新潟のつかいかた

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〈ごはん同盟〉がつなぐ、
ふるさとのレシピ
雪国・妙高の季節の
変わり目を感じさせる
「笹箕寿司(ささみずし)」 | Page 2 Posted | 2021/03/05

1枚の笹の葉を丸めてつくる、箕の形

笹箕寿司の特徴は、なんといってもそのユニークな笹の形。これはぜひともマスターしておきたいところです。

まず最初に、笹の茎の部分をハサミで切り落とします。続いて、笹の葉の表側の上部を1.5センチほど山折りにします。

笹の茎の部分をハサミで切り落とす
笹の葉を広げる
笹の葉は、ツルツルしてるほうが表側。

続いて、笹のツルツルの表側が内側にくるように円すい状に丸めます。尖った先端が上にくるように180度回転させ、円すい状の先端を笹の葉の隙間に差し込んで完成です。

円すい状に丸める
円すい状にするのが一番のポイント!
コロンとかわいい箕の形に

コロンとかわいい箕の形をした笹の葉の入れ物ができました。一番最初につくったものはやや不格好ですが愛らしく、4個、5個とつくっていくと形がだんだんと整っていきました。

笹の器が完成

笹の入れ物ができたら、そこに酢飯を詰めていきます。手にお酢を少しつけ、別皿に用意された酢飯をひと握りとり、笹の中に詰め、軽く押さえます。

酢飯を詰めていく
孝子さんのお手本を見ながら

お手本を見ながら酢飯を詰めていきますが、なかなか上手にいきません。すると、孝子さんから、「笹の葉の先のほうへと酢飯を薄く伸ばすようにするとよいですよ」とのアドバイス。なるほど! これで酢飯をきれいに詰めることができました。

新しい具材も積極的に取り入れる姿勢

酢飯の準備ができたら、次は具材をのせます。笹箕寿司にのせる具材は、地元・妙高の食材を使ったものばかり。地域や家庭によって異なりますが、ぜんまいの炒め煮やくるみの甘煮、椎茸の甘煮、根曲がり竹など、どれも郷土の味です。

笹箕寿司にのせるいろいろな具材

「具材ののせ方はご自由に。でも、ご飯が少し見えるぐらいがちょうどいいですよ。絵手紙を描くイメージでのせてみてください」(均さん)

具材がおいしいからといって、欲張ってのせすぎてはいけないわけですね。これは気をつけないと。

まずは、「根曲がり竹煮」から。妙高の特産でそのまま食べると歯ざわりがよく、とても良い香りがします。根曲がり竹は、粕汁の具にしてもおいしいのだそう。

根曲がり竹煮を酢飯の上にのせる

続いて、甘辛く炊いた「ぜんまいの炒め煮」。炊きたてのご飯にのせて食べてもおいしそうです。ほかに「鮭のそぼろ」や「薄焼き卵」など、比較的、最近に考案されたという新しい具材もあります。

いろんな具材がのった笹箕寿司
左から時計回りに、大根のみそ漬のみじん切り、根曲がり竹煮、鮭のそぼろ、椎茸の甘煮、薄焼き卵。薄焼き卵にはくるみの甘煮と紅生姜を一緒に添え、味わいのアクセントになっている。

黙々と酢飯に具材をのせる〈ごはん同盟〉のふたり。無言で作業を進めていますが、私たちにとってお米料理を学ぶひとときは楽しい時間です。

「郷土料理といっても古くから伝えられた食材だけにこだわるのではなく、新しい食材も積極的に取り入れています。だって、せっかく食べるならおいしいほうがいいからね」(孝子さん)

ごはん同盟のお二人と孝子さん

郷土料理だけれど、新しい食材を試していいというのはとてもおもしろいですね。手巻き寿司に使う魚介類や塩気の強い生ハムなどを合わせたら、おいしそう。具材を笹の葉に詰めた酢飯の上に置くだけなので、家族や友人たちと一緒につくったらとても楽しそうです。

出来上がった笹箕寿司

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