麻布十番から広がる
“体験”の新軸
2026年8月、越後薬草は東京・麻布十番に温活施設〈越後薬草 溶岩よもぎ蒸し〉」と薬草カフェの〈ON CAFE〉をオープンしました。薬草をジンとして「飲む」だけでなく、「浴びる」「食べる」という体験で越後薬草の世界観を届ける場です。
「弊社の使命は、人の健康寿命を伸ばすことです。体を温めると血流や自律神経の働きを整え、さまざまな病気のリスクを軽減できます。温活は健康の深部にあるテーマだと考えています」
〈ON CAFE〉でインタビューに応じた代表の塚田和志さんは、創業50年の野草研究の歴史のなかで、〈THE HERBALIST YASO GIN〉が“偶然の産物”として生まれた一方、これらの施設は会社の理念に沿った展開だと話します。

越後薬草の溶岩よもぎ蒸しは〈GOROLI〉の名前のとおり、岩盤浴のようにごろりと寝転がった状態でよもぎ蒸し体験が可能。富士山溶岩の遠赤外線の力で内側からしっかり体を温めながら、よもぎを含む66種の薬草の蒸気を体に巡らせます。また、越後薬草が発酵研究50年のなかで独自開発した高濃度発酵エキス〈麹つや玉グロウエキス〉のスプレーが常備されており、肌に噴きかけることで酵素風呂の要素も取り入れられます。
温活後は併設の〈ON CAFE〉へ。よもぎがたっぷり入ったよもぎ抹茶ソイラテや、新潟から届く旬の食材をメインに使ったせいろ蒸し、薬膳カレーなど健康を意識したメニューをラインアップ。デトックスで余分なものを丁寧に出したら、次は体にやさしいものを丁寧に入れる。インとアウトのどちらも大事にするという考えが、サロンとカフェを組み合わせたこの施設の原点です。

夜は〈THE HERBALIST YASO GIN〉も提供され、ほっと心が安らぐ時間を過ごせます。健康を意識しながら、でもストイックになりすぎない。そのちょうどいい距離感が、麻布十番に集まる人々から注目されています。

日本酒だけじゃない
新潟のお酒の多様性を支える存在に
「海外のバーにふらっと立ち寄ったら〈THE HERBALIST YASO GIN〉がある」それを現実にしたいと吉田さんは言います。
「社員旅行でベトナムを訪れた際、現地のバーで弊社のボトルを発見したんです。ほかにも台湾でうちのクラフトジンが少しずつ浸透していて、アジア圏から欧州へと輪が広がっていくのを期待しています。目指すのは空港の免税店や世界中のバーで『あ、〈THE HERBALIST YASO GIN〉だ』と出合える未来ですね」

「新潟は日本酒だけじゃなく、ワインも、ビールも、ウイスキーもあります。そこにジンも加えて、全体で『新潟のお酒はすごい』と言ってもらえる未来を見たいですね。そのなかでうちはジンを支える役割になれればと、常々スタッフ同士で話しています」
もともとは捨てられていた副産物から始まり、独学の蒸留で世界水準に到達した〈THE HERBALIST YASO GIN〉。廃棄されるはずだったものが、今や世界のバーカウンターへ向かっています。上越の湿潤な空気と、50年分の野草研究の知見が詰まった一杯の奥深さを、ぜひ一度確かめてみてください。

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credit text:井高あゆみ photo:歸山芳文(SIIKS)

