新潟のつかいかた

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歴史ある鮭のまち・村上で
多くの釣り人たちを魅了する
サーモンフィッシングに挑戦 Posted | 2021/11/26

調査としてのサーモンフィッシング

南北に長い新潟県の最北端に位置し、山形県に接する村上市。古くは約1000年前、平安時代に鮭を朝廷に献上したという記録が残されていたり、江戸時代に世界で初めて鮭の自然ふ化増殖を成功させたりと、鮭を特別な魚として大切にしている“鮭のまち”として知られています。

軒先きで干されている鮭
鮭に塩を塗り込み、長期間干して完成する加工品「塩引き鮭」。軒先に吊されている姿は、村上の冬の風物詩です。(写真提供:一般社団法人 村上市観光協会)

そんな村上市では、鮭の生態調査を三面川(みおもてがわ)で行っています。〈三面川鮭産漁業協同組合〉では、鮭の捕獲や販売をするだけでなく、放流や人工ふ化、飼育などにも取り組んでいます。

また地域活性や鮭の増殖につながる調査を目的として、2018年から始まった「三面川鮭有効利用調査」により、事前に登録すれば誰でもサーモンフィッシングを楽しむことができるようになりました。

案内してくれたのは、三面川鮭産漁業協同組合 代表理事組合長の佐藤克雄さんです。

三面川鮭産漁業協同組合 代表理事組合長の佐藤克雄さん
アラスカやニュージーランドなど、釣りのために海外に出向くほどの釣り好きである佐藤さん。釣り歴はなんと60年以上!
三面川で釣れた鮭
三面川で釣れた立派な鮭。

川で生まれて海へ出て、産卵のためにまた生まれた川に帰ってくる「母川回帰」の習性がある鮭。今回は産卵のために三面川へ戻ってきた鮭を狙います。

サーモンフィッシングの応募期間は8月中、釣れる期間は産卵期で遡上する時季である10~11月の2か月間。全国的にも珍しいこの取り組みは人気が高く、基本的には事前申し込み制の抽選で日程が決まります。また、一度登録すれば、空いている日ならば当日申し込むこともできるそうです(登録した年度のみ。空き状況については要問い合わせ)。

漁場に到着
河口から約1キロの地点が漁場に。のぼりを目印に進みましょう。
調査員証
受け付けを済ませると、釣りの間、身につけておく調査員証が渡されます。

装備は撥水性のあるウインドブレーカーやパンツ、長靴などが必要で、釣り針が頭に当たって怪我をするのを防ぐために帽子も必須です。さらに釣り竿とルアー、釣った鮭を捕獲するための網(タモ)を用意。鮭が食いつきやすくなるように、ルアーにエサもつけて釣るのが一般的。エサにはサンマがよく使われています。道具のレンタルやエサの販売はないので、各自で釣具屋さんへ行ってそろえましょう。

佐藤さんのルアーコレクション
佐藤さんのルアーコレクションを見せてもらいました。どれも色鮮やか!

「鮭釣りの醍醐味は、小さい仕掛けで大きい獲物を釣れること。ガッとエサに食いつく、あの瞬間は快感ですよ! 釣り方も慣れれば難しくないし、女性や子どもも釣ることができます」

佐藤さんに連れられて釣りスポットへ。いよいよサーモンフィッシング、スタートです!

タモに入った鮭

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