大自然を全身で堪能! 絶景の棚田&島感満載の大野亀
江戸時代から受け継がれた美しき田園風景、岩首昇竜棚田
山間を縫うようにして細道を上がると、待ち受けているのは眼下に460枚ほどの田んぼと、その先に広がる佐渡海峡の絶景。蛇行している道の下から見上げると、その道が昇り竜に見えることから地名に「昇竜」が入ったそうです。坂道を上って展望台まで行けば、風通しが良く、静かなこの場所に佇んでいるだけで、日常を忘れ、心が穏やかになります。
実はこの棚田、江戸時代から受け継がれており、今ではたった30人ほどの農家の方々によって守られているとのこと。すれ違ったら笑顔で挨拶を。マナーを守って心ゆくまでご堪能ください。
「階段のようになっている棚田は、展望台から見下ろすような構図で撮ると奥行きが出てダイナミックな1枚に。おにぎりを小道具に使えば雰囲気がぐっと3割増し」
おすすめ撮影スポットは、展望台の少し下にある小屋。これは佐渡で開催されたアートイベント、『さどの島銀河芸術祭2016』で発表された、美術家の寺田佳央さんによる芸術作品『世阿弥の彼岸ボート ゴールデンクルージング』で、室内にも入ることができます。小窓から覗いた田園風景が、額縁に収められた絵画として見えるように作られたそうで、そのまま眺めるのとはまた違った棚田を堪能できます。お彼岸の頃には、金色の稲穂が波打つすばらしい光景が広がるそう。ロケーション込みの同作品で棚田をお楽しみください。
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巨大な大地を全身で感じて! 見どころは亀の形をした巨大岩・大野亀
佐渡の最北端に位置し、海から突き出すようにそびえ立つ「大野亀」は、標高167メートルからなる巨大な一枚岩。その成り立ちは、マグマが地表近くの地中まで上昇し、冷えて固まった後、地殻変動や風化、侵食により、周辺の地層が削ぎ落ちて露出したというもの。
5月下旬〜6月中旬になると、海岸に臨む広大な草原一面を100万本のトビシマカンゾウの大群落による黄色い絨毯が咲き誇ります。大地の緑と、花の黄色、空と海の青によるコントラストは一見の価値ありです。写真は5月中旬頃のもの。満開期の見事な風景は、下記インフォメーション内リンクから確認してみて。
「大野亀をバックに、トビシマカンゾウを撮影している様子を撮ってもらうと、不自然さを感じさせない構図で自分もフレームインできるよ」
ミシュラングリーンガイド2つ星に選定された二ツ亀が浮かぶ海をバックに、大野亀の山頂目指して階段を登れば、前も後ろも最高のビューが待っています。どちらからのアングルも風光明媚でシャッターチャンスがいっぱい!
山頂付近は見晴らし良好。眼前に広がる日本海のパノラマをひとりじめできます。巨大な亀の甲羅に乗っているかのような1ショット。島に来た実感を大いに得ることができるでしょう。雄大な自然をぜひ写真に収めて。
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おわりに
海も山も田んぼも遺跡もまち並みも、100%フォトジェニックで構成されている佐渡。実は、その面積は東京都の約半分とほぼ同じ(島しょ部を除く)。まだまだ紹介しきれていない素敵なスポットもたくさんありますが、どこを見ても飽きることのない風景は、季節によってまた違う魅力をみせてくれるでしょう。さらに今回ご紹介したフォトテクニックも合わせて撮れば、たくさんの”いいね!”がもらえること請け合いです。ぜひ参考にしてみてくださいね。
credit model:斉藤アリス photo:ただ(ゆかい)
text:藤田佳奈美