日本海夕日ライン女子旅ドライブ
【寺泊・出雲崎編】
新潟県の海岸線をなぞるように走る〈日本海夕日ライン〉は、ドライブに最適。旅するモデル・斉藤アリスが、村上、角田浜、出雲崎の3エリアにフォーカスして、フォトジェニックな女子旅をお届けします。今回は、寺泊魚の市場通り〜夕凪の橋の出雲崎エリアをご紹介!
Profile 斉藤アリス
雑誌『Hanako』(マガジンハウス)のライターで、世界のカフェめぐりをまとめた本『斉藤アリスのときめきカフェめぐり』(エイ出版)を著書に持つ。
魚のアメ横〈寺泊魚の市場通り〉で思わずおののくカニとご対面!
新潟県の日本海沿岸を南北に縦貫する〈日本海夕日ライン〉。見渡す限りのオーシャンビューと水平線に沈む夕日のパノラマが望める、ドライブに最適なスポットです。
約337キロメートルに渡る長い道のりの日本海夕日ライン。新潟駅から南下していく道中、長岡市の国道402号線沿いに〈寺泊魚の市場通り〉はあります。
新潟の地魚をメインに、全国各地の海の幸が集まった“魚のアメ横”で、週末になると地元の人はもとより、県外からも多くの人たちが海産物を求め賑わうといいます。旅するモデル・斉藤アリスと新潟市方面からレンタカーでドライブしながら向かいました。
真っ先に目に飛び込んでくるのは、ダイナミックなカニの絵柄。色あざやかな外観の店舗が軒を連ねるこの市場には、寺泊港や出雲崎港で水揚げされた魚介類を数多く取り揃えています。
ドライブの立ち寄りスポットとしても外せないこの市場は、道路を挟んで向かい側に800台ほど停められる無料駐車場があるので安心。ただし、週末は比較的混雑するため、午前中早い時間から向かうようにしましょう。
とれたてのホタテやカキ、マグロなどが所狭しと並びます。
店内や店外には簡単なイートインスペースがあるので、お寿司やお刺身のほか、カニと旬の野菜がたっぷり入った長岡名物の「番屋汁」など、その場で購入して食べることもできます。
アリスさんがじっくりカニを見ていると、お店の方が紅ズワイガニの足を丸々1本試食させてくれました。
足からするんと気持ちよく長い身がお出まし。みずみずしく、淡白で繊細な味わいだから、何本でも食べられそう。
魚介の姿そのままの豪快な浜焼きも食べておきたいグルメのひとつ。串刺しだから食べ歩きのお供にぴったりです。
家庭の食卓に出てきそうなサイズの焼き魚から磯辺焼きまで、さまざまな種類の浜焼きが10数種類並ぶ中で、アリスさんが選んだのは……
イカの丸焼き!
シンプルな醤油ベースのタレが香ばしく、ふっくら厚みのある身は甘くて、醤油の風味と相性抜群。病みつきになるおいしさです。
顔の横に持ってくれば、小顔効果も。フォトプロップスのようにして写真を撮ってみると、ポップな一枚が撮れちゃいます。
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寺泊魚の市場通りの飲食店で、巨大カニラーメンに遭遇
魚の市場通りで小腹を満たしたら、海鮮茶屋〈汐の華〉へ。関東にも進出している地元鮮魚店〈角上魚類〉寺泊本店の上にあります。
ここでは紅ズワイガニのおいしさを余すことなく堪能できる「かにラーメン」(1350円)をいただきましょう。
冷凍ものは使わず、その日とれた新鮮なものでつくるため、数量限定販売となっています。その日の水揚げ量によって数量も変動するので、食べたい人はお早めに。
ちなみにこの日は14食限定。雨天で人も少ない14時過ぎでもなんとかありつけることができました。
輪切りにした少量の長ネギが散らしてある、昔ながらの中華そば。スープは醤油ベースのやさしい味わいで、黄金の縮れ麺と相性抜群。
カニは別皿によけて食べることもできるので、まずはラーメンをそのまま味わいましょう。
ひと通り食べ終えたら、カニの甲羅にスープを入れ、カニ味噌とよく溶いてみそラーメン仕立てに。
先ほどのあっさりとした味わいから一転、コク深くまろやかな味わいに変化します。もちろんカニの身もたっぷり堪能できるので、満足度が高い一品。1杯で2度楽しめる「かにラーメン」、ぜひご賞味あれ。
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出雲崎の〈妻入りの街並み〉を散策して風情を感じる
寺泊魚の市場通りから海岸沿いを車で20分ほど南下すると、江戸時代後期の禅僧・良寛誕生の地「出雲崎」が見えてきます。
『奥の細道』の松尾芭蕉をはじめとする多くの文人墨客が往来し文化を築き上げた歴史あるまち。あちらこちらに文化史跡が静かに佇んでいます。
そんな悠久の歴史を感じさせるまち並みは、通りに面して間口が狭く奥行きの長い様式の家屋が軒を連ねています。その長さ3.6キロ。
“端の面”を意味する“妻”が正面に当たる建物様式を“妻入り”といい、ここ一帯は同じ様式の家屋が連なる〈妻入りの街並み〉と呼ばれ親しまれています。江戸時代は天領地として佐渡の金銀荷揚げや北前船の寄港地として栄え、越後一の人口密度を誇ったという繁栄の名残を感じられるでしょう。
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全国シェア90%の紙風船、ノスタルジックな大人の遊びを
出雲崎に来たからには、紙風船にも触れておきたいところ。
全国の約90%の紙風船がここ出雲崎で製造されています。子どもの頃、誰しも一度は遊んだ記憶があるのではないでしょうか。
道の駅〈越後出雲崎 天領の里〉に行けば、定番のレインボーカラー以外にも、カラフルな紙風船がいっぱい。お気に入りを見つけて、〈妻入りの街並み〉をバックに撮れば……
なんともレトロでインスタ映えな一枚が。遠近感も出ており、躍動感あふれる仕上がりになっています。
ただし、この一枚を撮るために、何度もテイクを重ねたという裏話付き。アリスさんの顔に紙風船が被ってしまったり、紙風船がほとんど写ってなかったり、紙風船を飛ばすタイミングとシャッターを切るタイミングを合わせるのがとても難しいのです。その分、成功したときの喜びはひとしお。
アリスのフォトジェニックポイント
友だち何人かで協力しながら、「せーの!」と掛け声を合わせて風船を飛ばすのが楽しいし、奇跡の一枚が撮れたときは盛り上がります。こうやって工夫するとより旅が楽しくなりますね。ふつうに遊ぶのもなんだか懐かしくて、こんなに盛り上がれるなんて思っていませんでした。
にいがた景勝百選1位に選ばれた出雲崎で最高の夕日と出会う
天領の里の裏手には、陸から海に向かって続く、全長102メートルにもなる海上木橋〈夕凪の橋〉があります。ここから日本海に沈みゆく夕日を眺めましょう。
水平線から浜辺まで続く夕日の道が続いています。実は出雲崎は「にいがた景勝百選」の1位に選ばれており、ここから見る夕日が世界一大きいといわれているそう。
この壮大な景観を眺めていると、なんだかロマンチックなムードに飲み込まれていきます。穏やかな海がオレンジ色に染まっていく様子をうっとり眺めているアリスさんなのでした。
Information
credit model:斉藤アリス photo:ただ(ゆかい)
text:藤田佳奈美