新潟のつかいかた

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『ミシュランガイド新潟版2020特別版』
が満を持して発売!
記念すべき初版に掲載されたのは? Posted | 2020/08/17

日本海や越後山脈、信濃川などの自然の恵みによって、豊富な食材に恵まれている新潟県。四季がはっきりしているこの地で育まれる農作物や、豊潤な味わいの畜産物、日本海で水あげされる海産物――こうした新潟の食材を使った飲食店は県内各地にあります。

そんな新潟県を舞台にした『ミシュランガイド新潟版2020特別版』が、2020年7月、ついに発売されました!

「ドライバーに各地の味を楽しんでもらいたい」という想いから始まったミシュランガイド

ミシュランガイドとは、「より遠くまで快適にドライブができるように」と1900年からフランスのタイヤメーカーであるミシュラン社が発行するガイドブック。日本では2007年にアジア初となる『ミシュランガイド東京2008』を皮切りに、2009年には『ミシュランガイド京都・大阪2010』を、2012年には特別版と称し、ほかの地方都市も名を連ねるようになりました。

そして2020年、満を持して新潟版が発行されることとなったのです。

掲載店舗は、全部で282店舗。高級レストランや料亭から、居酒屋、ラーメン、旅館などさまざまなジャンルで高評価を得ています。そのなかには、過去に「新潟のつかいかた」で紹介したお店も掲載されています。今回は、あらためてその注目のお店を紹介します!

「遠回りしてでも訪れる価値のあるすばらしい料理」と称される「二つ星」

新潟の料亭・鍋茶屋が、気楽に日本料理を楽しめるようにと立ち上げた〈鍋茶屋 光琳〉

〈鍋茶屋 光琳〉のカウンターに座る坂田阿希子さん
「新潟のつかいかた」では、料理家・坂田阿希子さんが訪れました。

江戸時代から続く老舗料亭〈鍋茶屋〉の隣に佇む〈鍋茶屋 光琳(こうりん)〉は、鍋茶屋7代目の高橋英司さんが料理長として2016年にオープンした日本料理店。食材の95%を新潟県産にこだわり、少量でも新鮮なものを提供。店内はカウンター席を設け、店主と近い距離で料理を楽しめるつくりです。

柚子蒸し
くり抜いた柚子に、タラ、新潟県産の肉厚椎茸〈やひこ太郎〉、〈雪国まいたけ〉、九条ネギを入れて柚子ごと蒸した〈柚子蒸し〉。

Information

【鍋茶屋 光琳】
address:新潟県新潟市中央区東掘通8-1420
tel:025-223-2015
access:新潟駅「万代口」から車で10分、万代口バスターミナル7番か11番乗り場からバスで「古町」下車徒歩3分
営業時間:12:00~14:00、18:00~22:00
定休日:月曜
web:鍋茶屋 光琳

狩猟や漁までこなすオーナーシェフが自らその日の食材を調達してつくる絶品フレンチ〈Restaurant UOZEN(レストラン・ウオゼン)〉

キッチンに立つレストラン・ウオゼンの井上和洋さん
土地の恵みに寄り添った料理を生み出す、オーナーシェフの井上和洋さん。

自家菜園で野菜やハーブを育て、山で獣や野禽を仕留め、海で魚を釣る。オーナーシェフ井上和洋さん自ら食材を調達して調理する、三条市にあるフレンチレストランです。四季折々の土地の恵み・命の営みに寄り添った料理を味わえる、新潟のローカルガストロノミー筆頭のお店です。

佐渡産ボタンエビのブイヤベース仕立て
看板メニューの〈佐渡産ボタンエビのブイヤベース仕立て〉。

Information

【Restaurant UOZEN】
address:新潟県三条市東大崎1-10-69-8
tel:0256-38-4179
access:JR東三条駅からバスで「大崎小学校」下車、徒歩5分
定休日:月曜、他不定休
web:Restaurant UOZEN

「その分野で特においしい料理」とされる「一つ星」

ネタだけでなく、米や醤油、塩まで地元産にこだわる“新潟前”〈すし あらい〉

すし・あらいの握り
一貫一貫にこだわりが凝縮。おまかせの握り5400円~10800円。

米と醤油は岩船産、塩は県北産、ネタは信頼できる魚の目利きからと、良質な新潟県産の食材を中心に厳選。シャリは、保湿性が高いといわれる「藁いずみ」という入れ物におひつを入れて旨さを保つなど、こだわりは細部にまで及んでいます。生産者の思いをのせて握られる“新潟前”の寿司を味わいに、ぜひ足を運んでみては。

