新潟のつかいかた

spot-report-awashima-003-kimura-ec

「何もないけど、
何かが見つかる島」で、
お魚三昧な3日間。 Posted | 2018/11/08

新潟・粟島フォト旅レポートとは…

この記事は、2018年9月に実施した2泊3日の新潟県・粟島モニターツアーの参加者による寄稿記事です。個性豊かな旅人によるリアルな新潟フォト旅レポートをお届けします!

東京から約4時間、新幹線・電車・高速船を乗り継いで、新潟県民でもあまり訪れたことのないという離島・粟島へ。オンは広報女子、オフは旅系インスタグラマーとして活動している私、木村佳那が、「お魚三昧」の島旅をレポートします。

島の子どもの伝統的な遊び〈穴釣り〉。

粟島に到着後、早速、岩がごつごつした海岸に移動して穴釣りに挑戦。穴釣りとは、枝などの棒に糸をくくりつけ、その先にオモリとつり針がついているだけの手作りの釣り具だけで楽しめるとてもシンプルなもの。岩の間や岩陰に糸を垂らして、潜んでいる魚を狙っていきます。

これだけ聞くと何とも簡単に釣りができそうな感じですが、最大の難関は餌のセッティング。餌は、ヤドカリや巻貝を現地調達します。岩場なのですぐに見つけられるものの、これを針につけるのがひと苦労。

まずは、「ごめんなさい」と心の中で言いつつ、ヤドカリの殻を石で割る。そして、家がなくなって逃げるヤドカリを捕まえて、針に刺す。普段、動く生き物に触れる機会がないので、このセッティングがかなりハードル高い。

針にヤドカリをセッティングしたら、いざ穴釣り! 岩の陰に糸を垂らし、待つこと数分。グググっという引きがあり、糸を引っ張ると…。

「釣れたー!」

粟島の子どもの伝統的な遊び、穴釣りを体験中
早速、カサゴの仲間だと教えてもらった〈ゴロバチメ〉(ムラソイの地元の呼び名。ゴロ=穴、ハチメ=メバルの総称)をゲット!

さっきまでヤドカリの殻を割るのが怖い……と都会人のようなことを思っていたが、釣れ始めるとお手の物。ヤドカリを捕まえては、糸を垂らす。時には餌だけ取られて、悔しさで闘志を燃やし、糸を垂らす。

そして、ゴロバチメや〈ギンポ〉をゲット! 初めての体験だけど、もしかしたらセンスがあるのかもしれない。

穴釣りで釣り上げたギンポ
江戸前のてんぷらでは高級品として食べられているギンポ。

味をしめて、今度は“釣り“にチャレンジ!

次にチャレンジしたのは、〈サビキ釣り〉。穴釣りより本格的な“釣り”。釣り糸に5〜6個の針がついた仕掛けを使います。針には何もつけず、オキアミを撒き餌にして待つ。

サビキ釣り
撒き餌をして、釣りチームのメンバーと一緒に、ひたすら魚を待つ。

きれいな海なので、垂らした仕掛けの近くを魚が泳いでいるのが見える。見えているのに釣れない、魚との静かな忍耐勝負が続く。

「ビビビッ」という強い引きがあって、一生懸命リールを巻く。

ビギナーズラックでアジを2匹ゲット!!

一気に釣り上げた2匹のアジ
針がたくさん付いているので、一気に2匹のアジをゲット!

釣れる快感を覚えてしまうとやめられない、釣りをする人の気持ちがちょっとだけ、分かったかもしれない。

東京にいたら体験したいとすら思わないことでも、自然の中に身を投じると普段は嫌厭してしまいがちなことも挑戦してみたくなるという不思議。

そして、粟島の海の幸を堪能!

釣ったアジを持って、今回のツアーの夕食会場である〈THE GOOD HOUR PARK AWASHIMA(通称:アワパーク)〉へ。お昼は、ハンバーガーやクラフトビールが楽しめる開放的なお店(夏季限定オープン)。

THE GOOD HOUR PARK AWASHIMA(通称:アワパーク)
日が暮れてライトアップされると大人な雰囲気のアワパーク。

昼間と打って変わって、ライトアップされたアワパークは、ムーディーな雰囲気。

虫の声、焚火の音、波の音と調和して何とも素敵な空間。静かな場所でのホッとするひととき。

心地いい雰囲気の中、たくさんの料理が運ばれてきます。海に囲まれた島ならでは、粟島近海でとれた新鮮な魚料理。

今回は、ツアーのために新潟市で活躍中の若き料理人を呼んで、粟島の新鮮なお魚でライブキッチン! という特別なディナーでした。

新鮮な鯛のお刺身(左)と、カルパッチョ(右)
新鮮な鯛のお刺身(左)と、カルパッチョ(右)も。

この日一番感動したのは、これ! ヒラメのムニエル。

ヒラメのムニエル

生クリームと塩コショウ、そして甘辛いような何とも言えない複雑で斬新な味。実は、新潟県長岡市名物〈かぐら南蛮味噌〉を使っているそう。

身近で調理の様子を見られるのはもちろんのこと、作り方や調味料などをすぐに聞けるのもライブキッチンの醍醐味! かぐら南蛮味噌は東京に戻って、早速購入しました。

新潟で活躍する、イケメンシェフ遠藤宏佑氏
新潟で活躍する、イケメンシェフ遠藤宏佑氏のライブキッチン。見事な手さばき。

昼間釣ったアジも調理されていきます。こちらも隠し味にかぐら南蛮味噌が入っており、これまで食べたことがない味に。ひと晩にして、かぐら南蛮味噌のとりこになってしまいました。

アジのタルタル
昼間釣ったアジがおいしく変身。アジのタルタル。
ライブキッチンで完成した魚料理
次々と新鮮なお魚が、イケメンシェフの手でおしゃれな料理に。

野外での食事とは思えないクオリティ。粟島の大自然に囲まれて心もお腹も満たされ、大満足なパーティーでした。

お魚に魅せられ、心が解放される島、「粟島」。

都心での日常から離れて、「何もない」ところを訪れてみると案外いろんな発見があって、普段はチャレンジしないような特別な体験ができました。

東京に住んでいる私が、生きている魚を素手で触るなんて想像もできなかったけれど、“島”の大自然がそうさせてしまう不思議なパワーをもっているのかも。

コンビニなんて便利なものはないけれど、それでもまた訪れたいと思う粟島。

来年の夏は、また粟島に来よう! と誓った2泊3日の旅でした。

木村佳那さん

Reporter Profile 木村佳那さん

福岡県生まれ、東京在住。旅行・食べ歩きが趣味。インスタグラマーとして活動中。普段は、東京で民間企業や地方自治体の広報活動を支援する会社に勤めています。

Instagram|@kana0210kana