世界が注目する
上越市の〈THE HERBALIST YASO GIN〉
クラフトジンが世界的なブームを迎え、2024年以降日本発のジンが国際大会で世界最高賞を受賞するなど、注目度も急上昇しています。そのなかで存在感を高めているブランドが新潟県上越市にあります。「飲食業界のオリンピック」ともいわれるIWSC(International Wine and Spirit Competition)2026など、国際的なコンペでたて続けに受賞している〈THE HERBALIST YASO GIN〉です。

個性豊かな香りやSNS映えするおしゃれな見た目、自分好みに割って楽しめる手軽さから、〈THE HERBALIST YASO GIN〉の若者人気は高く、SNSのフォロワーは大半が女性なのだとか。
日本、そして世界中から大きな注目を集める〈THE HERBALIST YASO GIN〉。その始まりはお酒をつくることが目的ではありませんでした。
なぜ「ジン」をつくることになったのか
〈THE HERBALIST YASO GIN〉を製造するのは株式会社越後薬草。上越市に本社を置く同社は創業から50年間、野草を原料とした酵素商品をつくり続けてきました。健康食品製造の会社がジンの製造に踏み込んだ経緯について、営業の吉田瑛人さんにお聞きしました。
「当初はお酒の事業を立ち上げる予定はなかったんです。とある事情があり、酵素商品をつくる過程で出るアルコールの活用が必須になって、ジンをつくることにしました」

「スピリッツには、ジンのほかにもウォッカ、ラム、テキーラなどありますが、ジンをつくることにしたのは、社長がアニメの『名探偵コナン』に出てくる『黒の組織』が好きだからです。『黒の組織』で一番強いのが『ジン』なんです(笑)」
〈THE HERBALIST YASO GIN〉が持つ
ほかにはない個性
数々の受賞歴のほか、東京International Bar Showではアメリカ人バイヤーから「アメリカで絶対売れる」と太鼓判を押されるほどの評価を得た〈THE HERBALIST YASO GIN〉。その特徴は、80種類の野草類が重なり合う様子を表現したアーティスティックなボトルデザインとハーバルで自由度の高い香りです。
一般的なジンは、穀物などを原料とする無味無臭で無色透明のベーススピリッツに、「ジュニパーベリー(杜松の実)」などのボタニカルを漬け込み、再蒸留してつくります。
一方で〈THE HERBALIST YASO GIN〉のベースは、よもぎをはじめとする80種類の野草類を発酵・熟成させてつくる「野草酵素」の副産物であるアルコールです。そのため、仕込みの段階ですでにハーブの奥深い香りが宿っているという大きな違いがあります。

また、ベーススピリッツに加え、数十種類のボタニカルを贅沢に漬け込み、再蒸留することで野草本来の力強さと生命力、何層にも重なり広がるような香りを実現しています。野草を中心とした80種類もの原料でできていること、これは世界的にも極めて稀。「お酒を楽しむ」と「野草の恵みを受け取る」を同時にかなえてくれる、それが〈THE HERBALIST YASO GIN〉ならではの魅力です。

越後薬草の発酵環境にも、上越という土地ならではの個性が宿っています。発酵室には空調を設けず、上越の湿潤な気候をそのまま取り込んでいます。「夏は暑く、冬は寒い現場ですが、それが自然な発酵につながっています」と吉田さん。
〈THE HERBALIST YASO GIN〉の複雑な香りの奥には、この土地の空気と季節も一緒に染み込んでいるのです。


