出てしまう長岡伝統の酒器。「満つれば欠く」という教えがある。枡十分杯 知足(長岡大学權五景ゼミナール|www.nagaokauniv.ac.jp

酒どころとしても知られる長岡市で、ことの節目に配られる「十分杯」という器があります。これは、器の8分目以上にお酒を注ぐと、サイフォンの原理で底の穴から流れ出てしまうという仕掛けがついたからくり酒器。

「満つれば欠く」というメッセージとともに、長岡藩3代目藩主の牧野忠辰が広めたもので、「地位高ければ傲りやすく心ほしいままなれば悔い来る」「物の理(ことわり)皆爾(しか)り十分杯を観よ」と説いたといいます。写真の〈枡十分杯 知足〉は、長岡大学權五景ゼミナールの学生によって地域活性化プログラムの一環として〈長岡歯車資料〉館長内山弘さんの指導のもと開発したもの。おいしいお酒がすすみすぎてしまいそうなとき、役に立ちそうなガタモノです。

GATAmonogram

おいしく、そして楽しく過ごしたいお酒の席。こだわりの酒器やおつまみが揃えば、宴の思い出もグッと深まりそうです。器やおつまみ、そして日本酒。あなたがこだわりたいガタモノは見つかりましたか。