新潟のつかいかた

天然の甘みに癒される、新潟の枝豆

天然の甘みに癒される、
新潟の枝豆 Posted | 2021/08/18

ご当地の食材をお取り寄せして調理し、おうちにいながら現地を訪れたような最高の旅気分を味わう連載企画「旅する食卓」。今回、取り上げるのは新潟が誇る「枝豆」です。太鼓判を押すのは『ミシュランガイド新潟2020特別版』で一つ星として掲載された日本料理店〈割烹 渡辺〉の渡辺大生シェフ。名店シェフの手にかかると、枝豆が一体どんな料理に変化するのでしょうか。

新潟は日本一の枝豆県!

新潟産の枝豆

清らかな水に恵まれたお米の国、新潟。しかし、その肥沃な大地から生まれるのは米に限りません。なんとこの新潟、実は日本一の枝豆県でもあるのです。

というのも、農林水産省の統計調査(※令和元年農水省調べ)によれば、新潟の枝豆の作付け面積はナンバー1。かつては米の単作だったものが次第に枝豆へと転作し、今では日本で一番枝豆をつくっている県になったといいます。

しかし出荷量はというと、全国7位(※同)とそうでもない数字。あらま、枝豆はどこへ消えた……? その答えは、新潟っこたちのお腹の中。枝豆のあまりのおいしさに、出荷する前にみんなでパクパクと食べきっちゃうから、なんですって。うーん、聞くだけでおいしそう!

老舗〈割烹 渡辺〉の渡辺シェフも太鼓判!

渡辺大生シェフ
(写真提供:割烹 渡辺)

「品種にもよりますが、新潟の枝豆はどれも粒が大きくて、甘みと香りが強いのが特徴です。くろさき茶豆、湯上がり娘、肴豆(さかなまめ)……いろんな品種があって、どれをとってもハイレベル。ぼくも地元の枝豆は大好きです」

そう教えてくれたのは、『ミシュランガイド新潟2020特別版』で一つ星として掲載された日本料理店〈割烹 渡辺〉の4代目店主・渡辺大生(ひろお)さんです。

〈割烹 渡辺〉の外観
お店の外観。2021年3月に新店舗に移転したばかり。(写真提供:割烹 渡辺)
店内テーブル席
カウンター席、テーブル席のほか、個室の用意もある。(写真提供:割烹 渡辺)

1933年に川魚専門店として始まった〈割烹 渡辺〉。時代とともにかたちは変わり、渡辺さんがこの家業を継いだのは24歳のとき。以来、新鮮な魚介や野菜、ジビエといった地のものを使いながら四季の味を供するスタイルで、国内外から高い評価を得ています。

同店のコンセプトは、日本料理を通じて、新潟の自然と色を提供すること。そして、家庭では味わえない非日常を演出し、食材の出会いと調和を伝えることだと渡辺さんは言います。

現在は〈割烹 渡辺〉で腕を振るう傍ら、新潟のシェフチーム〈ll Laboratorio Di Cucina Niigata(イル ラボラトリオ ディ クチーナ ニイガタ)〉(以下ラボクチ)や〈厨(くりや)クラブ」〉の一員としても活躍の幅を広げられています。

〈割烹 渡辺〉で提供される料理
新潟食材はもちろん、そのときどきの旬の食材が使われている。(写真提供:割烹 渡辺)

「お店で扱うのは、9割以上が新潟の食材です。料理の世界を通じて、ぜひ新潟の自然と魅力を感じていただきたいんです。〈ラボクチ〉や〈厨クラブ〉の活動も、たくさんの人に新潟へと足を運んでいただくためのプロジェクトの一環。新潟の料理人みんなで連携し、情報交換をしながら研鑽を積み、地元の料理のレベルアップをはかっているのです」(渡辺さん)

それぞれの独立した腕前はもちろん、こうしたシェフたちのチャレンジ精神と団結力もまた、新潟が巷の美食家たちに美食大国と認められる理由かもしれません。

Information

【割烹 渡辺】
address:新潟県新潟市西蒲区巻甲2443
tel:0256-72-2859
営業時間:昼営業12:00~13:00まで入店、夜営業18:00~20:00まで入店
定休日:水曜(第1、第3週は火・水曜連休)
web:割烹 渡辺 Facebook

渡辺シェフのおすすめ枝豆レシピ

料理界の最前線で目と舌を磨き抜いてきた渡辺さんも、地元の枝豆をよく使用すると言います。

「枝豆といえば一般的には夏のもの。ですが、新潟ではいろんな品種があって、収穫時期もそれぞれ。早いものは5月から、遅いものは10月まで次々と実るため、長く枝豆の旬を楽しめるんです」(渡辺さん)

旬の枝豆カレンダー

これからの枝豆カレンダーとしては、ほっこりと甘みの強い〈新潟あま茶豆〉や晩生の〈新潟えだまめ〉などがぞくぞくとお目見えするそうですよ。

そんな枝豆を極上のかたちで味わうなら、ぜひのぞいてみたいのが、新潟の食の達人のレシピを紹介しているメディア『新潟ウチごはんプレミアム』。ここに、渡辺さんの提案する枝豆レシピが掲載されています。

「“すりながし”とは、いわば和製のポタージュで、野菜や魚介などの食材をすりつぶし、鰹と昆布の和だしで伸ばしたもののこと。僕の店でも日常的に扱っている、日本料理ではおなじみの技法です」(渡辺さん)

今回は、だしの代わりに豆乳を使っているのがポイント。ミキサーさえあれば簡単につくれる一品だといいます。

「大豆の前身である枝豆と、大豆の加工品である豆乳は、味の相性もバツグン。とくに豆乳は生クリームに負けないくらいミルキーに、よりヘルシーなかたちで枝豆のおいしさを引き出してくれます。注意点はひとつだけ。外皮の部分をむくと薄皮があります。この薄皮はぜひ取ってください。より舌触りがなめらかになり、ワンランクアップした味わいが楽しめますよ」(渡辺さん)

このレシピは、簡単なだけでなく、野菜ならなんでも応用できる点も魅力。例えば、新潟のとうもろこしも甘みが強くて美味だそうですよ。枝豆はもちろん、冷蔵庫にある野菜のひと味違う食べ方としても活躍しそうなこのレシピ、ぜひご自宅でお試しあれ。

Recipe

枝豆と豆乳のぽってりすり流し

【材料】 2人分
・枝豆 …… 100グラム
・豆乳 …… 100ミリリットル
・白味噌 …… 少々
・塩 …… 少々
・花穂 …… 適宜
【作り方】
1 枝豆を茹で、実を取り出す。
2 薄皮をむく。
3 ミキサーに枝豆と他材料を入れて回す。
4 花穂を乗せる。

矢口あやはさん

Profile 矢口あやは

大阪生まれ、東京在住。ライター・編集・イラストレーター。雑誌やWEB、書籍などの制作を中心に活動。料理が大の苦手。文化祭でゴマ団子を調理した際には破裂した団子が天井で跳ね返り、意中の人を直撃した。 Web:ayaha-yaguchi.amebaownd.com Instagram:@ayaha614

credit text:矢口あやは photo:やまひらく

枝豆ポタージュ

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