新潟のつかいかた

ツヤツヤ&モチモチ、甘みの強いお米〈新之助〉

ツヤツヤ&モチモチ、
甘みの強いお米〈新之助〉 Posted | 2021/09/14

ご当地の食材をお取り寄せして調理し、おうちにいながら現地を訪れたような最高の旅気分を味わう連載企画「旅する食卓」。今回、取り上げるのは新潟が誇るお米〈新之助〉です。太鼓判を押すのは『ミシュランガイド新潟2020特別版』に掲載されたフランス料理店〈uoni〉でオーナーシェフを務める西澤敬介さん。名店シェフの手にかかると、〈新之助〉が一体どんな料理に変化するのでしょうか。

コシヒカリだけじゃない! お米界の大型ルーキー登場

日本海側にあるお米の国・新潟県。日本一長い信濃川をはじめとする清流が肥沃な土と豊かな水を運ぶことから、現在、下流域の平野を中心に米づくりが盛んに行われています。

その新潟を代表するお米が〈コシヒカリ〉。世界的にも評価の高いこの品種を多く育てている新潟は、ある意味、日本で最もお米の美味しさに厳しい県といえるかもしれません。

そんな新潟で、2017年に新しく誕生したお米が〈新之助〉。大粒でツヤツヤ、コクと甘みが特徴だといわれます。

精米した〈新之助〉。パッケージは紅白が印象的

開発が始まったのは2008年。地球の温暖化が進む時代、猛暑に見舞われたときのリスクヘッジとして、今よりさらに高温な環境でも品質のよいお米をつくりたい。そんな思いから500種類を交配し、そこから生まれた20万株を育てたのだそう。

そして、なんとひと株ずつ炊飯し、ひときわ輝くお米をピックアップしていったのだとか。というのも、炊いた時のお米の輝きは食味の良さに相関関係があることがわかっていたから。こうして選別に選別を重ね、気の遠くなりそうな研究の末誕生したのが〈新之助〉というわけです。

ちなみに、これは〈コシヒカリ〉より遅く実る“晩生”。〈コシヒカリ〉よりも早く実る“早稲”としては〈こしいぶき〉が2000年にデビューし、すでに新潟で定着しています。続く〈新之助〉も将来の楽しみな期待の新星と言えそうです。

フランス料理店〈uoni〉の西澤シェフも支持

「新之助の魅力は、ひと言でいえば“アレンジしやすい点”でしょうか」と話すのは、『ミシュランガイド新潟2020特別版』に掲載されたフランス料理店〈uoni〉オーナーシェフを務める西澤敬介さんです。

西澤敬介シェフ
(写真提供:uoni)

「シンプルに白米として食べるなら、やっぱり〈コシヒカリ〉が絶品。でも、〈新之助〉も負けてはいません。コクや甘みが強く、水分をたっぷりと含んでいるにもかかわらず、調理しても粒がつぶれたり崩れたりしにくいんですよ」(西澤さん)

西澤さんは、創業140年以上になる〈割烹魚仁〉の6代目として長岡に生まれた生粋の新潟人。東京の有名店や、フランスでの修業を経て、2002年に帰郷。〈割烹魚仁〉の跡を継ぐと同時に、割烹のお隣にフレンチレストラン〈uoni〉をオープンしました。

現在は、さまざまなジャンルの料理人たちが越後・長岡の食文化を研究し未来へ継承する〈長岡ガストロノミー研究会〉の代表として、また、日本を代表するシェフたちが中心となって食糧自給率やフードロスといった食の課題に取り組む団体〈ChefooDo(シェフード)〉会員としても活躍の場を広げています。

〈uoni〉の内観
10名で満席になる店内は、暖色の照明で落ち着いた雰囲気。(写真提供:uoni)

「お店では、新潟・長岡のおいしい旬のものを提供するように心がけています。無添加の安心な食材を使いながら、旬の素材の魅力を生かし、おいしさを引き出せる方法を常に意識しながら調理をしています」(西澤さん)

ブイヤベース
近海魚の旨みがぎゅっと濃縮されたブイヤベースはぜひとも味わいたい一品。(写真提供:新潟県観光協会)

