新潟のつかいかた

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新潟を旅し、
ローカルの魅力を発信する
「バイク女子」インスタグラマー
・さあちゃん
自称・ポッポ焼きマイスター!? Posted | 2026/07/24

真っ黒なボディのスポーツバイク Kawasaki Ninja ZX-25R に跨り、新潟県内外を疾走する「新潟バイク女子」さあちゃん(@sachan.m_m)。ブラックコーデに身を包んだクールな雰囲気から一変、ヘルメットを外したときのこぼれんばかりの笑顔に、心掴まれる人も多いはず!

2023年にバイクの免許を取得し、ツーリングのベストシーズンには毎週のように愛車で出かけ、そこで出合った美しい風景や魅力的なグルメ、新潟のローカル情報などをインスタグラムで発信。現在は1.5万人のフォロワーが彼女の活動に注目しています。

自称・ポッポ焼きマイスター、着物好き、燕三条〈工場の祭典〉ファン、新潟の伝統文化への強い愛など、多様な顔を覗かせる人気インスタグラマーの素顔に迫ります!

バイク特有のコミュニケーション
「ヤエー」が大好き

バイクといえば、どちらかというと男性からの支持が厚く、排気量125cc以上の二輪車に乗る女性は少数派です。さあちゃんも「自分がバイクに乗るなんて、考えたこともなかった」といいますが、新しい世界へと背中を押してくれたのは家族や友人でした。

「6年くらい前から父がバイクに乗り始めて。一緒に走ることで共通のコミュニケーションが生まれたらいいなと思ったんです。それに、友人にもバイク乗りが多くて『こういうのは勢いだよ!』って背中を押してくれて。その勢いに乗ってみました(笑)」

3年前に教習所に通い始め、それと同時にバイク店もあちこち巡るなかで現在の愛車を入手。2023年9月には無事に普通自動二輪の免許を取得しました。「免許をとると決めてからは、早かったです!」と振り返ります。

さあちゃんさんの愛車・Kawasaki Ninja ZX-25R
愛車・Kawasaki Ninja ZX-25R。250ccと排気量は小さめですが、ボディサイズは400ccバイク並み。
満開の桜の下でバイクと一緒に記念撮影
さあちゃんの身長は160センチ。Ninja ZX-25Rが似合いすぎます!
〈道の駅マリンドリーム能生〉の駐車スペースで記念撮影
糸魚川市の〈道の駅マリンドリーム能生(のう)〉を訪ねた際の一枚。
〈上原コスモス園〉の1本道にバイクで訪れたさあちゃんさん
まるで北海道にあるような一本道! 魚沼市にある〈上原コスモス園〉にて。

新潟の冬は雪が降り、夏は高温による負荷もあることから、ツーリングに向く季節は春と秋。だからこそ、ベストシーズンには毎週のようにバイクで各地に繰り出しているそう。

「糸魚川市の〈道の駅マリンドリーム能生〉にカニを食べに行ったのが、新潟ツーリングのなかで特に楽しくて、思い出に残っていますね。能生漁港でとれたベニズワイガニを直売所で購入してその場で食べたんですけど、あまりにもおいしくて……!」

また、能生の海岸線を西に下ったヒスイ海岸から眺める透明度の高い海や、〈親不知ピアパーク〉に展示されている世界最大級のヒスイ原石などを目にし、あらためて新潟のダイナミックな自然や美しさに感動したといいます。

大きなベニズワイガニを持ち上げるさあちゃんさん
〈道の駅マリンドリーム能生〉で購入したベニズワイガニ。ほかにも、あんこうの唐揚げ、カニおむすびなどを堪能したそう。
大きなホッケの開きが販売されている
巨大なヒスイの原石の前に立つさあちゃんさん
いにしえから交易品として大陸に渡るなど珍重されてきた糸魚川のヒスイ。〈親不知ピアパーク〉に展示されている世界最大級の原石の大きさに驚きつつ、「ロマンがある!」と感動したそう。

「私の場合、バイク仲間と目的地を決めて出かけることが多いんです。だからこそ、バイクに乗っていなかったら訪ねることはなかったかもしれない……という場所もあって。それに、車に乗ってるだけでは得られないコミュニケーション、新発見や気づきもありますね」

例えば、バイクに乗る人だけが交わし合う独特なコミュニケーションがあり、そうしたユニークなカルチャーがおもしろいといいます。

「バイク同士がすれ違うとき、手を上げたり、Vサインを送ったりする『ヤエー』というのがあるんです。『安全に楽しんで』という意味を込めた、旅の安全を祈る挨拶なんですけど、私、それがすごく好きで!」

対向車線にバイクを確認すると、運転に集中しながらも相手のヤエーは絶対見逃さない! というさあちゃん。また、困っているときに「大丈夫?」と声を掛けてくれるライダーも多いといい、独自の文化と絆が根づくバイクの世界に、すっかり魅了されているようです。

佐渡汽船乗り場にバイクで到着したときの様子
佐渡汽船にバイクを積んで、佐渡島を旅したことも。

おいしい店を見分けられる!? 
自称・ポッポ焼きマイスター

ツーリングの目的のひとつにあがるのは、やっぱり「グルメ」。多種多様な食文化を有する新潟県において、さあちゃんが愛してやまない食べ物があります。それは、主に下越地方のお祭り屋台には必ずといっていいほど登場する「ポッポ焼き」。

出店で販売されているポッポ焼き
巻きすだれにストックされているのがポッポ焼き。奥に見える、特殊な形状の焼き台で焼かれる新潟名物の菓子で「蒸気パン」とも呼ばれています。黒糖風味のもちもちとした食感。

