新潟県内にある個性豊かな品種やブランドを新潟の銘柄米ガイドブック『新潟米図鑑』から、ピックアップしてお届けします。
肥沃な大地、雪どけの清流、米づくりに適した気候風土が広がる新潟県。日本一の米どころである新潟県には、米づくりの長い歴史と伝統が息づいています。
トップブランドとして長年支持されている、新潟米の代表格〈コシヒカリ〉。〈コシヒカリ〉と双璧をなすトップブランド米として、2017年にデビューした〈新之助〉など、新潟には多様化するニーズに応じた、多彩な銘柄があります。
好みや料理に合わせて米を選ぶ! 新潟米の品種・ブランドをご紹介
好みや料理に合わせて米を選べるのが、新潟米の特徴です。
こちらのお米チャートは、粒の表面の硬さ(硬め・やわらかめ)、粘り(もっちり・あっさり)を軸に各銘柄の特徴やおすすめの料理をまとめたものです。
例えば、おにぎりにするなら粒感と粘りがある〈新之助〉、和食に合わせるなら同じく粘りがあっても柔らかい〈コシヒカリ〉、中華やカレーに合わせるなら、あっさりとした味わいの〈ゆきん子舞〉など、どんな料理と一緒に食べるかによって品種やブランドを選ぶこともできてしまうのです。
それは県内でたくさんの品種・ブランドをつくっている新潟だからこそ。料理によって米を変える。新たな楽しみを見つけられそうな気がしてきますね。
新潟の米は高品質! 品種・ブランドごとに特徴を分析
高品質で知られる〈コシヒカリ〉〈新之助〉だけでなく、ほかの品種・ブランドも高品質な米が多い新潟米。まずは、新潟県農業総合研究所作物研究センターの調査をもとに、成熟期や粒の大きさを見ていきましょう。
新潟米のなかで、もっとも早く収穫されるのは、〈葉月みのり〉。8月(葉月)に収穫・販売(みのり)することから命名されたそう。粒大は、通常の数値より下がりはしますが、ツヤと適度な粘りがある品種です。
続いて収穫される、〈ゆきん子舞〉〈つきあかり〉は早生品種で、8月末には収穫されます。
その後は、粘りが強い低アミロース米の代表品種〈ミルキークイーン〉から、晩生品種である〈あきだわら〉〈みずほの輝き〉などが並びます。
炊き増え率 …… 精米重量から炊き上がり重量への増加率。2.35以上が「最良」。
おねば(味度値)…… ご飯の甘み、粘りをつくるおいしさのもと。80以上が「最良」。
経時変化(食味値)…… 冷や飯のおいしさの食感。84以上が「最良」。
次に、炊飯の側面から見ていきましょう。
ご飯を炊くことでどれくらい精米の重量が増えるかをみる「炊き増え率」を確認すると、品種により多少の差はあるものの、すべての品種が最良値である2.35を超えています。
次に、ご飯の甘みや粘りをつくるおいしさのもと「おねば(味度値)」を見てみましょう。〈コシヒカリ〉や〈新之助〉がもっとも高い数値になり、続く〈みずほの輝き〉も最良といわれる80以上の数値を出す結果となりました。
最後に冷や飯のおいしさの食感を調べた「経時変化(食味値)」の結果では、〈新之助〉が最高値を出しました。続く、〈コシヒカリ〉も〈みずほの輝き〉、〈こしいぶき〉も最良の84以上の数値です。
それぞれの品種で特徴はありますが、最良の数値に近い品種も多く、従来持つ米のレベルが高いことがうかがえます。
新潟米図鑑①コシヒカリ
新潟といえばやっぱり〈コシヒカリ〉。長年支持されているトップブランド米であり、ひと粒ひと粒が光り輝いていてやわらかい、うま味と粘りが魅力の新潟米の代表品種です。
香りが良く、甘みがあるため、ご飯そのもののうま味を存分に堪能できます。シンプルに白米だけで食べてもいいですが、和食、とくに魚料理や刺身などとの相性も抜群なため、合わせて食べるのもおすすめです。
新潟米図鑑②新之助
