新潟のつかいかた

移住で感じる自分自身の変化とは?

東京から移住した
20代女性対談 前半
「新潟に来て、
新しいことに挑戦したい!」 | Page 3 Posted | 2022/02/10

移住して「自分のまち」という想いが芽生えた

対談する金澤さんと橋本さん

ふたりは新潟で暮らし始めて、価値観や仕事に対する意識が大きく変化したといいます。

金澤 私は何よりも「仕事への考え方」が変わった。東京では一に仕事、二に仕事、三番目くらいにプライベートで、仕事中心の生活がデフォルトになっていた。それが新潟に来て逆転したと思う。まわりにいる新潟の人たちは、休むときは休むことを徹底している気がする。

橋本 私も新潟に来て夜は早めに寝る生活になって、たまに東京で夜遅くまで働いていた日々が恋しくなったりする。もちろん仕事が忙しいときは、今もガッツリ夜遅くまでやるけど。

金澤 私の目標は週休3日。新潟ってちょっと足を延ばすだけで温泉があったり、小旅行しやすいから、休暇の楽しみ方を知っている人が多い印象を受ける。私はまだできていなくて、朝起きて「さあ、今日は何をしよう」という感じだけど、お客さんに「週末、何をしましたか?」って聞くと、ゴルフに行ったとか、上越に行ったとか、無駄に過ごしてない。安奈ちゃんも何かしらしてるでしょ?

橋本 趣味や遊びというわけではないけど、夫の祖父母が上越に田んぼを持っているから、そのお手伝いで田植えや稲刈りをしたり。そんなふうにときどき里山の暮らしも楽しんでる。

金澤 新潟に来て何か変わったことある?

橋本 私の変化といえば、ものを見るときの解像度があがったと感じること。それぞれの分野で活躍しているプロフェッショナルな人たちと自然と知り合うようになって、会うといろいろなことを話すし、私が知らないことも教えてくれる。深い話ができるというか。だから、お酒を買うならこの人のところ、友だちへの贈り物を選ぶならこの人のところ、と人をベースに足を運ぶ場所を決めてる。そういう環境で、少しずつほかの人が見ている世界を知ることで、身のまわりのものが以前よりもはっきりと、多角的に見えるようになってきたかな。

金澤 新潟はそういったすごい人たちとの距離が近いよね。東京でもバーや服屋さんで知り合う人はたくさんいるけど、SNSなんかで有名になると気軽に連絡がとれなくなって、遠い存在になっちゃう。

橋本 あと東京にいたときよりも「自分が住んでいるまち」という意識が高まったかも。

金澤 確かに。外のゴミを拾うようになったよ。東京では絶対にやらなかった(笑)。あと、倒れている自転車を直すとか。知っている人の自転車かもしれないって思うと放っておけないよね。「自分のまち」と思うと、いろいろなことが他人ごとではなくなった。

橋本 自分の家族や友人とつながりのある人と仕事をすることも、少しずつ増えてる。そう思うと当然だけど、どの仕事も気が抜けない。雑誌など媒体の価値観を作り上げて、世の中に発信していく楽しさというのも好きけど、今自分が仕事をするモチベーションは、家族とか身のまわりの人やもののためへと変わってきた。

金澤 東京は個人プレイだったけど、ここでは周りのことを考えるようになったよね。

橋本 そう。人に支えられているなと感じることがよくある。「何ができるか」という能力も大切だけど、「一緒に仕事をして楽しいか」ということを大切にするマインドを持つ人にも出会った。仕事に対するベクトルが違うと思って、感動した。移住したばかりの頃は、どういうモチベーションで仕事をしたらいいのか戸惑ったけど、最近、わかってきたかな。

「新潟で暮らしたい」という強い想いから二拠点生活を開始し、古町で新しい仕事を始めることになった金澤さん。そして結婚を機に、新潟に移り住み、フリーの編集者として挑戦することを決めた橋本さん。新潟で活躍するさまざまな分野の人たちと積極的につながりながら、自分たちの活躍の場を広げています。

〈踊り場〉の看板
金澤さんが運営する〈踊り場〉。いろいろな人がさまざまな文化(人やものや作品、食など)を発信できる場でありたいと話す金澤さん。
金澤李花子さん

Profile 金澤李花子

新潟市出身。28歳。2021年12月にオープンした複合施設〈SAN〉の副館長。大学進学のため上京。卒業後、東京で雑誌『TOKYO GRAFFITI』編集・ディレクションをはじめ、企業や自治体の広告・クリエイティブ制作業務に携わる。2020年9月から東京と新潟の二拠点生活を開始。2021年9月、古町に複合施設〈SAN〉を立ち上げるため新潟に移住。移住を機にフリーランスとなり、リモートで東京の編集業務を行いながら、〈SAN〉でギャラリー兼ポップアップ企画を行う〈踊り場〉を運営。furumachi SAN

橋本安奈さん

Profile 橋本安奈

岡山県出身。29歳。フリーランス編集者・ライター。大学進学のため上京。卒業後は雑誌『ソトコト』や『TRANSIT』の編集部で、編集者として働く。新潟在住の夫との結婚を機に独立し、2020年8月から新潟生活スタート。現在は、WEBメディアや雑誌、書籍などの編集・執筆を行う。バルト三国のひとつ、エストニアのデザインを日本に輸出するプロジェクトなどにも携わる。

credit text:矢島容代 photo:飯山福子