新発田(しばた)市が発祥といわれ、黒糖や小麦粉などを混ぜた生地を専用の焼き台で焼いた、新潟独自の素朴なお菓子です。幼い頃からポッポ焼きに親しんできたというさあちゃんは、ふと、あることに気づいたといいます。

「どの屋台のポッポ焼きも同じ味だと思っていたんです。でもある日、店によって味が違うぞ……!? と気づいてしまって。なんだかおもしろいなと思って、いろんなポッポ焼きのお店を食べ歩くようになりました」

以降、ポッポ焼きの名店を探し出すことにとどまらず、屋台から漂う匂いや、職人の手さばき、焼き加減などから、おいしい店を見分ける方法を独自に見出していきます。

「ポッポ焼きマイスターって自称しています(笑)。私が一番おいしいと思うポッポ焼き屋さんが新発田市にあって、インスタグラムのリールで紹介したらものすごく反響がありました。県外の方も『ポッポ焼きって、なに?』と興味を持ってくれているようです」

新発田市にある、さあちゃんオススメのポッポ焼き店〈蒸気パン屋 屋台〉。通年で週末に営業しており、長蛇の列ができることもしばしば。

さあちゃんの投稿を見て買いに来るお客さんも多く、「ありがとうって伝えておいて!」と屋台店主からことづけを頼まれたというフォロワーも。

「その反響と店主の言葉がうれしくて、私はこういうことにつながる活動がしたかったんだ! ってあらためて思ったんです」

そうした思いのなかで、彼女の興味関心はバイクの行動範囲とともに広がり、新潟ならではの魅力を発信する活動により力を入れていきます。

新潟の伝統文化・ローカルな魅力を、
若い人へつなぐ存在に

現在、「新潟バイク女子」というカテゴリに加えて、さあちゃんがインスタグラムで力を入れているのは、「新潟のローカル」に焦点をあてること。

新潟を縦断するなかで、伝統技術を受け継ぐすぐれたものづくりや、魅力的な人、お店、企業、取り組みを目の当たりにしてきました。そして、燕三条で毎年開催されるオープンファクトリーイベント〈工場の祭典〉にも足を運び、職人の手仕事やものづくりのプロセスを間近で見て、その技術と熱量に感銘を受けたといいます。

一方で、後継者不足やさまざまな課題から、存続が厳しい状況にある企業が少なくないことも知りました。

「新潟ってすばらしい文化や技術が各地にたくさんあるじゃないですか。でも、その技術を受け継ぐ人がいなかったり、いいものをつくる会社があっても、安さや手軽さがまだまだ重視されがちな世の中だったり。良質なものを長く使えば結果的に経済的だし、ゴミも減らせる。そういう気づきや、新潟の伝統文化、あまり知られていないローカルな魅力を、若い人へつなぐ存在になれたら、と思うようになりました」

2025年からは、鍛冶工場、チタン製品工場、昭和のクラシックカーや暮らしに触れる施設のほか、農産物直売所、道の駅、まだまだ広く知られていない地域の名店など、インスタグラムでの紹介がスタート。「まだ投稿数は多くないですが、今後はさらに力を入れていきたいです」と語ります。

各種の鉄フライパンが並んでいる
工場見学の際に説明を受け、長く使うことのすばらしさを実感したという〈近藤製作所〉(三条市)が手がける鉄フライパン。

もともと日本の伝統文化に関心があるといい、近年は新潟の伝統産業でもある「着物」をまとうイベントにも参加しています。

2025年11月に行われた「燕三条ジャパンフェス2025」には、“着物のリメイク”をテーマとしたファッションショーに参加。レースアップブーツに振袖を組み合わせた姿で登場しました。また、昭和初期に始まり、2026年で81回目を迎えた燕市の春の風物詩「分水おいらん道中」にも新造役として参列。

「燕三条ジャパンフェス」で着物でランウェイを歩くさあちゃんさん
「燕三条ジャパンフェス」でのランウェイの様子。

「いつかは着物生活がしたいって思うくらい、着物が大好きなので、こうしたイベントに参加できたのはうれしかったですね。インスタグラマーという活動をしていなければ参加できなかった仕事、関わることのなかった方々にも会えて、そうしたご縁がうれしいです。それに、案外自分はこういうことが好きだったんだ、っていう気づきもあって。日々、たくさんの刺激をもらっています」

「分水おいらん道中」でおいらん姿の女性たちが行進している
「分水おいらん道中」に参列するさあちゃん(前から3人目)。

今後の活動への思いを聞いてみると、「新潟の伝統、文化、その魅力を若い人につなぐ架け橋になりたい」と、一貫する思いを熱く語るさあちゃん。スポーティなバイクで疾走する「バイク女子」という顔だけでなく、古来からの伝統や文化を愛し、それらを自分にできることで次世代につなぎたいという思いの強さが、今回のインタビューからうかがえました。

バイクで出かけた先の出会いや、SNSでの発信からさらに知見を広げ、数年後はもっとユニークな活動を展開しているかもしれません。ぜひ、さあちゃんのインスタグラムをチェックしてみてくださいね!

Information

「さあちゃん」×「新潟のつかいかた」のインスタグラムコラボ動画を、近日投稿予定。ぜひフォロー&チェックしてくださいね!
さあちゃん/バイク女子×グルメ×観光Instagram:@sachan.m_m
新潟のつかいかたInstagram:@howtoniigata

credit text:林貴代子 画像提供:さあちゃん