新潟のつかいかた

spot-outdoor-003-paged3

海抜0メートルから山頂へ!
新潟の花々が一堂に集う
“花の山”トレッキング | Page 3 Posted | 2019/11/22

オールシーズン楽しめる「花の山」

頂上に着いてもし体力に余裕があれば、ぜひ、もう少し歩いて越後平野が見渡せる〈観音堂〉へ。灯台コースからは逆方向になるので、頂上から少し反対側へ下りる必要があります。

〈観音堂〉へ向かう
山里さんは文字通り「朝飯前」に角田山に登ることもあるそう。

〈観音堂〉の前には越後平野を見渡せる広場があり、ベンチもあるので休憩にはぴったりです。新潟といえば米どころ。この越後平野の景色は春は田んぼに水を張った水鏡のきらめき、夏は青々と茂る緑の絨毯、そして秋は黄金色に輝く稲穂が果てしなく続くそう。角田山は低山ながら、四季の草花、海、田んぼと、新潟ならではの自然をここ1か所で感じられるスポットなんです。

越後平野を見渡す
天気が少し残念でしたが、見渡す限りの田んぼが広がります。
コーヒー
〈観音堂〉の前は火気厳禁のため、サンドウィッチと自宅で淹れてきたコーヒーでパワーチャージ。同じメニューでも外で食べると、不思議とよりおいしいですよね。

山里さんが感じる登山やトレッキングの魅力は、やはり自然なんだとか。

「なんといっても、まちでは感じられない四季の移ろいや自然を感じられるところが魅力ですね。秋から冬にかけては落ち葉がフカフカして、歩くのが楽しいですよ。特に角田山は春のカタクリや雪割草が登山道を彩る光景が、本当に見応えがあります」

山の魅力を語る山里さん
秋らしいススキを背に、山の魅力を語る山里さん。

そう、海だけではない、角田山のもうひとつの魅力。それが「花」です。佐渡弥彦米山国定公園に指定されている角田山は、通称「花の山」と呼ばれるほど山野草の宝庫。新潟の山々に自生する草木のほとんどを見ることができるといわれています。特に毎年春の到来を告げる雪割草やカタクリの花が咲き誇る様子は、新潟県外からの登山客やカメラマンも数多く訪れるほどです。

カタクリの花
登山道を彩るカタクリの花。開花は3月中旬~4月中旬。(写真提供:高田佳彦)
桜
コースによっては桜も見られる。(写真提供:高田佳彦)

ほかにも春はミズバショウやツバキ、初夏のイワユリ、夏のキツネノカミソリやアジサイ、秋のリンドウや広葉樹の紅葉……。四季折々の豊富な植物が、登山者の目を楽しませてくれる角田山。コースを選べば冬でも登ることができるので、オールシーズンで自然を堪能できる山なのです。

春の登山道
夏の登山道
秋の登山道
上から春、夏、秋と装いを変える登山道。(写真提供:高田佳彦)

それでは、十分に休んで体力の回復を実感したところで下山へ!

下山中
帰りも気が抜けません。特に下りは足への負担が大きいので要注意。

勢いに任せず、帰りも小股で1歩ずつ。慎重に進んで、下山は約1時間でゴール!

無事スタート地点へ
山の頂上から、波打ち際まで戻ってきました!

「角田山はコースバリエーションが豊富なので、初心者から上級者まで楽しめます。簡単な登山コースなら、小学生ぐらいの子どもでも登れるから、ファミリーにもおすすめしたいですね」

海を背にし一枚
登山後とは思えない、海を背にした一枚。

角田山の周囲には日帰り湯施設があり、近くには岩室温泉もあります。パワースポットとして有名な彌彦神社、新潟の地魚が集まる“魚のアメ横”「寺泊 魚の魚市場通り」など、さっと汗を流した後に立ち寄れる観光スポットも豊富です。新潟の山々に自生する草花のほとんどを観察できるという花の山へ。ぜひ訪れてみてください。

Information

【角田山】

address:新潟県新潟市西蒲区

tel:0256-72-8454(新潟市西蒲区役所産業観光課観光交流・商工室)

access:JR弥彦線・越後線 巻駅で下車。駅前発のバスで、約10~40分程度(登山口により異なる)。
(クルマの場合)北陸自動車道「巻潟東IC」より車で30~40分程度(登山口により異なる)。

web:角田山|新潟市ホームページ

credit text:丸山智子 photo:中田洋介