新潟のつかいかた

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人と地域の
つながりが生まれる場に。
移住者も楽しめる上越のマルシェ Posted | 2021/08/31

マルシェや朝市などの青空イベント。全国各地で野外でのイベントは行われていますが、新潟県内でも地域ごとの特性を生かしたイベントが多数開催されています。

そんな青空イベントは市民が楽しめる場であると同時に、移住者にとっても地域のつながりをつくることができる場でもあります。出店者と話したり、ワークショップに参加すればほかの参加者と話すきっかけにもなるし、移住を考えている人も地域の情報を集めることができます。

そんな人とのつながりが生まれるイベントを上越エリアからピックアップ。当日の様子をお届けしながら、移住者にとってのメリットを考えてみました。

日本一の雁木の下で開かれる〈まちや de マルシェ〉

今回うかがったのは、2021年7月25日に上越市高田で開催された〈まちや de マルシェ〉。50以上のハンドメイドやクラフト店、パン屋、飲食店などが集まり、年に2、3回開催されているイベントです。

町家の前に張り出した庇、「雁木」
それぞれの町家の前にある「雁木(がんぎ)」。

このイベントは、「雁木(がんぎ)」と呼ばれる町家の前に張り出した庇(ひさし)の下で開催されています。高田地区に現存する雁木は日本一の長さ。雪国であるこの地で、積雪から通路を確保するためにつくられた雁木ですが、暑い夏の日差しよけ、雨よけとしても活躍しています。家の前の雁木は、それぞれの家の所有物。各家から許可をもらうことで、〈まちや de マルシェ〉を実現できたそうです。

上越市高田地区の街並み

移住者がまちづくりの一環で始めたマルシェ

主催者の宮川大樹さん・礼子さん夫妻

主催しているのは、高田地区の大町に住む宮川大樹さん・礼子さん夫妻。別のマルシェを主催している知人から、「マルシェが主催者の想いだけで終わってしまって、長続きしない。地域のみなさんと一緒に続ける方法はないか」と相談を受けたことから、自分たちでもマルシェを企画してみることになったそうです。

宮川さんは、上越市旧柿崎町で生まれ育ったものの一度東京に出て、大町に戻ってきたUターン移住者。上越市内でもたくさん移住地の選択肢はあったものの、最終的に大町を選んだ理由は、人情に厚いという理由でした。

「私が移住してきた大町は職人が多く、人情に厚い人ばかり。よそものの私たちにも気を配ってくれて、快く受け入れてくれたんです」

人のやさしさに触れた宮川さんは大町に移住することに。高齢化が進み、人が少なくなってきたまちを盛り上げようとイベントを企画するようになったそうです。

地域住民と一緒につくりあげるマルシェに

初めて〈まちや de マルシェ〉を開催したのは、2021年4月29日。当日は雨が降っていたものの、多くの人が集まり、雁木のありがたさを痛感したといいます。

また、住民との連携も滞りなく進み、イベント当日は地域住民の方が交通整理に協力してくれるなど、有志団体と地域住民が一緒になってイベントを企画運営することができました。

〈まちや de マルシェ〉の様子

今後は参加者のみなさんがくつろぎやすいように飲食ブースの拡充を図りたいと考えているそう。現在はテイクアウトのみの提供ですが、新型コロナウイルス感染対策に充分に配慮しながら、マルシェ内で食べられるスペースを設置したいと、まちに賑わいができる未来を夢見ていました。

〈米ぬか温しっぷ〉

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マルシェの利点


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