新潟のつかいかた

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風土を知って移住のヒントに。
土地らしさを感じられる、
下越の青空イベント | Page 3 Posted | 2021/11/05

下越エリアの青空イベントは〈潟マルシェ〉だけではありません。ここからは下越エリアで開催されている、ほかのマルシェをピックアップしてご紹介します。

長屋を受け継いで始まった〈沼垂(ぬったり)テラス商店街朝市・冬市〉

沼垂朝市の様子
2017年の沼垂朝市の様子。

最初にご紹介するのは、レトロでかわいらしいお店が並ぶ沼垂テラス商店街で開催される〈沼垂テラス商店街朝市・冬市〉です。

4〜11月は朝8〜12時で沼垂朝市を、12〜3月は朝10〜14時で沼垂冬市を行っています。毎月第1日曜に開催され、多いときは4000人ほどが訪れるそうです。

屋内での沼垂冬市の様子
2017年の沼垂冬市の様子。

もともとは市場の跡地につくられた長屋の商店街で、当時から朝市が開かれていました。その後、新しく沼垂テラス商店街が始まると、この取り組みを知ってもらう意味もこめて、2015年4月からイベントを開催するように。今では日曜定休だった近くのお店がイベント時にお店を開けるようになるなど、地域への波及効果も少しずつ生まれています。

「最近は空き店舗にどんどんと新しいお店が入ってきています。イベント開催時以外での活性化がまだまだ課題ではありますが、古くとも新しいこのまちに魅力を感じてもらい、商店街自体の活気がほかのお店にもどんどん広がってくれたらうれしいですね」と実行委員の猪股俊之(いのまたとしゆき)さん。

様々な出店ブースのテントが並ぶ

下町の温かさがある沼垂。最近は商店街から少し離れたお店を含め、新しいお店がオープンしています。長屋から沼垂テラス商店街へと、歴史を受け継いで物語を紡いできたこの地が、これからどんな新しい物語をつくっていくのか。今から楽しみでなりません。

Information

【沼垂テラス商店街朝市・冬市】
開催地:新潟県新潟市中央区沼垂東3丁目5番
次回開催予定日:2021年11月7日
※新型コロナウイルスの感染状況により、変更となる可能性があります
web:沼垂朝市・沼垂冬市

自然栽培/有機栽培の野菜を販売する〈おひさま日曜市〉

森の中で開催される〈おひさま日曜市〉の様子

次にご紹介するのは、新発田市月岡のキッコリータウンで開催されている〈にいがたオーガニックマーケット おひさま日曜市〉です。毎月第4日曜日に自然栽培や有機栽培の農家さんの直売やものづくりのワークショップなどを行っています。

もともとはディレクターの鈴木誉也(すずきたかや)さん夫妻が運営していたカフェ〈marilou(マリールゥ)〉で、自然栽培や有機栽培の農家さんを招いて野菜を直売し、おつまみやお酒を用意したバルイベントを開催したことが始まり。そのなかで農家さんからは直売できる場所がないこと、お客さんからはオーガニック野菜の販売先を知りたいといった声があり、マーケットを独立させたそうです。

地元農園のトマトを販売中

「『今まで大きな労力をかけて東京のファーマーズマーケットに売りに行ってたけど、“おひにち”のおかげで新潟のお客さんだけで販売していけるようになった』と農家さんに言われたのはとても励みになりました」と鈴木さん。

〈おひさま日曜市〉を楽しむ家族

また、新潟県内では自然栽培や有機栽培の野菜はまだまだ手に入れにくい状況だとか。「少しでもオーガニック食材に関心がある方の力になれれば」と語ってくれました。

「首都圏から移住されてきた方は、食に気を使っている方が多い印象です。新潟県内は新鮮な野菜は手に入りやすいですが、栽培方法や種にまで気を使った農産物はまだまだ手に入りにくい気がしています。そういった農産物の提供はもとより、農家さんとお客さん同士の情報交換の場になれればうれしいですね」

2021年から緑豊かなキッコリータウンぐーるりの森へ開催地を変更したおひさま日曜市。今後はさらに自然とのつながりを感じられるイベントを目指しているそうで、新天地でどう変わっていくのか、次なる展開が楽しみになりました。

Information

【にいがたオーガニックマーケット おひさま日曜市】
開催地:キッコリータウンぐーるりの森 新潟県新発田市月岡408(月岡わくわくファーム横の森)
次回開催予定日:2021年11月28日
web:おひさま日曜市

下越エリアには今回紹介したマルシェや朝市以外にも、その土地らしさを感じられるイベントがたくさんあります。土地を感じて、出店者と触れ合い、風土を感じる。そうすることで、この土地ではどんな暮らしが待っているのか。移住のヒントが隠されているかもしれません。ぜひ主催者や出店者の方に話を聞いてみてください。その土地ならではの風土や風習、歴史を教えてくれるかもしれませんよ。

credit text:長谷川円香 photo:日下部優哉(潟マルシェ分)