Information

【uoni】
address:新潟県長岡市渡里町2-9
tel:0258-32-1009
営業時間:ランチ 12:00~15:00(14:00L.O.)、ディナー 18:00~22:00(21:00L.O.)
定休日:日曜、祝日
web:Facebook

西澤シェフのおすすめ〈新之助〉レシピ

日本随一の米どころで育ち、〈割烹魚仁〉では和洋折衷のお料理を、〈uoni〉では正統派の本格フランス料理を提供している西澤さん。〈新之助〉を使うなら、と教えてくださった料理レシピが「リオレ」です。

「リオレ」は日本ではあまり耳慣れない料理ですが、お米を牛乳でコトコトと煮込んだもので、いわばリゾットのような甘いスイーツだといいます。

リオレ

「フランスでは、『リオレ』といえば“ママンの味”。お母さんやおばあちゃんがつくってくれる家庭料理なのです。とくに〈新之助〉はこのリオレづくりにピッタリ。甘みとコクがあり、煮込んでも形が崩れにくい点がよく適していると思います」(西澤さん)

お米を使ったメニューだけれど主食じゃない、フランスのママンのスイーツに変身させるというこのユニークなレシピは、新潟のスゴ腕シェフたちのレシピ動画を発信しているメディア『新潟ウチごはんプレミアム』に掲載されています。

「本来は生の米からつくるのですが、今回はご家庭で簡単につくれることを意識して、冷蔵庫や冷凍庫にあるご飯をチンして入れてもおいしくできるレシピにしました。ご飯を牛乳でゆっくり煮込み、粘りを出すのがポイント。モチモチの食感が楽しめますよ」(西澤さん)

家庭料理ということもあって、現地の「リオレ」には無数のアレンジがあるのだとか。西澤さん流のアレンジとしては、生姜を入れたこと。

「日本人の舌にも馴染みやすいように、今回は生姜を足しました。飽きのこないアクセントとしてブルーチーズも使っています。もしご家庭でトッピングをアレンジするなら、ぜひ生姜に合いやすい食材を探してみてください。グレープフルーツや柑橘系もオススメです」(西澤さん)

レシピは、牛乳でご飯を煮て、泡立てた生クリームと合わせるだけ。お料理上手な人なら、20分もあればできちゃいそうです。簡単だけど、自宅のキッチンからあっという間にパリの空の下へ。花の都に想いを馳せながら、〈新之助〉のおいしさにジーンとできるスイーツです。ぜひ、ご自宅でお試しを。

Recipe

完成したリオレ

【材料】 2人分
・新之助(ご飯) …… 茶碗1/2杯
・牛乳 …… 200グラム
・グラニュー糖 …… 20グラム
・生クリーム …… 50グラム
・バニラビーンズ …… 1/4本
・生姜 …… 5グラム
・ブルーチーズ …… 30グラム
・エクストラバージンオリーブ油 …… 適量
・黒こしょう …… 適量
【作り方】
1 冷蔵庫にある残りご飯〈新之助〉と牛乳、粗みじん切りの生姜、半割りにしたバニラビーンズを鍋に入れ弱火で煮る。
2 10分 ほど煮ると水分がなくなり粘りが出てくるので、焦げないようにかき混ぜる。
3 ご飯を煮ている間に、氷をあてながら生クリームを角が立つまで混ぜる。
4 煮終わったら、火から鍋を外し、グラニュー糖を入れ混ぜる。
5 鍋の中身を、氷をあてたボウルに入れ、かき混ぜながら冷やす。
6 冷えたら立てた生クリームを3回に分けて合わせる。
7 冷蔵庫に入れ2時間程度寝かせる。
8 皿に盛り付け、チーズ、黒こしょう、オリーブ油をかけて完成。

矢口あやはさん

Profile 矢口あやは

大阪生まれ、東京在住。ライター・編集・イラストレーター。雑誌やWEB、書籍などの制作を中心に活動。料理が大の苦手。文化祭でゴマ団子を調理した際には破裂した団子が天井で跳ね返り、意中の人を直撃した。 Web:ayaha-yaguchi.amebaownd.com Instagram:@ayaha614

credit text:矢口あやは photo:やまひらく

〈新之助〉のリオレ

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