新潟のつかいかた

DJ松永、“行きたくなかった”上京物語

新潟県出身のDJ松永さん
東京に行っても忘れない
原点・長岡への思い | Page 2 Posted | 2022/02/25

DJ松永、“行きたくなかった”上京物語

DJ松永さんは、DJとして“食っていく”ために上京を決意します。しかしそもそも東京に憧れがあったわけではなく、むしろ地元・長岡を愛していました。ホンネを言えば、上京したくなかったそう。

「東京に行く自分なんて考えたことすらなかった。もはや遠く離れた外国のように自分とは関係ない世界だと思っていましたね。でも、DJ以外やりたくないし、それで食っていくには、どうやら東京じゃないとダメみたいだと。でも本当は地元が好き。冷静に考えたら踏みとどまってしまうので、無理矢理に思考をマヒさせていました」

長岡を離れたくない思いとDJで成功したい思い。その狭間で揺れつつも、東京を選ぶ。誰もが強い決意のうえで上京しているわけではありません。ふるさとを離れる人たちのなかには、同じ思いを抱く人も多いかもしれません。

「ハタチそこそこで、なかなか自分の人生設計まで完全には決められませんよね。 “東京でひと旗揚げる!”の内訳を解像度高く描いて、バシッと目標まで明確に逆算できている人のほうが少ないんじゃないかな。わりとなんとなく東京を選択している人も多いと思います」

もちろんDJ松永さんだって、上京してすぐに東京に馴染んだわけではないし、成功を掴んだたわけでもありません。「上京当初は、月に1、2回は深夜バスで長岡に帰っていましたよ」と言います。上京して初めて、自分には新潟というふるさとがあることの価値に気づいたようです。

「東京にちゃんと家も借りていて、普通に休日もあった。でも何をしなくてもいい日でも、ちゃんと休めている感じがしないんです。例えるなら、ずっと会社の仮眠室で寝ている感じ。本当にすべてから解放されて完全にスイッチをオフにできるのは、長岡にいるときだけなんですよ。そのために定期的に帰っていました。東京には戦いに来ているので、そういう意味で長岡という存在は大きいし、もしなかったらと想像するときついですね。DJをやめる気なんてまったくありませんが、もし何かあっても帰れるふるさとがあるという事実は、心の大きな保険になっています」

写真撮影中のDJ松永さん
ラジオブース内のDJ松永さん

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