では、さっそく〈潟マルシェ〉を回ってみましょう。鳥屋野潟のほとりに自然栽培/有機栽培の野菜やオーガニック食材を使った焼き菓子店、地元食材でつくった料理を提供するフードトラックなどがたくさん並んでいます。
〈お茶のうずまき屋〉日本茶をもっと生活に取り入れてほしい
会場を回っていると、「よかったら飲んでみて!」との声が。振り返ると、試飲用のお茶を差し出されました。
お話をうかがうと、〈お茶のうずまき屋〉という日本茶の問屋さんでした。「日本茶を飲んでもらえる機会を増やしたい」との想いから、自分たちのブランドを開発。日本茶の味わいをもっと知ってもらえたらと、直接お客さんと触れ合えるイベント出店に力を入れているそうです。
「いまの人って、急須でお茶を淹れることも少なくなっていると思うんですよね。ひとり暮らしだったら急須すら持っていなかったりして。でも、日本茶は淹れ方で味が変わるなど奥が深い飲み物。僕たちの日本茶に触れることで、日本茶をおいしいと感じてくれる人が少しでも増えたらうれしいですね」。そう話してくれたのはブランドを立ち上げた向井拓郎さん。
〈潟マルシェ〉には2〜3年前から出店しているそうですが、毎回顔を出し、茶葉を購入してくれる人もいるのだとか。
〈潟マルシェ〉で新しいお店と出合い、いつもの生活に取り入れる。まさに松浦さんが理想とする「新潟暮らしの提案」が浸透しつつある証なのかもしれないですね。
〈rucoto〉農×福×食でおいしさの循環を
地元の農家さんが育てた食材を使って、加工の過程で福祉施設の手も借りながら、キッチンカーでかき氷や焼き菓子、お弁当などを販売している〈rucoto〉。アレルギー体質の人も食べられるようにと食材や調理方法にも気を配っているお店です。
こうした活動を始めるようになったきっかけは、東京で調理人をしていた佐藤千裕(さとうちひろ)さんが、新潟に来てから農家さんと密接に関わるようになったこと。農家で出る「ハネモノ野菜」や果物を活用できないかと考えた結果、規格外の素材を使ったかき氷の販売を始めることとなったのです。
そんな経緯で始まった〈rucoto〉は、〈潟マルシェ〉にほぼ毎回出店している常連のお店。数々のイベントに出店する佐藤さんに〈潟マルシェ〉の印象を聞いてみました。
「新潟への想いが強い地元のお店や生産者が、ぎゅっと集まっているイベントだと思います。地域のために何ができるかを考えて行動している人が多い印象がありますね」と佐藤さん。
鳥屋野潟らしさを感じられ、暮らしの提案ができるイベントにと考えて開催されている〈潟マルシェ〉。出店者にも来場者にもその想いはしっかりと届いているようです。オーガニックな暮らしに興味がある人はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。
Information
【潟マルシェ】
開催地:新潟県立鳥屋野潟公園鐘木地区内「ユスリカの森」
次回開催予定日:2022年5月 ※開催日未定
web:潟マルシェ
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