〈新之助〉は、2017年に〈コシヒカリ〉とは異なるおいしさや特徴を持つトップブランド米として開発された名柄。炊くとツヤツヤぴかぴかできれいにお米が立ちます。コシヒカリより粒が大きく、食べごたえがあるところがポイントで、噛めば噛むほど甘みが広がります。
また、ご飯が冷めても硬くなりにくく、おいしさと甘みも持続するため、時間が経ってから食べるおにぎりやお弁当にもオススメです。
新潟米図鑑③こしいぶき
〈コシヒカリ〉の遺伝子を引き継ぐ早生品種のブランド米。やわらかくて口当たりがよく、クセがなくてあっさりとした味です。味が主張しすぎないため、食材や料理の風味を邪魔せず、引き立ててくれるところが魅力。
そのため、どんなおかずとも合わせやすいので家庭料理との相性が抜群です。実は県内の作付け比率は約17%を占めており、〈コシヒカリ〉に次ぐ主力品種となっています。
新潟米図鑑④ゆきん子舞
〈ゆきん子舞〉は粘りすぎず、あっさりとした味わいが特徴です。歯ごたえがよくほんのり甘いため、料理の引き立て役として活躍します。粒がパラパラしていて、油との相性がいいので、炒飯にするとおいしいです。
また、食感がしっかりしていて粒が大きいため、丼ものやカレーにもおすすめです。
新潟米図鑑⑤つきあかり
見た目が艶やかで輝くように見えることから名づけられた〈つきあかり〉。米粒にツヤがあり大粒なのが特徴で、保温後もおいしさが持続することから、外食での店内炊飯やお弁当用に適しています。また、食べ応えのある大粒の米は、揚げ物や肉料理など、味つけがしっかりしている洋食にもオススメです。
保温後のおいしさやコストパフォーマンスの高さが評価され、2019年度には、上越市の学校給食で採用されました。
新潟米図鑑⑥葉月みのり
新潟米のなかで、一番早く新米を販売できる品種をめざし、8月(葉月)に収穫(みのり)することから命名された〈葉月みのり〉。柏崎地域を中心に2019年から本格的な作付けが行われ、〈コシヒカリ〉よりも約3週間早く収穫することが実現しました。
〈コシヒカリ〉と〈こしいぶき〉の食味を受け継いでおり、大粒で甘みが強いのが特徴です。
新潟米図鑑⑦あきだわら
〈あきだわら〉は、〈コシヒカリ〉に近い食味のあっさりとした食感で、甘みも感じられるバランスの取れた品種です。定食やお弁当など、どんなおかずとも合わせやすく、あっさりした食感はオムライスやピラフなどの洋食にマッチします。
9月下旬に収穫される晩生品種で、多収(多く収穫できる)品種のため、秋にたくさんの米俵が並ぶことからイメージして〈あきだわら〉と命名されました。
新潟米図鑑⑧みずほの輝き
粒が大きくツヤがあり、冷めてもモッチリ感が持続するのが特徴。〈コシヒカリ〉とは異なるあっさり系のおいしさで、朝食や夏の冷汁など、さっぱりした味わいも〈みずほの輝き〉の魅力です。
また、冷めてもおいしいことからおにぎりやお弁当用に適しています。
料理に合わせて、米を選べるのが新潟米
数多くの品種やブランドがある、新潟の米。同じ米とはいっても、収穫時期や粒の大きさ、ご飯の甘みや粘り、冷や飯のおいしさなど、これだけ幅があるもの。料理に合わせて選べるだけの豊富な品種・ブランドがある新潟の米。スーパーに行くとさまざまな種類が並んでいるので、次回からは料理に合わせて米を選んでみるのはいかがでしょうか?
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この記事は、新潟米PRパンフレット『新潟米図鑑vol.2~新潟の銘柄米ガイドブック~』の一部を転載し再編集したものです。紹介されている情報は2019年8月時点のものです。
【関連リンク】
web:新潟米PRパンフレット『新潟米図鑑vol.2~新潟の銘柄米ガイドブック~』を作成しました。