新潟のつかいかた

毎日食べられる醤油赤飯、味の決め手は…

〈ごはん同盟〉がつなぐ、
ふるさとのレシピ
赤飯なのに赤くない、
長岡のソウルフード
「醤油赤飯」 | Page 3 Posted | 2021/03/12

毎日食べられる醤油赤飯、味の決め手はあまじょっぱさ

それでは、できあがったばかりの醤油赤飯をいただきたいと思います。

さっそく試食

「いただきますー!」

じっくり味わうごはん同盟の二人

食べた瞬間、醤油の芳ばしい香りが口いっぱいに広がります。ああ、懐かしい味!

醤油赤飯のおいしさの秘密は、塩水で味つけするピンク色の赤飯とは違って、醤油や酒、みりんを混ぜ合わせた調味液の奥深い味わいにあります。単純にしょっぱいだけではなくて、ほんのり甘みを感じたり。この「あまじょっぱさ」につられて、箸が止まりません。

〈江口だんご〉で販売している「長岡赤飯」は、1パック300グラム。ひとりで食べるにはちょっと多いと思うかもしれませんが、長岡市民なら軽く1パックを平らげられます。

醤油赤飯

「醤油赤飯は日常食なんです。これと味噌汁、あと、漬物があればそれで十分。食事として成り立つのも、醤油の持つあまじょっぱさの力のおかげですね。だから、毎日食べても食べ飽きないんだと思います」(江口社長)

箸を止めないごはん同盟の二人

江口社長のお話をうかがいながら、箸は止めない〈ごはん同盟〉。やはり、プロがつくった醤油赤飯はひと味違います。

実家で母や祖母がつくっていたものは、もっと味にムラがあったように思います。きっと調味液の配合が目分量だったのでしょう。まぁ、それはそれで十分おいしいのですけれど。

「ささげはなかったけれど、新潟では水田のあぜ道で豆を育てることが多かったから、金時豆は豊富にあったのだと思います。醸造のまちだったから、醤油も確保できた。稲作が産業の中心だったから、米も十分にあります。そう考えると醤油赤飯は、まさに “長岡にあるもんで”つくられた料理といえますね。食材が揃っていなければ料理は生まれないし、一般の家庭まで普及しませんから」(江口社長)

地域の伝統食として、長岡の名物として、醤油赤飯のことをもっと多くの人に知ってもらいたいと考える江口社長は、そのために新しいチャレンジを進めていました。

醤油赤飯のキット

それが、炊飯器でつくれる醤油赤飯のキット。もち米と金時豆、白ごま、調味液が同梱されていて、炊飯器に入れて炊くだけで醤油赤飯を楽しむことができます。蒸し器がなくても醤油赤飯をつくれるので、贈り物としても喜ばれているようです。

江口太郎社長

今回の取材は、幼い頃から慣れ親しんだ醤油赤飯について、あらためてその歴史や背景を知ることができた、とても貴重な時間でした。

新潟県外で長岡出身の人に出会うと、誰しもが醤油赤飯について熱く語ります。本当の郷土料理とは、人の記憶の中で生き続けられる料理のことだと、実感しました。

【 レシピ 】

醤油赤飯と漬物

炊飯器でつくる「醤油赤飯」(2合分)
レシピ考案:しらいのりこ(ごはん同盟)

【材料】
・もち米 …… 2合(300g)
・金時豆 …… 30g
・白ごま …… 適量
・合わせ調味液

 濃口醤油 …… 大さじ1
 淡口醤油 …… 大さじ1
 酒 …… 大さじ1
 みりん …… 大さじ2
【作り方】

1 金時豆は、10時間以上水に漬けておく。
2 もち米は炊飯する1時間前に研いで、水に漬けておく。
3 炊飯器に水気を切ったもち米と金時豆を入れ、合わせ調味液を加える。
4 炊飯器の「おこわ2合分」の水加減まで水を加え、おこわモードで炊飯する。
5 炊き上がったら器に盛り、白ごまをふる。
農林水産省「うちの郷土料理」に掲載中の新潟県の郷土料理一覧はこちら】

ごはん同盟のお二人

Profile ごはん同盟

調理担当のしらいのりこ(新潟市出身)と、企画・執筆担当のシライジュンイチ(長岡市出身)による炊飯系フードユニット。料理雑誌へのレシピ提供のほか、炊飯ワークショップや料理教室などを精力的に開催する。近著は『これがほんとの料理のきほん』(成美堂出版)。www.gohandoumei.com

Information

【江口だんご本店】
address:新潟県長岡市宮本東方町52-1
tel:0258-47-4105
access:JR長岡駅から車で20分
営業時間:販売9:00〜18:00/喫茶10:00〜17:30(17:00L.O.)
定休日:元日のみ
web:江口だんご本店

credit text:シライジュンイチ photo:やまひらく