新潟のつかいかた

spot-honne-011-ec

東京から移住した
20代女性対談 前半
「新潟に来て、
新しいことに挑戦したい!」 Posted | 2022/02/10

東京から新幹線でも高速道路でもアクセスのいい新潟県は、移住先の候補として、働く女性からも注目を集めています。今回は東京から新潟市に移住した金澤李花子さんと橋本安奈さんが「新潟移住のリアル」をホンネでトーク。実際の仕事は? 人間関係は? 2回シリーズの前半です。

最初のきっかけはリモートワーク

新潟出身の金澤李花子さんと岡山出身の橋本安奈さんは、同業者で同い年。大学進学を機に上京し、卒業後は出版や広告業界で多忙な日々を送っていました。2021年、金澤さんは起業するために、そして橋本さんは2020年、新潟市で暮らすご主人と結婚して新しい生活を始めるために、約10年暮らした東京を離れて、新潟に移住したといいます。

金澤李花子さん
金澤李花子さん。転勤族の家庭に育った金澤さんは、中学と高校の6年間を新潟市で過ごしたそう。

金澤李花子さん(以下、金澤) 私は新潟が大好きで「いつかは戻ってきたい」って、いつも思ってた。東京も好きなんだけど、ストレスが溜まったときの逃げ場がないなって感じるようになってた。

橋本安奈さん(以下、橋本) 私は独身時代、地方移住を考えたことはなかったかな。結婚したとき、ちょうど新型コロナウイルスの影響でリモートワークが始まっていたから「これなら新潟で仕事を続けられるかも」って。仕事の一部を業務委託で続けながら、フリーランスでやっていこうって決めた。つまり独立ということだから、新しい仕事も積極的にやっていかなくてはいけない。これは自分への挑戦だなって。きっと今までより大変だけど、苦労は若いうちにしておこうと。

金澤 「苦労は若いうちに……」って、誰かに言われたんじゃなくて、自分でそう思ったの?

橋本安奈さん
橋本安奈さん。晴れの国である岡山県出身の橋本さんは、雪をほとんど見ることなく育ったそう。新潟の美しい雪景色に感動したといいます。

橋本 うん、思った。それに、新しい暮らし方をする人が、サンプルとしてひとりでも多くいたほうが働き方の選択肢も増えるかもしれないし、世の中がおもしろくなりそうだなって。単純に大切な人と一緒に暮らしたかったというのが一番だけど。

金澤 私はフリーランスとして生計を立てる自信がなくて、かといって新潟に就職したい会社はないだろうって思ってた。まずは新潟での暮らしを試してみようと、移住する1年くらい前から、東京と新潟の2拠点生活を始めたの。リモートワークを利用して、月の3分の1くらいを新潟で仕事するスタイル。

橋本 実際に住んでみると見えてくることもあるよね。

金澤 そう、東京にいて頭で考えているだけでは見えないものがあった。高校時代、好きでよく通っていた古町(ふるまち)も、大人になってからあらためて行ってみると、何かもの足りない。いろんなフィールドで活躍する人たちが、みんなで古町を盛り上げられる、そんな場所があったらいいんじゃないかって思うようになった。それが去年の12月から上古町商店街で始めた複合施設の〈SAN〉であり、文化商店としてイベントをする〈踊り場〉なの。

自分の構想をイラストにしてもらったミニペーパー
古町に場所を持ちたいと思い立った金澤さんは、さっそく知り合いのイラストレーターに自分の構想をイラストにしてもらい、それをミニペーパーして知人に配布。知り合いの本屋さんを経由して、上古町で〈ヒッコリースリートラベラーズ〉を運営する迫一成さんの目に止まり、一緒に複合施設〈SAN〉を立ち上げることに。オープンするにあたって、クラウドファンディングも活用したそう。

橋本 〈SAN〉や〈踊り場〉は新潟県内外からおもしろい人が集まってくる場所になりそうだから、私も遊びに行きたいなって思う。

金澤 移住してからずっと東京時代の仕事もフリーで受けているけど、〈SAN〉がオープンしたので、少しずつ新潟の地に足をつけて、こちらの仕事に専念したいと考えてる。

〈SAN〉の案内板
上古町商店街にある築100年の長屋を利用し、2021年12月にオープンした〈SAN〉。1階は花屋、喫茶、予約販売の新潟食材研究所のほか、金澤さんが主宰する、ギャラリー兼ポップアップ企画を行う〈踊り場〉。2階はイベントスペース、イートインスペースのほか、仕事向け会議室の貸し出しも。
対談に参加した金澤さんと橋本さん

次のページ:新潟は人脈がつくりやすい?


次のページへ →