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〈異人池建築図書館喫茶店〉でひと休み
そろそろティータイムでひと息つきたいところ。次に後藤さんが案内してくれたのは、マリンピアから海を眺めながら歩くこと約20分。映画のロケ地となったことでも知られる「どっぺり坂」を下ると見えてくる〈異人池建築図書館喫茶店〉です。
実はこちら、建築事務所がオフィスを一部開放して始めたというカフェ。店内には、自分だけの本棚を持てる「一箱オーナー本棚」がずらり。各オーナーの個性あふれる愛読書は、眺めているだけで楽しく、あっという間に時間が過ぎていきます。
「いろんなジャンルの本があるので、アイデアに詰まったときなど、インスピレーションを求めてよく来ます。スイーツもすごくおいしいんですよ」
さっそくスイーツを注文してみる参加者も。
「どれにしようか迷いましたが、“けんちくプリン”という名前に惹かれて頼んでみました。口溶けがなめらかで濃厚。すごくおいしかったです。市内に住んでいますが、こんなすてきなカフェがあることを知りませんでした」と大満足の様子。
店舗は〈砂丘館〉(旧日本銀行新潟支店長役宅)や〈北方文化博物館 新潟分館〉といった文化施設が点在する西大畑エリアに位置。まちの閑静な雰囲気そのままに、静かで落ち着いた店内は、居心地がよくつい長居してしまいそうです。
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古町の老舗書店〈萬松堂〉で、
旅の思い出の一冊を選ぶ
ツアーの締めくくりは、創業150年の歴史を持つ、古町の老舗書店〈萬松堂〉へ。後藤さんはここで、ツアー参加者に旅の思い出となる“一冊”を探すことを提案。
「インスピレーションで選んでみてください。本を見るたびに、今日のツアーを思い返すことができるので、思い出づくりにおすすめです」
「旅の記憶を本に留める」という後藤さんのアイデアで、参加者は、雑誌や小説、エッセイなど、思い思いの本を購入。そして、なぜその本を選んだのか、ひとりひとり理由を発表することで、旅で感じた思いをみんなで共有できる時間となりました。
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古町にあるカジュアル割烹
〈茶はん〉で乾杯!
ツアーの打ち上げは、後藤さんが一度訪れてみたかったという古町のカジュアル割烹〈茶はん〉へ。こちらはすぐ裏手にある老舗料亭〈割烹金辰〉の姉妹店。料亭の味を気軽に楽しめるとあって若い人たちにも人気です。
ツアーを終えて、参加者のみなさんに感想を聞いてみると、
「1日でこれだけ楽しめることに驚きました。“歩いて回れる距離”と、場所を限定することで、新潟市を別の視点で見ることができ、有意義な時間でした」
「知っている場所も、後藤さんの視点で歩くことで、違って見えました」
「今回の旅を友だちと共有して、もっと市内を歩いてみたいと思いました」
など、それぞれに新しい発見があったようです。
後藤さんは、新潟市の魅力は「背伸びしないところ」だといいます。
「『新潟市は何もない』とよく言われますが、それでいいと思っています。この背伸びしないところが、このまちの良さであり強み。今回のように、地元の人たちの日常のなかに、魅力的なスポットがたくさんあります。いろんな角度から新潟市を楽しんでもらえたらなと思います」
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credit text:矢島容代 photo:今井達也