Information

【すし あらい】
address:新潟県新潟市中央区東万代町9-26
tel:025-385-6007
access:JR新潟駅から徒歩で約10分
営業時間:15:00~22:00
定休日:水曜
駐車場台数:2台 席数:18席

古町の料亭文化を170年以上支えてきた新潟屈指の老舗料亭〈鍋茶屋〉

〈鍋茶屋〉のズワイガニ料理
新潟の冬のご馳走「ズワイガニ」。

1846(弘化3)年創業の〈鍋茶屋〉は、文人墨客に愛されただけでなく、1878(明治11)年の明治天皇来県時には会席を調進した老舗料亭。お客様の舌に合わせ時代とともに調理法は変わるものの、完全無添加にこだわり、旬の食材をふんだんに取り入れる姿勢はずっと変わりません。

Information

【鍋茶屋】
address:新潟県新潟市中央区東堀通8-1420
tel:025-222-6131
access:新潟駅「万代口」から車で10分、万代口バスターミナル7番か11番乗り場からバスで「古町」下車徒歩3分
営業時間:11:00~23:00
定休日:日曜
web:料亭 鍋茶屋

新潟産の食材をイタリアンのテイストで再提案する〈イルリポーゾ〉

〈イルリポーゾ〉のラヴィオリ
十日町で育てられた豚肉を使ったラヴィオリを、アスパラのソースと合わせたひと皿。

地元の生産者から取り寄せた旬の食材を最大限に生かす、地産地消にこだわるイタリアンレストラン。地元・三条市の枝豆から長岡市のかぐら南蛮、糸魚川市の〈越の丸なす〉など新潟県内全域から、そのときにおいしい食材を取り寄せ、食材によって調理法を変えています。

Information

【イルリポーゾ(IL RIPOSO)】
address:新潟県三条市島田2-5-21
tel:0256-33-4411
access:JR弥彦線 北三条駅から徒歩約15分
営業時間:18:00〜22:00(21:00 L.O.)
定休日:不定休

日本酒と新潟食材を使ったフランス料理のペアリングが楽しめる〈松之山温泉 酒の宿 玉城屋〉

玉城屋の「大根」という名の前菜
雪のように仕立てた大根のムースに、新潟・柏崎でとれた真鯛を添えた、その名も「大根」という名の前菜。

“日本三大薬湯”のひとつ十日町・松之山温泉にある、日本酒とフランス料理のペアリングを味わえる旅館。前菜からデザートまで、その料理に合わせた日本酒を提案してくれます。ハーフサイズの用意もあるので、ひと口ずつ日本酒のバリエーションを味わいたいという人も楽しめそうです。

Information

【松之山温泉 酒の宿 玉城屋】
address:新潟県十日町市松之山湯本13
tel:025-596-2057
access:ほくほく線「まつだい駅」から車で約30分。1日1回「まつだい駅」まで送迎あり(2名以上で利用可能、要予約)。
web:酒の宿 玉城屋

言わずと知れた、ライフスタイル提案型宿の先駆け的存在〈里山十帖〉

雪室で熟成された白菜、八色椎茸、舞茸を使った料理
新潟の伝統野菜を中心とした味わい深い料理がいただける。

雑誌『自遊人』を発行する株式会社自遊人が、2014年5月に始めた南魚沼市・大沢山温泉にある温泉宿。新潟の伝統野菜や越後味噌など郷土食の新たな料理を味わえるだけでなく、魚沼産コシヒカリを育てる農業体験や、6つの日本百名山に囲まれた大自然を満喫できる、ライフスタイルそのものを提案する宿です。

Information

【里山十帖】
address:新潟県南魚沼市大沢1209-6
tel:025-783-6777
access:JR大沢駅から車で約5分
web:里山十帖

新潟の食の新たな魅力を知るきっかけに

さらには、価格以上の満足感が得られる料理を提供する店である「ビブグルマン」として、〈千年鮭 きっかわ 井筒屋〉が掲載されました。なんと、ミシュランガイドで初となる鮭料理のカテゴリーとしての掲載です。

念願の『ミシュランガイド新潟版2020特別版』。世界が認める最先端のグルメとして、新潟の銘店の名前が加わったのは、なんともうれしいことですね。

すでに予約困難なお店もありますが、ぜひ一度足を運んでみたいもの。県内にお住いの方は、県産食材の新たな魅力に気づくかもしれません。県外にお住まいのみなさんも新潟に訪れた際には、ミシュランガイドを片手に新潟の食を味わってみてくださいね。

※料理は取材当時のものです。また、新型コロナウイルス感染症の影響で営業時間などに変更がある場合があります。

credit text:長谷川円香